表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/26

~切り崩しにかかってみる~

~切り崩しにかかってみる~


 火のクラスから癇癪が聞こえて来るらしい。私にはどうでもいいことだ。それと、火のクラスには礼儀作法がまったくできないお猿さんみたいな子が一人いるらしい。


 そう、チート主人公の「しフ」だ。


「こんな無駄なこと必要ないじゃない。話す順番なんて話したい人が話せばいいし、郵貯なこと言っていたら有事の際なんて大変なことになるわ」


「さすが『しフ』だな。着眼点がすごい。この俺が王になったらルールを変えようじゃないか!」


 なんていうバカな会話があるとか、ないとか。あるんだろうな。想像が簡単にできる。


 しかもルールを変えるとか簡単に言ってくれるじゃない。まあ、法務担当の人は厳しいからね。絶対に通らないと思うわよ。


 風担当のセドリック・フォン・スカルポンはスカルポン領に戻った。次に狙うのはセリアン・フォン・ハスターだ。


 ハスター家はカイ男爵に娘を売りさばいた。その事は貴族の中でかなり噂になっているが、まだハスター侯爵領は復興が遅れている。


 そりゃそうだ。ナーフ川が氾濫したけれど、堤防は土嚢を積み上げただけで豪雨が降ると決壊するレベルだ。


 工事だって遅れている。少し前にミスリルとかアダマンタイトとか大量に手に入ったのよね。


 シャーリーに話したら半分くらいもらえたんだよね。なんか恩を受け過ぎると怖いと言われた。


 その現物はカイ男爵経由で市場に流してもらった。一気に流すと値崩れするので、少しずつ売りさばいているらしい。


 にたぁと笑ったカイ男爵の顔が怖かったが、気にしたら負けと言い聞かせた。なんか悪い人じゃないのはわかってきたのだけれど、生理的に無理なんだよね。


 といっても、ここで得たお金はまた別で使う。今回はナタリーにダンジョン攻略をお願いしたのだ。


 ハスター家を救うのは元ハスター家のナタリーの方がいいって思ったんだよね。チート主人公はクリア後に火属性武器が手に入る火のダンジョンをかなり攻略しているときいている。


 まあ、今残っている攻略対象は土の黒髪、盾使いだから防御は完璧だものね。後は後ろから攻撃すればいい。


 だから、切り崩しやすいセリアンくんをハスター領に戻すことを考えている。


 セリアンくんはまず、ずっと授業をさぼっている。というか、あのチート主人公の側仕えを勝手にしているのだ。


 半ズボンのショタをはべらすってどういう気持ちなんだろう。私ならいやだな。


 身近にいるのなら女の子がいい。クロエはかわいいけれど、会話はしてくれないものね。


 

 閑話休題。



 ナタリーはかなり頑張ってくれている。というか、今ではかなりの高レベル者になっているんだよね。私とシャーリーは進んでダンジョンにもぐりはしない。自領の問題解決くらいに行くくらいだ。


 それと、お茶会にはいつの間にかジビル子爵令嬢たち3人も参加するようになった。声をかけたら感極まって泣いていた。


「我が人生に一片の曇りなし!」


 とか言って叫んでいたジビル子爵令嬢を見てちょっと引いてしまった。横にいる子は侍女のようなことをしたいと言い出して一人はクロエの手伝い的な事をしている。


 もう一人はシャーリーの侍女の手伝いをしているのだが、シャーリーの侍女はなんというかちょっと変わっているんだよね。


 侍女というより戦士みたいな目つきをたまにしているからだ。怖いんだよね。


 クロエもたまに戦士みたいな顔になるけれど、あまり気にしないようにしている。侍女ってそういう職業だったかしら。



 ナタリーは予定通りダンジョンを攻略し、大金をハスター家におさめることができた。


「わかっておられますよね?」


「ああ、恩には恩を返す。それに息子のセリアンが授業をさぼっていることはきいておる。本当にしょうがない子じゃ。しかも男爵風情の小娘に入れあげているとか。付き合うとしても家の格というものがあるではないかのう」


 ハスター侯爵はそう言ってセリアンくんを休学させた。順調に言っていたかと思ってたけれど、強制イベントが発生しちゃったんだよね。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ