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~声をかけてみる~

~声をかけてみる~


 私が所属するクラスは『水』である。属性1つに対して1クラス。


 つまり、攻略対象であるショタっ子のセリアンくんとはこれから3年間同じクラスだ。


 私のように複数の属性持ちは珍しい。というか、1つの属性を極めるのも時間がかかるのに複数の属性持ちだと時間が足りずどっちつかずになると言われている。


 実際は火と風を一緒に使う事で上位魔法以上の効果を出せるのだが、それはゲームで得た知識だからだ。


 通常だと主人公より、悪役令嬢であるオードリーヌのステータスが高いためずっと脅威になるし、模擬試験やクラス対抗の魔法大会でも壁になる。


 でも、今いる主人公はチート級に強い。もちろん今の私よりも強いし、カンストしたオードリーヌでも勝てないだろう。


 本当に嫌になる。だからこそ、クラス対抗では一致団結する必要がある。


 声をかけるのは私の父であるクリストフ・フォ・コンラディンと同じ公爵を父に持つ、シャーリーン嬢だ。


 シャーリーン・フォン・セギュール。


 シャーリーンは水と土の属性を持っているのだ。複数の属性を持っていることでシャーリーンは悩んでいるし、ゲームでも伸び悩み苦労しているのがテキストでさらっと出てくるのだ。


 テキストでのみ出てきて、立ち絵も影絵すらもないキャラ。だからこそ私は声をかけたいと思ったのだ。


「ごきげんよう。セギュール公爵令嬢。少しよろしいかしら?」


 親しくもないので名前ではなく家名で呼ぶ。


「これは、ごきげんよう。コンラディン公爵令嬢。どうかされましたか?」


 そう言ったシャーリーンの顔は曇っている。先ほど自分が2属性持ちだと解ったからだ。高位の貴族だと複数の属性持ちは多いのだ。理由はわからないけれど多いのだ。そういう設定だと思っていたしね。


「セギュール公爵令嬢も私と同じ複数属性の持ち主。だからこそ、意見交換ができるのではと思ったのですが。それに我が家の書庫に複数の属性を持つものの特訓方法を記した書物もございます。よかったら一度我が家でお茶でも飲みながら語りませんか?」


 実際、そういう書物はある。けれど、私にはゲームの知識もあるのだ。通常は一つの属性だけ使った魔法を覚え使うことで、熟練度を上げていく。でも、二つの属性を用いた複合魔法というものがある。ゲームでオードリーヌが使ってくるから知っているのだ。


 火と風を組み合わせた『ファイアストーム』とか、水と土を合わせた『土石流』などがある。


 どちらも制御ができなければ災害級の魔法だが、今のシャーリーンだとそこまで大規模な魔法には発展しないだろう。私は制御をしないと大変なことになるけれど。


「そうですわね。同じ公爵家同士ですものね。交流を持つのもやぶさかではございません。ですが、宜しいのですか?」


 ん?どういうことだろう?


「そのような情報は秘匿されているはずでは?我が家にもあるかもしれませんが禁書とされているでしょうし。その開示してコンラディン公爵家としては問題ないのでしょうか?」


 いきなりシャーリーンが軟化した。まあ、初対面で話しかけられたら普通警戒するか。


「流石に書物そのものをお貸しできませんし、私が覚えている範囲を独り言でつぶやくくらいは問題ないでしょう。その独り言をたまたまお茶会に来ていた人に聞かれることはあるかもしれませんが」


 それっぽく話してみたら誤魔化せたみたいだ。


「それではいつお伺いすればよろしいでしょうか?」


 家に呼ぶのなら母上に連絡をしておかないといけない。


「後日連絡いたしますわ。おそらく早くて週末のお昼になるかと思います。ただ、早い方が良いと言うのでしたら、学園にも中庭はありますし、事前に申請すればお茶会もできるようですわ。流石に今日は難しくても明日、明後日にはどこか場所をおさえられると思いますわよ」


 中庭なんかはイベントのため、お茶会が出来る場所がたくさんあるのだ。


「そうですわね。この学園は花がとてもきれいですから、学園内でお茶をするのもいいかもしれませんわね」


「では、開いている日程を確認したらご連絡いたしますわ」


 中庭の申請はクラスである程度決まっている。うちのクラスだと青い花が咲いているエリアの中庭を使うことになる。お茶会が出来る場所は複数あるから大丈夫だろう。


「それでは、ごきげんよう。コンラディン公爵令嬢」

「ごきげんよう。セギュール公爵令嬢」


 シャーリーンはそう言って去って行ったが、私はそのまま職員室に向かった。目的は中庭の使用許可の確認だ。


 お茶会を開催となると侍女を一人だけ連れてくることができる。


 クロエは私付の侍女だけれど、私の侍女ではないからな。色々考えることは多い。とりあえず、攻略対象に合わないよう気を付けないと。


 そう思っていたけれど、イベントって勝手にやってくるんだよな。


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