表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/26

~思い返してみる~

~思い返してみる~


 クロエに頼んだこと。


 それは私が強引に閉じ込められる、誘拐されるなどのことがあった場合、お兄様に報告をするように言っていたのだ。


 クロエはお兄様の所に行くだろうけれど、影は王妃様のところに行っただろうな。王妃様は私が苦難を乗り越えると思っているだろうから、傍観の姿勢だと思う。


 まあ、この場所から逃げ出すくらいなら魔法を使えば一瞬で終わる。けれど、お兄様にお願いをしていたのは違う。


 こういう強引なことをしてくるということは、教師を魅了しているか買収しているのかどちらかだ。魅了だと証拠はないが買収の場合は何らかの証拠があるはずだ。


 さて、そろそろ座っているのも飽きたので扉でも開けましょうかね。


「その扉には触れない方がいいですよ」


 背後からいきなり声がした。え?誰か居たかと思うと影の一人がそこに立っていた。


「それは逃亡罪になるからですか?」


「そうです。そして、その扉は鍵がかかっていません」


 ってか、そこまでわかっているの?まじで怖すぎなんですが。


「それに、手を打たれているのでしょう。ならば、待っている方が心証がいいですよ」

「ありがとうございます」


 というか、影と会話をしたのがはじめてだったからびっくりした。実際、兄上は私の想像以上なことをするだろう。


 それに、私には協力してくれる貴族も増えてきている。さて、今頃外はどうなっているのだろう。


 そう考えるとちょっとだけ楽しかった。


 待っている間、暇なのでいつもは行わない小さな魔力球を作って自分の周囲に漂わせていた。


 属性が一つだけなら簡単な作業だが、属性が4つになると難しい。相反する属性は近づけると反発するしね。


 貴族も同じ。相性がある。世間ではコンラディン公爵とセギュール公爵が仲が悪いと言われていたが、それは政策を議論する上での立ち位置であり、実際は仲が良い。


 だが、それを理解できない貴族たちもいる。一人は土担当の黒髪のハルー侯爵だ。ハルー侯爵は愚直な人だ。まあ、珍しく武で伸し上がった人だしね。


 周辺国といざこざがあった時はよかったけれど、平和になると戦いしかできない人は居場所がない。


 兵団を指揮する軍部を取り仕切っているけれど、王都軍は治安維持がメイン。実際に他国との防波堤になるのは辺境伯であり、兵士数を多く持っているのも東西南北に位置する辺境伯なのだ。


 ゲームだと辺境伯については、距離があるため名前しか出てこないんだよね。まあ、王都の学園にいると行ける範囲って限られるからね。


 高位の貴族は王都の近くに領地があるから楽なんだけれど。そう言えば、チート主人公の自領であるレイリー領ってゲームだとあまり描写がなかったんだよね。田舎で何もないということしか。


 調べたら国境付近の小さな村で、すぐ近くには国交もない蛮族が居住を構えていると言う。その蛮族は妖しげな『モノ』を使うと言う噂もあるんだよね。


 念のため、調査隊をおくりこませてもいるし、調査結果には面白い結果もある。さて、こういうのをどのタイミングで開示しようかしら。


 なんて色々思っていたら扉があいた。お兄様が来てくれたのだと思ったら違った。


「さあ、出るぞ。裁判をすると言って聞かぬヤツがいるから」


 そう、目の前にいたのはお父様だった。連れて行かれた場所は講堂だった。


 壇上に王妃様がおられ、横に国王までおられた。


「ふむ、何やら学園で騒ぎがあったという事で儂らまで呼ばれたのじゃ。内容について把握はしておらぬが、本当に儂らを呼ぶまでの事だったんだな?」


 国王がそうアルベイン王子にそう言う。


「もちろんでございます。私、アルベイン・フォン・スミュールの名をもって、婚約者であるオードリーヌ・フォン・コンラディンとの婚約を破棄したく思います!」


 ここで婚約破棄イベントが起きるんだ。


 私はちょっとだけびっくりした。まあ、ゲームでも特定の条件を満たしたら卒業前でも起こせるイベントだけれど、さてどうでるのかしら。


 まずは相手の出方を見るかな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ