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第二章 狂瀾怒濤(2)

――――――――――

 アミちゃんが学校に行ってしまった。やることがなくて、ちょっと暇だ。

…そんなことより。私、ちょっと気になることがあるんだった。

アミちゃんの友達…モモさん、だっけ。アミちゃんには言えなかったけど、私実は見てしまった。モモさんの不自然な行動を。

とらんぷをした時に思ったのが、ブラウスの襟もとがしきりにずれないか確認していた。特にうなじあたり。多分、アミちゃんは少し天然が入っているし、気が付いていないだろう。あの時、少し外が冷えていたからって、アミちゃんが暖房をガンガンかけるから、室内は暑いぐらいだったのに、少しも服装を緩める気配がなかったっていうのもある。…もしかしたら、冷え症かもしれないのだけれど。

「うーん…考えていても仕方ないし、簡単な基礎訓練でもしておきますかね」

私は、組織から教えられてきた体操のようなものを始めた。みんな、基礎訓練と呼んでいる。狭いスペースでも効率よく体を動かすことができる。結構しつこくやったら時間がかかるので、これで少し暇つぶしにもなるだろう。


かれこれ二時間のんびり基礎訓練をした後、せっかくだしと思って仮眠したら、もう昼をすぎてしまっていた。もうすぐ一時だ。いけない、お昼ご飯を食べないと。れいぞうこをあけてみると、れいぞうこの中央のほうに大きめのお皿があった。パンに食材を挟んだものがいくつか乗せられていた。

「…これは、でんしれんじを使わなくても食べられそう…」

試しにかじってみると、レタスと卵ともったりしたソースの味が一気にきて、とてもおいしくてびっくりした。いくつか種類があるみたいで、ハムがはさんであるものもあった。

「…すごくおいしそう」

私は、そのお皿をちゃぶ台に持って行って、ゆっくりすこしづつ咀嚼していった。

「美味しい。…とてもおいしい…」

私は、その見たこともない食べ物に舌鼓を打ちながら、あることを思い出した。

「…そういえば、政府関係者って、特徴のある刺青をされるんだったっけ」

全く悪趣味だなあと思う。確か、どこにするんだったっけ。えーっと…。

「確か、うなじから背中、二の腕にかけて…。…―――ん?」

まさか。え、まさか、そんなこと。

「…そんなのって…まさか…政府は、もう気づいて…?!」

こんなにのんびりご飯を食べている場合じゃない。なんで私は仮眠しすぎたんだろう。どうして、胸騒ぎがするのにアミちゃんを学校に行かせたのだろう。

「…アミちゃんが、危ない…!」


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