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神の業  作者: 魔手麿
19/29

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4人は宿泊していた宿に戻り、会議を開いた。

「シグマ君ねー……いいんじゃないの。カルマの弟だし、転生者なんでしょ?」

「うんうん。人は多い方からいいしな」

「はぁー。マジで言ってんの?コイツはただの高校生なんだぞ」

「でも転生者なんだろ。何ができる?」

シグマは意表をつかれたように自分を指差した。

「え、えと……正直自分でもよくわかってないっすけど……」

「見せてやれ」

シグマが何かを言う前にカルマが横槍を入れた。

「え!今!ここで?」

「上手いことやれ」

「マジかよ……」

シグマは手足を軽く振り、短く息を吐いた。

そしてギターを持っているかのように、手を宙に添えた。

「マジ、一瞬だけだからね」

そう言うと、片手を振り上げた。そして勢いよく振り下ろした。

その瞬間まるで本当にギターが鳴ったかのような、耳をつんざくような音が部屋中に響き渡った。

でもその音は、軽やかなピアノの音色のようでもあり、リズムを刻むしっとりとしたドラムの音のようでもある。そのすべての音がこの曲の歌詞であるかのように、一つ一つの音が脳を侵食していくような不思議な曲だった。

二人がその音色に聞き入っていた時、不意に空気がゆっくりと揺れるように一変した。

その時シグマの足元から、黒い何かが地面から這い上がってきた。

「はいストッープ!」

カルマが大きく、手を鳴らした。

気がつけば、その黒い何かは跡形もなく消え失せていた。

「俺の能力は、『召喚(カモン)』、まあ俺自身よく分かってないが、あの黒い奴、『鬼』を呼び出せる。そんでその鬼の力、能力は曲によって変わる。」

「うん。採用」

「ちょっと待てよ!コイツは普通ーの高校生だぞ?

俺らみたいなのといちゃダメだって」

カルマが必死で二人を引き止めた。

「私たちはいいの?」

カルマとノヴァが前持って準備していたように寸分違わぬ動きで己を指差した。

「お前らはいい。だって七光だもん」

「埋めるわよ」

「おう」

「待て待て待て待て!!」

「まぁでも俺的にも、ついていきたい気持ちがあるからさ」

「やっぱり個人の意見を尊重すべきだとおもうわ」

「そうだそうだ」

カルマは頭をかき、考えた。今までシグマに寂しい思いをさせてしまった償いとして受け入れるべきか、弟の身を危険に晒すような事をするべきではないと拒否するか。

「はぁー、分かった……。分かったよ」

「よしゃーーー」

「おめでとーー」パチパチ

「おめっとさん」パチパチ

「お前は多分こんなかじゃ俺に次いで強いし」

「………………」「………………」

ノヴァとアイニスが目を点にし、黙ってしまった。

「ちょっ、冗談言わんといてくださいよ」

「そうですがな、わてら強いでんがな」

「いや、マジこいつ強いから。ほんと!」

「転生者たったって、私達より強いってのは……」

その時、シグマが何かを思い出したかのように、声を上げた。

「あ!でも待って!俺着替えとか持ってきてないよ……?やばいかな?」

「は?そんなもん……」

「えー!やばいじゃないのよ」

アイニスがカルマの言葉を掻き消した。

「これから何ヶ月も旅するんだからね」

そう言って、何処からともなくパンパンのどでかいカバンを取り出した。

「ほら、このくらいは持ってこなくちゃ」

「おい、ソレハナンダ?」

カルマが質問するとアイニスは快活に答えた。

「勿論、お洋服よ!いっぱい持ってきたんだから!!お出かけ用に、社交用。夏服用に冬服用。

それからそれから………!!」

ノヴァ(店を出せるレベルだな)

「そんな量持ってどうする?手持ちだぞ?」

「魔法使いにとっては愚問ね」

そう言って人差し指をぴょんと立て、カバンを浮かせて見せた。

「そう言うのって結構魔力食うだろ。なんかあった時に魔力切れとかされたらたまんないからな。基本的にそう言うのは手持ちだ」

アイニスはムッとしてカルマを見つめた。

「んーー」

「んーー、じゃない」

「じゃあこれどうすればいいの?!こんな量、手持ちなんて私無理よ!」

「俺達は基本、毎夜キャンプだ。」

カルマは親指を立てて、満面の笑み浮かべた。

「ああーなるほど。キャンプなら火が必要だもんな。」

ノヴァも納得するよう、首を縦に振った。

「あんたら……まさか燃やすとか言わないでしょうね?」

「よく分かったな。見た感じ結構生地が薄いのが多い。よく燃えそうだ。使えば使うほどお前の負担は減ってくわけだ。一石二鳥とはこの事だな」

「フリルがついてるのなんか、なかなか燃えよすそうじゃないか?」

「意地悪ー!!」


この時シグマは思った。

『俺、人生の選択またミスっちまったかもな』


「あっ!!そうだそうだ。大会の主催者からセイ……ジョウ?ってなやつもらったんだけど……」

カルマはそう言うと、おもむろに壁際に置いてあったリュックをガサゴソと漁り出した。そして、二の腕ほどの大きさの花瓶?を取り出した。中には、ぎゅうぎゅうに白い粒のような物が詰まっていた。

「これさー、王宮に行く時に飲んでけって言われたのよ。『転生者なれ』っつわれて……。俺一人だけが飲むのってなんか不公平な気がするすんだよね。みんなで飲んだがない?一回だけ!!」

「どういう状況だったんだよ。そんでどういう思考回路してんだよ。」

ノヴァがそう吐き捨てた

「これから結構な間一緒だからさ、何事も荷物は皆んなで分け合ってこうぜ!」

「荷物って自分で言ってるじゃない」

「まあまあ、付き合ってあげて下さいよ。明日も早いんだし」

シグマが柔和な表情を浮かべ二人を落ち着かせた。

「シグマお前も飲むんだぞ。」

「そうよ」「勿論な」

「は?俺。天然物の転生者。それ。いらない。死ぬなら。お前ら。だけ。」

「俺達は運命共同体だ。死の時も一緒だ。」

「やだよ!やだからね!絶対飲まないから!!おれは!!」


四人が手に一粒ずつ錠剤を持った。

「3……2……1セーノ!」

ゴクッ ゴクッ ゴクッ

「飲んだね?」

「うん」「うん」「うん」

「誰か……体に変化ある人いる?」

その場にいる全員が首を振った。

「はい!!やられました!!」

「あーあ。やっぱな。胡散臭いと思ってたんだよ」

「私もきな臭い話だとは思ってたけど本当に何もないとは……」

「でも待てよ。ニセモンならなんでカルマはあん時王様に会えたんだ?しっかり検査されたつってたよな?気づいてないだけで、何かしらの効能があるんじゃないか?」

「まあ確かに……」

「え?え?なんの話?」

「あっそうか!お前には言ってなかったな……」

「アレ?これ瓶の蓋になんか書いてあるよ?」

アイニスが蓋を手に持ちみんなに見せた。

蓋の裏には、一枚の紙が貼られていた。


聖錠マジ―――――――――――――――

・服用後に20分間、80%の転生者となれます。

詳しくはホームページに

〈注意〉

・一部、永続する物があります。

例)チンダル

―――――――――――――――――――――


「・・・。本物かしら」

「(マジ)って書いてあるし本物だろう。」

「てか、チンダルってなんだ?」

「あ!それ知ってる。昔シグマが言って………」

「ははははははははは」

その時、急にシグマが発作を起こしたように笑い出した。


説明しよう!!

『チンダル』とは…………

漫画やアニメで、(主に女性)の裸シーンで、謎の光によってあるとこないとこが真っ白にぼやかされる現象である。


「つまり!!俺たちは、例えエ●チな状況に身を投じたとしても、俺たちだけは本丸を見る事はできない!これから!永遠に!はははははは」

「終わったーー!!」

狂ったように笑う弟と果てしなく絶望している兄を二人の男女が呆れた目で見ていた。

「ははは……もうこんな目必要ないな……」

「やめろ!希望を持て!!」

「女の裸かが見れないならこの二つの眼球に存在意義などない!!」

「やめろーー!!」


(男って)

「お前女だけだと思ってんのか?男もだぞ?」

「え!女性onlyじゃないの?」

「ったりめーだろ」

「へー」

「え?」

「『へー』って、ショックじゃねえのか?」

「まぁ……別にいいかな。汚物だし」

「ダニ!」

「あーあー恥ずかしい恥ずかしい、そんなき裸体に興味があるのかあんた達。本当、大人の考えることはよくわかりゃない。」

その時ノヴァの口の中に白い物が一瞬Bonjourした。

二人の目がギラリと光った

シグマがノヴァの肩をポンと叩いた。

振り返ると、目の笑っていないシグマのアルカイックスマイルがノヴァを待ちうけていた。

「抑えろ!!テメェらーー!!」

「押忍!!!」「はいはい」

カルマが羽交締め、アイニスが足を押さえた。

「や、やめろー!!」

「お口を開けなさい。坊や………もう楽になろう。死ぬ時はみんないっしょだ……」

「ふぁーーーー!!!!」


「いやー無事心中成功!!」

「うん。これでみんな平等だな」

三人は清々しい顔で、夜空を見上げていた。

「俺の…俺の…始まったばかりの人生が……ああああああああ!!!!」

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