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明日からは薬草集めだ

世界の説明回になってしまった。

なぜこうなった?


*へたくそながら、地図があります。

理解の助けになればと・・・

 精霊の友達を手に入れた事に対して、感慨にふけっていると、野太い声のおじさんに声をかけられた。


「さっさと服着てこっち来い。ご主人さまからお前を教育するよう言われたんだよ。」

 

 声のする方に視線を向けると、40歳くらいのちょっと禿げた、身体のがっしりしたおじさんが、俺を呼んでいた。首に黒いチョーカーが付けられていたので、奴隷だろう。俺はこのおじさんの後釜として狙われたのだと瞬時に理解できた。


「今行きます。」


 俺は今の光景を見られていないだろうかと不安になりながらも、服を着ておじさんに駆け寄った。


「俺はエーバー・ウンクラオト。エバでいい。さっきも言ったが、お前の教育係だ。記憶喪失らしいから、一から教えてやる。ご主人様に恥をかかせない程度の教養は身につけろよ。」

「テル・キサラギです。宜しくお願いします。」


 俺たちは奴隷やメイド用に建てられた別棟につれてこられた。一階の食堂に通されて、そこで勉強するようだ。


 エバさんの勉強は実に為になった。この世界は5つの種族と5つの大陸からできており、中心には神が住むとされる島があるそうだ。教会に掲げられた旗に描かれたエンブレムが、この世界を示しているのだ。正五角形の頂点を中心に円形の大陸が重なるようにある。中心は神の島があり、それぞれの大陸から海の道が伸びている。なんでも、神の島と大陸の間には幅10kmの断崖が円上に島を囲っているらしい。


 最も北にある大陸から順に、“ドワーフ族”“人族”“獣人族”“魔族”“エルフ族”が住んでいるそうだ。各大陸には特徴があり、人族のある大陸は水が豊富で平地が多く、農作に向いているらしい。大陸の右の方には神の腕“アルム・デス・ゴット”と呼ばれる、大山脈があるらしい。これまたドイツ語である。


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


 神から世界を救うことを頼まれている身としては、世界情勢も聞きたい。これまでのweb小説風の世界感から、魔族が世界征服でも企んで、悪さをしているのかと聞いたが、爆笑されてしまった。ポカンとしてると、種族間で多少の偏見や争いはあるが、至って平和な世界らしい。戦争と呼べるものは、国家間では数百年無いそうだ。むしろ同族の大陸内での方が多いらしい。当てが外れた。魔族さん疑ってごめんね。


 質問を変えて、異常現象が無いか聞いてみると、若干魔物の動きが活発だそうだ。あと、いつもより冬が厳しく長かったらしい。でも騒ぐほどの事でも無いそうだ。じゃあ俺は誰から世界を救えば良いんだろう?ちょと神様、仕事サボんなよなー。情報は命なんだぞ?まったく、いい迷惑だ。


 最後にスキルについての勉強だ。目利きや遠見、料理といった生活に役立つスキルから、火魔法、隠密、斧やスラッシュ等の技に至るまで、様々あるそうだ。


 スキルにもレベルがあり、1:一人前 2:上級者 3:師範代 4:達人 5:神級の順だ。レベル一つ上げるだけでも大変らしいが、レベル4や5を持つ人物は大陸中でもごく少数らしい。いるにはいるのが凄いなぁ。


 俺は自分の固有スキルであるオール・フォー・ソードについて聞いてみたくなったが、秘密にすることにした。また罠に嵌められたらたまったもんじゃない。俺以外、門番さんとギルドお姉さんしか知らない秘密なのだ。


 勉強の後は薪集めのために、街の外まで連れて行かれた。来年用の薪は春の内に伐採して、半年かけて乾燥させる。常識らしく、街近くの森には大勢のキコリがいた。この森は領主が魔物討伐を済ませた安全な森だそうだ。


 俺はへっぴり腰になりながらも、エバさんやキコリ数人と共に斧で大木を切り落とした。大木を、小さな車輪がついた板に乗せて、引っ張っていく。ものすごく重い大木を街の近くまで運ぶと、そこで協力したキコリ達と等分割した。それでも百キロ以上ある大木を引きづり、家へと戻った。休む間もなく、薪の大きさに切り分けて、乾燥室まで運ばされた。エバさんによると、斧スキルを覚えると多少楽になるそうだ。


 全部終わるころには、日没になりかけていた。薪集めは毎日するし、買い出しや荷物運び、屋敷の修繕に、剣の腕次第だが、ネーロの護衛も仕事になるそうだ。力がいるのは全部俺にくるらしい。最悪だ。


 俺は、野菜と肉がほんのちょっと入ったスープと、硬いパン一つの夕飯の後、自室に連れて行かれた。蜘蛛の糸やほこりが溜まった部屋で、ずっと使われていなかったらしい。ネーロの計らいで個室なのだそうだ。何が計らいだ!感謝しないぞ!


 俺はタライとブラシ、雑巾を渡されて掃除してから寝るように言われた。俺は心の友であるフワフワを出そうとするが、出し方がわからない。念じてもダメだった。・・・水を出してほしかったのに。お喋りしたかったのに・・・グスン。


 掃除を大雑把にだが終わらせて、俺は横になる事にした。布団はノミやダニがたくさん住んでそうなので、明日干そう。今日も毛布にくるまって、床に寝ころんだ。今後の作戦を立てるのだ。


(まず奴隷から脱出する事が第一目標だな。一般的には自分でお金を稼いで、主人から自分を買い戻すのだそうだ。でも現実問題、不可能らしい。どうする?何かいい方法は・・・。俺は力を求められた。護衛任務もあるらしいしな。護衛が必要という事は、誰かに襲われるという事か?。でも誰に?他の商人?魔獣?・・・そうか盗賊だ!商人の天敵といえば盗賊じゃないか。盗賊からネーロを守って、恩を売ればいい。でもどうやって?エバさんに剣術は教わるとして、スキルを得ないと、きつい戦いになるだろう。ただ助けただけだと、奴隷として当然だと言われるのが目に見えている。どうしたものか。・・・契約書!こちらも助ける前に契約書を書かせればいいんだ!魔法契約書?とかいう効果の強いものにしよう。こちらもネーロのやつをめてやる。クックック。見てろよ糞野郎。俺の逆襲が始まるんだ。まずは軍資金集めだな。幸い短剣の銀貨20枚はある。明日からは薬草集めだ!)


逆襲劇が静かに始まるのだった。

次回はスキルをやっと獲得するよ!たぶん。

( ;´ω` A;)

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