記念日
今日が誕生日だという知らない人が、僕と一緒に飲みたいと言ってきた。僕はそういうの、嫌なのに。そいつは、俺の顔を見てから判断してくれと言うが、僕好みの顔だとでもいうのか?僕は、しかたなくゆっくりと顔を上げた。
「は・・・・・・」
僕は、『あ』の口をしたまま、その人の顔を見て固まってしまった。目の前に居る人は、身長180センチ以上の長身で、細身のマッチョで、うらやましいほどに足が長く、すこし黒めの健康的な肌の色にとてもよく似合う白く輝く歯と、綺麗な白目をもっている速水〇〇みち似のイケメンだ。そして、僕はこの条件に合致する人物を1人知っている。が、なんでこの人がここに居る?信じられない。ありえない。これは、非現実的すぎるので、何度も何度も、瞬きをしたが目の前から消えない。目をこすっても、首を激しく振っても消えない。ほっぺをつねってみたが痛くて飛び上がった拍子にスツールが倒れた音が派手に響くが、それでも目の前の人は消えなかった。どうやら夢ではないらしい。
「は・・・るかわ・・・さん・・・・・・」
目の前にいる春川さんの瞳がこぼれそうな程に大きく見開いた。
「名前・・・・・・どこで?」
春川さんが動揺して声が裏返ってしまっている。そうだ、そうだったのだ。僕らは自己紹介たるものをしていない。だから、僕が名前を知っていることにすごく驚いている。
「カフェの時に。ネームプレートを見て。」
僕は、左胸のあたりに、両手でネームプレートの形を作った。
「ああ。そうだったのか。いつも俯いている印象しかないから、まさか知ってくれているとは思わなかった。」
春川さんも僕も、この出会いの衝撃が覚めてきた途端に周りの景色が目に飛び込んできた。BARに居る人のほとんどが僕達のことを見ていたのだ。
「「!!!」」
「とりあえず、ここ、座ってもいい?」
僕は激しくガクガクとうなずき、倒れたスツールを元に戻し座った。僕らが座ったのを見て緊張状態にあったBARの空気が緩んだ。
お話の途中ですが、第5話を書き終えてみて、そんなに激しい物は書いていないのですが、どうも18禁に相当しそうなので、このお話まるごとムーンライトに移植することにしました。私の設定ミスで、大変申し訳ありません。