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一幕 ~四谷の章~ 前編

一幕と二幕は短編と同じ内容になっております。よろしくお願いいたします。

三幕以降も、よろしくお願いいたします……。

四谷幽奈は、この学校の生徒会長を勤めていた。とりわけ成績優秀と言うわけでは無いし、運動神経も抜群と言うわけでも無い。

成績は中の上と言った所で、運動神経に至っては下の下だろう。

……そんな幽奈が生徒会長に就任しているのは、どちらかと言えば……押し付けられた。と、言った方が正しい。

幽奈はパソコンモニターを見ながら資料を整理していた。


「やっほー!遊びに来たよー♪」

扉をガラッと開け、女生徒が一人入って来た。彼女の名前は一ノ瀬一花。幽奈の一番仲の良い友人であり、生徒会の書記を勤めていた。幽奈が生徒会長に就任した際、頼み込んで書記になって貰った。……と言う、経由がある。まあ書記と言っても、生徒会の仕事は全て幽奈一人でこなしていた。

「聞いてよー、私の従姉妹がこの学校に転校してくる事になったの!」

……幽奈はパソコンをいじりながら、資料が来てたのを思い出す。

「……そういえば資料、来てたね。後で見とくよ。」

「私の従姉妹、ちょっと変わってるけど……。可愛くて良い子なので、仲良くしてあげてね?」

……幽奈は、何が変わってるんだろ?と、思いながらも時に気にしない事にした……。


──5時半を周り、そろそろ帰宅の準備をする幽奈。

「えーと、これと……。後、これかな?」

明日から連休と言うこともあり、残りは家に戻ってから片付ける事にする。

「んー?今度の創立祭の準備?大変ね。」

この学校では、創立記念日が休みにならず、創立祭が催される。……ちなみに翌日はお休みになる。

「大変だと思うなら、手伝ってくれてもいいんだよ?」

「ムリかなー……。」

一花は目を逸らしながら言う。

「……だよね。」


……幽奈と一花は家が近い事もあり、一緒に帰った。家に到着し、一花と別れ。夕飯や入浴等で気が付くと、時刻は8時半を回っていた。そろそろ生徒会の仕事の残りを、片付けようと鞄を開ける。

「あれ……ない?」

……そんなはずは無い、きちんと確認して鞄に入れた筈なのだ。

「……おかしいな。」

しかし、無いものは仕方ない。多分生徒会室に忘れたのだろう……。

幽奈はノートを明日の朝に、取りに行こうかと迷っていた。

「まあ……いいか、散歩がてらに今から取りに行こう。」

家から学校までは徒歩20分、そんなに遠い距離では無かった。幽奈は服を着替え、学校に向かった。


──学校に到着すると、既に学校は閉まっていた。……幽奈は外にいる管理人さんに開けてもらい校舎に入って行った……。


「うわぁ、暗いなぁ……。こんなに暗かったっけ?」

その薄暗さに恐怖を感じた。

「は、早く電気を……。」

カチッ……。

しかし、明かりは点かなかった。

「え?壊れてるの!?」

幽奈は、持っていた懐中電灯を頼りに職員室に向かった……。

……しかし、職員室の明かりも消えており、誰一人いなかった……。

「えーっ、仕方ないなぁ。」

諦めて懐中電灯で行くしか無いようだ。二階に上がり生徒会室に入ると、一応確認の為にスイッチを押してみた……。

カチッ……。

スイッチと共に明かりが灯った……。

「良かったぁ……。」

電気が復旧したのか、それともブレーカーが落ちてたのか。理由は分からない物の、とりあえず一安心した。

幽奈は生徒会室に入り、ノートを探す。ノートはすぐに見つかる、普通に机に置いてあったからだ。

「おかしいなぁ、確かに鞄に入れた筈なのに……。」

ノートを鞄に入れ、電気を消して廊下に出た。どうやら電気は復旧したらしく、廊下は明るかった。

「良かった。」

幽奈は胸を撫で下ろした。……正直、夜の学校は怖かった。しかも、電気も無く懐中電灯だとさらに怖かった。

……幽奈は安心して歩き出した。


─────────。

突如電気が消えた。いきなりの出来事でびっくりし、懐中電灯を落としてしまった。

……カラカラカラ。

「ああっ!」

懐中電灯は、無情にもこの暗闇の中。……何処かに行ってしまった。

……真っ暗闇である。外からの明かりも無い。懐中電灯も無い。……急いで懐中電灯を探そうとするがこの暗闇の中では見つけるの困難だろう……。

……しかし、よくよく考えてみればおかしな話だ。ここは都会である。外の月明かりはともかく、学校の周りの建物の明かりが全く無いのはかなりおかしい。

幽奈は恐怖もあり、必死で懐中電灯を探した。

……その時、ゾッとするほどの恐ろしい寒気が幽奈の体を襲った。


カツンカツン……。

何処からともなく、足音が聞こえる。

カツンカツン……。

明かりも無い、その足音の主はこちらにだんだん近づいてくる……。

「……ひっ。」

幽奈の体は恐怖で震え動けなかった。

足音はぴたりと止まった。真っ暗闇で全く見えないが、恐らく……目の前にいる。

それも、顔に息を感じる程に。


そして……その何かに……幽奈は肩を掴まれた……。

掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありませんが、

この作品に感想、いいね、評価、ブックマークならびにリアクションをするとガチャ運がアップすると言う報告が多数寄せられています。作者の励みになりますし、また、世界平和にも繋がると思われます。皆様何卒よろしくお願いいたします……。(効果は個人差があります。療法を守ってご使用下さいますよう、よろしく申し上げます。)

……って五十嵐さんが言ってました。

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