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『第一回戦出場者
カルマ・コールマン対ライニス・ホーソーン
試合……開始』
その声と同時に
アスナは杖を振った
アスナ「『鎌鼬』!」
………
何も起こらない、(失敗したのか?)
その瞬間 脳が判断する前に体が避けることを選んだ
俺の体は宙によけることができた(ほっ…!)
その時下には直径15センチ程の三日月型の斬撃
が3つほどが地面スレスレに飛んでいるのが見えた
(危なかったー)
心の中で安堵し足が地面に触れた
その瞬間『ザクッ』という音が体に響いた
足に違和感を感じる
「どうなってんだ?確実によけたはずなのに」
右足のくるぶしから膝にかけ無数の切り傷がついた
幸いにも全て骨まで達するほどの深さではなかった
だが大量の傷による激痛がカルマを襲った
「その技はね空気を…と危ない危ない手の内を明かすところだったわ。」
そう言って彼女は微笑した
「ドンドン行くわよ『鎌鼬』」
そう言ってアスナはまた杖を振った
「クソまたか」
カルマは今度は右横に避けた
さっきの傷は上に飛んで避けた事が原因だと考えたからだ
(今は下手に大きく動くのは危険だ…)
だがその読みは外れた
カルマの腕にはさっきと同じ無数の切り傷がついた
その時もまた一瞬だけ足元スレスレに斬撃が飛んできているのが見えただけ…
ではなかった!
カルマには前方方向からほんの一瞬あの攻撃と同じ形の空気の揺らぎが見えた
「何なんだよこの攻撃はチートかよ、避けたと思っても毎回あたっちまう。幸い一つ一つの斬撃の威力は弱いがこのままじゃ消耗戦なんぞ」
「フッフッ逃げ惑うがいいわでも攻撃はやめないわよ」
俺は次の攻撃に備えようと距離を取ったが
もうすでにすぐ後ろに壁があった
「もう逃げられないわよ『矢風』」
カルマはすぐさま壁に沿うように走った
『スン』『スン』『スン』
後を追うように壁に穴が開いていく
(まずい!貫通力がさっきの比じゃねー…)
壁に次々と穴が空いていく
観客「さっきからずっと避けてばっかじゃねーか
しかも当たってるし、ちゃんと攻撃見ろや」
「そろそろ勝負をつけさせて貰うわよ」
そういうアスナは深呼吸をした
「くらえ必殺『死鎌鼬』!」
カルマはおもむろに手に持つ砂を周囲に撒き散らした。だが次の瞬間カルマは壁に叩きつけられた
いや切り付けられた
肩から横っ腹にかけてを斜めに深い斬撃を食らい
カルマはその場に倒れ込んだ
実況『おーとカルマ選手ここにきて大きな傷を負ってしまったようだ。これはアスナ選手の完全勝利濃厚か?』
「勝負あったわね」
そう言って倒れたカルマに背を向けた
「いーやハァまだ…まだ終わってねーぜ…ゴフッ」
(内臓が少しやられたな…でもどうにか立ち上がれそうだ)
「ありがとなー『お嬢ちゃん』、お前の必殺技のおかげでお前の技の秘密がわかったぜ」