~エピローグ~
~エピローグ~
学園からチート主人公がいなくなった。スミュール王国ではあのチート主人公に関わって不幸になったものが多かった。
多くの貴族が粛清された。それと同時に、貴族の2男、3男が新たに家を興すことになった。
なんというか、国王の手のひらで踊らされたような気がする。
「なんだか色々あったわね」
シャーリーがそう話しかけてきてくれた。本当に色々あった。まず、チート主人公が本当に死ぬのか不安だったので処刑に立ち合わせてもらった。
お父様もお兄様も止めたけれど、私は安心したかったのだ。
「いや~、なんで、なんで、こんなチートからはじまったのに、私が死ぬなんてイベントなかったじゃない。こんなのありえないわ。おかしいじゃない!」
最後までわめいていたけれど、首が落とされたのを見てもう大丈夫だと思えるようになった。
チート主人公が死亡して変わったことがある。まず、レイリ男爵となったアルベインについてだ。
チート主人公が死ぬまではふさぎ込み部屋に閉じこもっていたらしいのだが、死亡後は精力的に活動をしているという。
アルベインもチート主人公の被害者だっていう事はわかっているけれど、あんな風に大勢の前で失態を犯したのだ。
王都では女狐に騙されたバカな王子という噂が流れている。かわいそうだと思うけれど仕方がないよね。
仕方がないと言えば、土担当だったリッテン・フォン・ハルーについてもそうだ。
学園は中退となり、一兵卒として軍に所属したという。ハルー家の名を使う事も許されていないのだそうだ。
風担当のセドリック・フォン・スカルポンはスカルポン侯爵の徹底した再教育を受けたこともあり学園に戻ってきた。
再教育が行き過ぎたのかメガネをかけた知的クール系キャラだったはずだけれど、おとなしく存在を消すかのような、ひっそりとした存在になっていた。
多分目立つなとか言われたんだろうな。実際、チート主人公の色香で狂っていたという噂も流れているものね。肩身が狭いのだろうな。
似たような立場なのにセリアン・フォン・ハスターは水クラスで楽しく、無邪気に笑っている。けれど、ナタリーとは微妙な距離がある。
「まあ、私はハスター家とはもう関係ありませんし」
ナタリーはそう言っているがなんだかさみしそうな顔をしている。カイ男爵も見た目はあんなだけれど、話してみたらいい人だったしね。
ちょっと貴族のルールを知らないのは問題だけれど、自頭はいい人なので覚えたら問題なく立ち回るだろう。いや、夜会で商談の話しをするのはすでにカイ男爵なら仕方がないかという風潮になりつつある。
「ねえ、お茶にしませんこと?」
「そうですね」
シャーリーとは落ち着いてお茶をすることが増えた。シビル子爵たちは結局文官になるらしい。
どうやらクロエにダメだしされて私の侍女にはなれなかったらしい。クロエは完璧主義だからな。
そして、私だ。
「婚約者がいないのは困るだろう。だが、国内に目ぼしい相手がいないからな」
お父様はそう言って色々と見合いの資料を渡してくれる。いや、私は狙うならこれからやってくる隣国の王子が推しキャラだったからそっちがいいんだけれど、私が「隣国の王族とかはどうなの?つり合い取れるんじゃ?」と軽く聞いたら王妃から呼び出しが入り「あなたほど優秀な人を国外に出させるわけないでしょう」と言われた。
まあ、そんなこんなで私の日常は平和になったのだった。
多分、何も起きないよね?シーズン2の主人公と悪役令嬢の話しに巻き込まれるなんてまっぴらごめんですから。




