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神の業  作者: 魔手麿
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9

「やはり骨もつながっているのですね」

(創復で何とか骨と筋肉をくっつけたが、前のようにはまだ動けないだろう…)

「これじゃあ消耗戦なのでそろそろ…」

そういうと偶然にも横に落ちていた()()()()を手に取ると、瞬きする間に大量に着いていたクナイが凝縮し、柄の両端から剣が着いていて、それぞれ片刃のがないへんてこな見た目をした一本の剣へと変化した。

(何だあれ…少なくともこの国のものではない)

「何だいまのは…それにその剣随分変なものを使うだねえ」

「思器…葉月…」

そう言うと

両端の刃が削れていくようにギザギザと変化していった。だがそれはこの思器の変化の序の口であった。刃は表面を粗くするだけに飽き足らず少しづつ大きくなっていき、最終的には三つほどに枝分かれし、もうその剣は剣といえるかも怪しい物と化した。

「飛ばすねー」


「『秋声(しゅうせい)』」

「第一壊破壊(デストリー)

お互い真っ直ぐに向かって行った

一人は眼をギラつかせ親指を立てる狂人

もん一人は異様な剣を持つ謎の男

先に結果を言おう

カルマは肩から腹を切られてしまった。


秋の風の様なゆっくりとした鋭い斬撃が

カルマの体を包むように襲った。

カルマの体は風に飛ぶ綿毛の様に宙に舞い、

腹からはジンワリと肉が裂ける感覚と血の生暖かい感覚が気持ち悪いほど伝わってきた。

今までの無感情的な攻撃ではなく人の感情の様な温かみがその斬撃にはあった。


カルマは地面に仰向けに倒れ落ちた。

「殺雲様とて今は一般人…私の思器に叶う相手ではありません…。なに、死にはしませんでも数日はまともに動けないでしょう。もし動こう物なら内臓はもろば出て、体の至る所から激しい出血が起こるでしょう。」


カルマが倒れた後はコールを待つのみだった

だが一向に実況が終了の合図を出さない

「おい!戦いは終わったぞ 何をやっているんだ」

『ムクッ』

「おい聞いているのか!勝負は終わった

俺が勝っ…」

「誰が…勝ったって?」

腹を斬られ重症なはずの男がゆっくりと起き上がり

あろうことか平然と喋り出した。

「おいおい、そんな目で人を見るなよ…

興奮するじゃないか♧」

「っ…?」

コタロウの顔が不満げに曇っているようだ

(実際には見えないのだが)

布越しに顔を歪めているのが分かった

「俺には負けられない理由がある!」

「……ふざけているのか」

カルマは天を仰いだ

「マジマジ大マジさ」

コタロウは理解できなかった。彼があの攻撃を受けてなおここまで動けているのが彼の謎の治癒力なのはまだ理解はできるが…

「ハイに…なってやがる」

「『天上天下唯我独尊』とか言っといた方がいいかな?」

そう言うなりカルマはすぐ様左手から破剣を出し、

コタロウ目掛け一直線に突っ込んでいった。

だがコタロウも落ち着きをはらいすぐさま刀を構えた。

「『秋茜(あきあかね)』!」

その超高速の抜刀は確実にカルマを捉えたと思われた。

だがカルマはその剣先が身に触れる前に飛び上がり

コタロウを軽々と飛び越えた。空中でカルマはニヤリと笑った。

だがコタロウは焦らず剣を振るった。

そしてそのまま背後まで振り切った。

その行動までは予測できていなかった

(あ…やべ)

『ガチッ』

間一髪左手の黎剣で背中を守る事に成功した

だがキツイとにかくキツイ

脱臼しそう…

「流石殺雲様…私の葉月を2度も受けて立っておられるなんて…」

少し焦る声でコタロウは言った。

「あっそうでした…」

そう言ってコタロウは自分の刀を前に出し説明し出した。

「御存知の通り私の武器は『思器』と言って

使うものの思いや気持ちが具現化した物で

言わば『内面』その物です。感情の変化に乗じて姿形を変化させる事ができます。私の思器は通常時クナイの形をしているのですが、このように刀にも変形する事ができます。現時点で作り出せる作り出せる思器は『根剛情のクナイ』と、この刀…『捌風和(はちふうわ)の葉月』だけです。またさっきも言った通りこれは私の思い・気持ちを具現化した物なのでこの通り…」

そう言って持っている刀を勢いよく自分の頭に突き刺し、引き抜いた。

だがコタロウの額から血が出ることも布に傷がつくこともなかった。

「自分自身に対し攻撃・干渉することは一切できません」

「ご丁寧にどうも。ていうかなんでお前らそんなに自分の手の内明かしたがるんだ?」

「どういう意味です?」

「どういう意味って…!あ、当たり前だろ。

逆に何でわざわざ自分の手の内晒す必要があるんだよ!さっきもいたぞそんなこと言って自分の魔法を解説してる奴が。」

「水鉄砲は穴が小さい方が良く飛ぶんですよ。

縛れば縛る程技の威力が底上げされる。常識ですよ?」

カルマは中指と人差し指を立て、頭に突き立てた。

「違う。そうじゃない。俺が言ってんのは、手の内晒すほど……余裕ないだろ?」

その瞬間カルマの全身の毛が逆立つのを感じた。

目の前にいる人間が全くの別人に変化した様な

変な感覚に体が反応してしまった。

「『秋茜』…」

おもむろにコタロウが刀を構えるとその姿はまるで変わった様には思えなかったが、彼からは今までにはなかった禍々しいオーラが滲み出ていた。

カルマはその変な感覚からか右手から自分の意思とは関係なく黎剣が出ていた。

コタロウは再びあの抜刀術を出した。

だがその速度は超高速であることは変わらないのだが、何一つ変わったところはなかった。

鋭い金属音が場内に響き渡る

そしてカルマの黎剣が粉々に砕けた。

場内は静寂に包まれた

するとカルマの胸に亀裂が入った

「何だと!?」

カルマは見た。

自身の黎剣とコタロウの刀との距離が、約40cmほどの時、それまでコタロウの刀は一定のスピードで

振られていたがその次の瞬間刀が消えた、いや見えなくなったのだ。そして次の瞬間には黎剣が砕け、自分の胸にも横に斬撃が入っていたのだ。

その攻撃は斬撃というよりかは打撃に近い物であった。ノヴァの『槓振り』とは少し劣るがそれでも尋常な攻撃ではなかった。

倒れゆくカルマを見てコタロウは安堵した。

(もう戦える状態じゃない…と言っても最初の攻撃の時点からずっとそうなんだがな)


「抜刀術『秋茜』は葉月の中でも最速…そしてそこに制約が加われば、お分かりでしょう。ですがこれはほとんど私の技術力の賜物なので……」

カルマはどうにか足を踏みとどめ、負けじと言い返した。

「いや、ちゃんと聞いてるぞ!こりゃすごい速さだ

でもな、お前は手遅れだ…」

「戯言を…みにくいですよ」

こんな状態でも会話が成立していることに、コタロウは苛立ちを覚え始めた。何度も自分の攻撃を受けているというのに少なからず生きているという現実に若干戸惑っているのかもしれない

「ククク…正直、俺自身正常な判断ができてねぇと思う。だがこの『悪手』が今の最善策だと俺の魂が言ってんだ」

「何を訳のわからないことを…長いんで本当に殺しますよ?」

「まぁ()()()お前を倒すことはできねぇだろうな」

そういうと右手から再び黎剣を出した。だがその刀身も先ほどよりもはるかに短くなり6センチほどしかなくなっていた。

「ふっそんな物で私に勝てるとでも?」

だがカルマはその短い刀身をコタロウに向けて

嘲笑った。

「もういいです。これ以上は…」

そう言って再びカルマへと走り出した。

だがカルマは動こうとはせず、代わりに黎剣を自分に向けた。

(何をしようと…)

そして、ザックリと深く斬られた胸に、その手を黎剣ごと突っ込んだ。

そしてカルマは前方に倒れ込み、動かなくなった。

コタロウはため息をつき悲しみの表情を浮かべているようだった。

「もう千年後か…」

ため息を残して、入場してきたゲートへと向かって歩いて行った。

「おい!」

背後から自分を呼ぶ声が聞こえた。

その瞬間何秒間かコタロウの中で時が止まった。

(何が起きた…背後で何が起こってる?)

振り向いてはいけない。心臓から皮膚、髪の芯までもがコタロウにそう囁きかけていた。

「何やってんだ?聞ーこえーてまーすかー。」

謎にハイテンションの声の主は誰かと振り返ると

そこにはカルマが立っていた。

だがその姿は人間離れした形をしていた。

眼球には瞳がそれぞれ三つずつ付いていてそれぞれ

異なった、鮮やかな色彩をしいていて、自ら光を発している様な清らかさがあった。肌の色も綺麗な肌色から青紫色へと変色していた。髪の毛も少し茶髪だったのが、根本は淡い水色がかった、綺麗な白髪になっていた。

「何ぼけ〜としているんだヨウ!」

「貴様は、誰だ」

「よくぞ聞いてくれた、君はいい子だね僕は破壊神だよ」

(破壊神…神だと)

「あれ聞いてる〜?破壊神だにょーん」

・・・・・・・。

「っち!話にならない…」

「へ?」

ふざけた言い方とは裏腹にその言葉一つ一つが

ここにいる全人間を無性に震えあがらせた。

「そんな風に言うならちょっと見せちゃおっか…」

その瞬間カルマと思わしき男はその場から消え去った。

その瞬間からコタロウの心臓は今までにない程の危険信号を出し、今すぐに逃げろと体に全力で伝えた

「き…棄権…」

「えっ!」

その言葉に、上空から雷神の如き姿で拳を振り上げていたその男は、残念そうに降りてきた。

「棄権すんの?」

「は…はい」

「ハァ〜…久しぶりに出て来れたってのになあー

………でもまあ…………許そう」

親指を立て笑顔でそう言った。

その言葉にコタロウは、安心という言葉を身に沁みて感じた瞬間だった。

その時突然下腹部に違和感を覚えた。

まるで中を絶妙な力で握られているようなこの感覚は…

「ダイジョビ?小便なら早めに行った方がいいぞ」

コタロウはガタガタ震えながら答えた

「はっ…はぃ」

そうするとその男の肌は少しずつ元の色へと戻り

目もいつのまにか元の数へと戻っていた。

「もらさんようにね」

その瞬間コタロウはすぐさま入場ゲートへと走り出しトイレへ向かって行った。


「お前の敗因は…自分に自信を持ちすぎたこと…?

いやなんか違うなー…まぁあれだ…その…人を見下すな!」

目の前にはもう誰もいないと言うのにいつもの癖で言ってしまった。

その行動に自分でも恥ずかしくなり、すぐにスタスタとその場を後にした。

「ふー…」

(見た感じコタロウは大事に至ってないっぽかったから良かったが、ハー……またやっちまった。力はちゃんと均等に使わなきゃ()()()()()()って念押しされたのに……まぁなんにせよコタロウは怪我してないし大丈夫だろ)


カルマコールマン第4試合勝利

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