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起動プログラム<<エデン・リコード>> ナズナ vs 最強超能力者

1|依頼──「このままでは、現実が崩れます」

それは探偵の仕事紹介の極秘ルートを通じて、ナズナに届いた非公式の依頼だった。


「能力者の暴走が始まりました。対象は“コードNo.Σ-9”。彼がこのまま変化を続ければ、周囲の現実構造そのものが崩壊します」


研究所の高官は声を潜め、電子資料を提示する。


「能力名は《アトリビュート・デザイン》。触れた対象に対し、いかなる変化も可能。ただし、本人は“言葉にしないと発動できない”と誤認しています。実際は、触れた瞬間に発想があれば自動で変化が開始されているようです」


「制御不能の兆候は?」とナズナが問う。


「あります。彼はすでに、自分を“選ばれた存在”と思い始めている」


それは最も危険な兆候だった。


「報酬は?」


「最新型チップの完全体──“無銘瓶”を1本」(え?そんなに!)


ナズナは真顔で短く頷いた。(超能力ってかっこいい!!!)


2接触──アトリビュート・デザイン

対象は郊外にある廃ビル群のひとつに滞在していた。ナズナが姿を見せる前に、空気が変わっていた。


彼の名前は記録から消されている。仮の呼称である“Σ-9”が唯一の手がかり。


彼は、ナズナを見るなり口元を緩めた。


「君はだれ?差し金かな?僕の力を、試しに来たの?」


「力ではなく、構造を見に来ただけ」


その瞬間、彼は床に手を置き、宣言する。


「ここは、地面ではない──液体と化す」


床が歪み、波のようにナズナを飲み込もうとする。


しかしナズナの姿は、もとの位置に戻っていた。微動だにしていない。


彼女はひとりごとのように呟く。「……もう少し想像力を鍛えた方がいい。触れてから言うんじゃ、遅いよ....」


3|錯誤──“パラグラム”の誤解

敵は続けて笑みを浮かべ、次々に環境を書き換え始める。


そして、僅かにナズナに触れる


「君の皮膚は透明になれ、呼吸は不可能になる、君の名前は消えろ──」


ナズナは軽く首を傾げるだけで、全ての変化が無意味化されていく。


──《パラグラム》起動。

(条件:直近10秒前後の状況に対して、望ましい形を演算)

(実行確率:96.4%。実行)


「あなた、これがわたしの“能力”だと思ってるのね。……半分正解」


敵は勘違いする。ナズナの“軽やかな無効化”が、彼女の全能力の正体だと思い込む。


4発動──(エデン・リコード)

廃ビルの空間は、彼の能力によって抽象的な構造へと変貌していた。だがナズナは、あくまでその中心に立ったまま、ただ瞳を細めた。


「君は、自分の新しい力で世界を創ることに酔っている。でも、設計図を書かずに創られた世界は──壊れるの」


「僕はすべてを書き換える。君を含めて、ね 君は短い未来か過去をを書き換えれるんだ ハハツ これで終わり 君の能力の演算外の時間後君は潰れろ」


彼が最後の一手としてナズナに言い放った


ナズナは静かに言った。


「《エデン・リコード》──実行中」


空間が沈黙した。それは反応ではない。すでに──起動していた。


研究所で依頼を受けた瞬間、ナズナはこの状況を全て“編集”していたのだ。


エデン・リコードに時間制約はないのだ


彼の能力が何をしようと、ナズナは常に“有利な初期状態”へ戻る。それはただの巻き戻しではない。


《エデン・リコード》は、「勝利条件」そのものを“事前にプログラム”してあった。


相手の能力が世界を編集するなら、ナズナは“その編集を常に上書きする”立場にあった。それが彼の場合イメージしたナズナの能力はパラグラムのみなのでエデン・リコードは適用外だった


ナズナは呆気にとられる相手の隙をみて、パラグラムの利用による変則的な移動で彼に近寄り一撃で気絶させた


試合終了


5封印と名──(無銘瓶)と彼女の名前

戦闘後、ナズナは研究所へと帰還し、静かに“無銘瓶”を受け取る。


「これは、能力者の未来を左右するチップ。でも、手にしてはならない人間がいる」


「例えば?」


ナズナは答えず、ただ報告書の最後の行に目を通した。


──神代セリカ


確かに、その名にこれを与えてはいけない。彼女の素養ならどんな能力を引いても世界に影響を与えるレベルになるだろう

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