僕の使命
苛められていても
つらくても
強く生きてきた人が居る
そんな人が
きっと一番強くて
きっと一番優しくて
きっと一番弱いんだ
そう信じて
俺も生きてきたんだよ
この考えは本当
苛められたのも本当
だからこそ
強く生きていけると思う
負けないで
自分が一番なんだから
「ピース君♪」
突然ピースに抱きついてきた人物。
「ぎゅあぁっ!!」
驚いてもがくピース。
それは僕らにとっての日常。
「捕まえたよマイハニー」
「やめてよポーニトっ!」
ピースがポーニトを振り払う。
知ってるんだ。
僕のことが嫌いなのぐらい。
嫌いというか・・・
きっと苦手なんだろうね。
でも、
僕はね、
ピース君が好き。
好きって言ってもlikeだよ。
僕はただ、君があまりに悲しそうにしているから。
僕はその悲しみをほんの少し忘れさせてあげようとしているだけ。
だから、
「くふふふ・・・マイハニー・・・それって照れ隠し?」
口についている血をぬぐう。
「もーっマイハニーの照れ屋さん♪」
投げ飛ばされて少し痛む足を無理に動かす。
こんな痛み、ピース君の悲しい顔を見るよりは痛くない。
僕は走り出す。
「ひいっ」
ピース君は走り出す。
どんなに強い勇者になっても変わらないんだね。
今はとっても強いはずなのに、
マントをはためかせ、流石勇者だなと思わせる速さで僕から逃げる。
僕も負けずに走る。
昔、父親から逃げ回り、兵士に捕まらないように、見つからないように・・・
そんな感じで逃げていた記憶を思い出しながら。
僕だって負けないよ。
僕の使命は・・・
僕を苦しみから救ってくれた勇者を支えること。
僕が父親に恨まれて、王国の人すべてが敵になったとき・・・
顔の左側に星型の焼印がつけられて、
縄で縛られムチでたたかれ、絶望してた僕を・・・国を失った哀れな皇子を救ってくれた。
そんな勇者を。
彼の口癖。
「生きて居ちゃいけない人なんてこの世にひとりも居ないんだよ、だから、生きていて。」
彼は優しい。
彼は例え魔王であっても殺しはしない。
自らの手で何かの命を奪ったりしない。
彼はすべてを包み込み、
何かを諭すように微笑む
彼が救ってくれた。
彼の過去があまりに悲惨でも
どんなに悲しくても、憎くても、つらくても
生きてきた。
自殺は考えなかったといった。
あの時から二度と考えないと誓ったといった。
そんな彼を支えるのが
きっと救われた僕の役目。
それが使命
だから
笑っていてほしい。
体系なんか、頭の悪さなんか、身長なんか、どじなんか、弱虫なんか・・・
そんなことは気にしなくて良い。
だって、それは自分である証明
自分がどんな人か理解している証明
頭が良いならいじめなんかしないんだって
そういってくれたのは母だった
だから
俺は苛めてきたやつを許したよ
逆に開き直ってやったさ
豚といわれたら
牛ですからと答えたみたいにねw