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不思議な本のきらめき

作者: nekorovin2501
掲載日:2025/12/03

8歳のエドは、毎週土曜日の朝、町の古い図書館に行くのを楽しみにしていた。木の床がきしむ音と本の物語でまるで魔法の国みたい。


いつものように本棚の奥をのぞいていると

埃まみれの不思議な本が目に入った。

背表紙はなく、古い紙が紐で結ばれている。


「これ、何かな?」エドはそっと手に取った。


ページをめくると、そこにはエドの名前が

 

生まれた日のこと、初めての自転車、友達とケーキを分け合った日……全部、エドの記憶と同じ。

「え、僕の話!?」さらにめくると、今日のことまで書いてある。『エドは図書館で本を見つけ、ページをめくる。』心臓がドキドキした。


次のページには、『図書館を出ると、車が水たまりを跳ねて、エドの服をびしょ濡れにする。』

そんな事ってと思いながらエドは本を抱えて、閉館の鐘が鳴るのを待った。


外に出ると、本当に車が水しぶきを上げ、エドの服が濡れた。「うわっ! 本当になっちゃった……」家に帰って本を開くと、次のページに一行。『明日の朝、エドは寝坊して学校に遅刻する。』


その夜、エドは興奮で眠れず、案の定寝坊。お母さんの「早く!」という声に飛び起きて学校へ。やっぱり遅刻で、先生に叱られた。


「この本、僕の未来を知ってるの?」


学校から帰って本を見ると、次のページは真っ白。


「未来が……ない?」


何時間待っても文字が出ない。

ふと、エドは思った。

未来が書かれてるなら??


『もし自分で書いたら……どうなるかな?」


エドの想像力はワクワク感でいっぱいになった。


試しにペンで、

『明日の朝ごはんは、チョコパンとホットケーキがいっぱい!』と書いた。


すると、急に眠くなってベッドに倒れ込む。


朝、キッチンには本当に大好きな朝ごはんが山盛り!「わあ、叶った! この本、僕の願いを叶えてくれるんだ!』


それからエドは、毎日本に書いた。

『テストでいい点取る』

『お友達と遊べる』。

全部叶って、毎日が楽しくなった。でも、ページが少なくなってきた。めくると、白紙のはずのページに、暗い文字が浮かぶ。


『エドは転んでケガをし、おもちゃをなくす。悪い日が続く。』


本当に転んで膝を痛め、お気に入りのおもちゃがなくなった。


『何だか怖いよ……もう書きたくない!」


エドは本を閉じて、図書館に返しに行こうと決めた。


帰り道で本を落としてしまい、ページが開く。そこには恐ろしい言葉。


『エドは雷に打たれて……』


「いやだ……死にたくないよ……!」


エドは涙をこぼしながら、本を抱えて必死に走った。


もう図書館まであと少し——


雷が鳴り、空が真っ暗になって来た!?

図書館に急いで入り、本があった棚へ行こうとすると窓がバキッと割れて、ものすごい雨が中へ吹き込んできた!

エドはびしょ濡れになりながら、なんとか本を抱えて走る!

本を棚に戻そうとすると

黒い雫が本からぽとりと落ちた…


そーっと本を開くと怖い文字が消えていく……


突然、空が晴れ、

夕陽がきらきら光った。


本のページは全部白紙に……


エドは思った。

「いいことばかりじゃなく、悪いこともある。でも、未来は僕が自分で、きらきらさせるんだ。」


それからエドは、本に頼らず、毎日を一生懸命に過ごした。転んでも立ち上がり、友達と笑い合った。図書館の窓から見える空は、いつもより明るくきらめいていた。


未来は、誰かの手で書かれたものじゃない。自分の小さな手で、描いていくものだ。


(完)

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― 新着の感想 ―
 過去の出来事も一部の未来も書かれている不思議な本に、試しに自分にとって都合よさげな未来を書き、調子づきそうになるものの、早い段階で思い直し、本に頼らずに新たな人生のページを記しだすエド。 不思議さ…
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