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俺の固有スキルって、呪われてるんじゃないのか?

 俺はスキルをゲットした!【採取1】


 ふっふっふ。俺の予想は的中したのだ。俺は薪集めのために、一人で郊外の森へ来ていた。昨日と同じように大勢のキコリがいる。今日の装備は斧だけじゃなく、短剣とナイフも持ってきていた。俺の固有スキル“オール・フォー・ソード”は、剣にまつわる事なら何でも習得できるようなのだ。神様がそんなことを手紙に書いていた気がするのを思い出しただけなんだけどね。


 そこで俺はエバさんの監視が無いのを良い事に、近くで薬草を採取していたのだ。最初、斧で薬草を刈っても何も無かったけど、ナイフで薬草を刈ると、何か身体がゾクリとしたのだ。ステータスを確認すると、【採取1】を手に入れていた。普通は一人前レベルでスキルを得るのだが、そこはチート能力だろう。ちなみにナイフは剣に含まれるらしい。


 俺は、キコリのチームに入れてもらい、こっそり短剣で木を切りつけた。しかしスキルは手に入らない。最後まで短剣で切り続け、木が倒れると俺はスキル【伐採1】を手に入れていた。最後までやらないと、スキルを得られないらしい。


 俺は気分も上々に、屋敷に戻るついでに冒険者ギルドへ向かった。相変わらずの赤い扉である。俺は買い取りカウンターへ向かうと、昨日話した受付のお姉さんを探して話しかけた。お姉さんは俺を見て驚いた後、悲しそうな眼を向けてきた。きっと奴隷の証である首のチョーカーに気付いたんだろう。俺も苦笑いした後、薬草の買い取りをお願いした。


「ギルド証もお願いします。」

「どうぞ。」


俺は首にかけたギルド証を預けた。お姉さんは早速俺が持ってきた薬草が詰まった袋を鑑定し始めた。するとお姉さんは驚いたように話しかけてきた。


「テルさん!凄いじゃないですか。全部、状態が“少し良い”ですよ。もしかしてスキルを手に入れたんですか!?」


 お姉さん。名前をクレー・フェルトというらしい。ギルドのクレーさん。物乞いみたいだ・・・。


 クレーさんによると、素材にもランクがあるらしく、普通・少し良い・良い・上級・極上・神級とあるらしい。スキルが1あると少し良いが増えるらしい。俺は素直に、採取のスキルを得た事を伝えた。


 「やっぱり!昨日までは無かったですから、今日スキルを得たんですかね?何はともあれ、おめでとうございます。スキルを得ると良い事ずくめなんですよ。」

「ありがとうございます。やぱりスキルって凄いんですね。それで、買い取りはどうなります?」

「そうでした。状態が“少し良い”なので“普通”の1.2倍の値段になります。この量ですし、銀貨1枚でどうでしょう?」


(銀貨一枚。日本円で1万円か。なかなかの値段になったな。)


「それでお願いします。あと、この銀貨20枚を預かってもらえないですか?」

「はい、銀貨20枚ですね。確かに。では合計で、銀貨21枚お預かりします。」


 そういうと、ギルド証がレジの様な機械に置かれて、一瞬だけ輝いた。ギルド証が通帳代わりにもなるようだ。便利であるが用心が必要だな。


「今後も納品される際は、ぜひ私、クレーに言ってくださいね。絶対ですよ。」


 なぜか念を押されてしまった。担当する冒険者の功績が、自分の内申にでも影響するんだろうか?俺は、承諾した後、急いで屋敷に帰った。


「遅い!何チンタラしてんだ。」


 エバさんに怒られた。確かに次の用事に少し遅れてしまった。次は昼まで、剣の稽古だそうだ。ネーロの奴は、俺が歯向かえないと思って、護衛用に剣術を学ばせるつもりらしい。願ったり叶ったりだ。せいぜい利用させてもらうぞ。


 エバさんの剣術稽古は、かなりハードだった。木材を大量に担いで延々走らされ、手がしびれるまで素振りをさせられる。もちろん、一振りごとに全力を出させられる。気を抜くと思いっきり尻を叩かれる。手がしびれたら、またランニングだ。これを繰り返すのだ。


 正午の鐘が鳴るころには立っていられなくなる。細マッチョになっても見かけだけで、実力が伴っていなかった。だが、エバさんには筋が良いと褒められた。だってチート持ちですもん。剣限定だけど。俺は井戸水で全身をふいてから食事へと向かった。


 おなじみの食事を取ったあと、街への買い出しに同行させられた。食糧や日用品の買い出しで、荷車を引く担当だ。八百屋に来ると、メイドが野菜を凝視しているのが気になった。彼女は【鑑定】のスキル持ちらしく、悪い野菜を取り除いているらしい。


 俺は買い物を待っている間に、自分の短剣を凝視した。鑑定を意識しながら見つめ続けると、突然剣にステータス画面の様なものが見えた。【鑑定1】を手に入れた。


「おぉ!鉄の短剣かぁ。」


 思わず声が出てしまった。周りには聞こえていなかったようで、一安心である。変な人に間違えられずに済んでよかったぁ。


■鉄の短剣 攻撃力:10 耐久10/10


 ふむ。耐久とはそのままの意味だろう。壊れるまでの値だ。やはり剣が絡むと簡単にスキルを手に入れられる様だ。便利だね。さすがチート。

 

 俺は他にも鑑定してみたくなり、メイドが避けた野菜を凝視した。けれどもステータス画面が出てこない。別の野菜を見つめてもやっぱり出ない。なぜだ?確かに【鑑定1】のスキルは持っているのに、野菜では使えない。


・・・!もしかして、剣が関わらないとスキルも使えないのか!?

試しに俺は、(あの野菜を剣で切る!剣で切るためには情報が必要だ!剣の為に鑑定するんだ!)と念じながらキャベツのような野菜を見つめた。するとステータス画面が現れた。


■コール・鮮度2/10


出た!出たよステータス!やっぱり剣が絡まないと、スキルは使えないようだ。しかし、いちいち剣を経由しないといけないとなると、面倒である。つまり剣が関わらないものは、覚えられないし、対処もできないということだ。

 

「俺の固有スキルって、呪われてるんじゃないのか?」


非常に便利だが、非常に使い勝手の悪い自分のスキルに、嬉しいような悲しいような思いだった。


■ステータス

テル キサラギ 人族 男 18歳 レベル3

体力:16→21  魔力:16  筋力:20→25

速度:16  耐性:16  魔耐:10

スキル:【オール・フォー・ソード】【採取1】【伐採1】


だんだん文字数が増えてきた。

ワードで下書きしてるけど、ニページに収めるようにしてます。

次回、スキル上昇、頑張っちゃうぞ

/( •̀ ω•́ )/

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