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~シャーリーにお願いしてみる~

~シャーリーにお願いしてみる~


 シャーリーが自領のことで戻っていると聞いていたが、どうやら鉱山で問題が起きているということを手紙で知った。


 考えていることの一つはシャーリーの協力が必要なので、協力することにしたのだ。


 といっても、起きている事はゲームのイベントでも発生することだから内容はわかっている。


 鉱山にモンスターが出現したのだ。しかも、アイアンゴーレム、ミスリルゴーレム、アダマンタイトゴーレムという物理も魔法も効きにくい倒しにくいモンスターが大量発生するのだ。


 ただ、倒すとかなりの量のアイテムが手に入る。ゲームだと終盤に起きるお金を集めるのに適したイベントだけれど、シャーリーがチート主人公を受け入れると思えないんだよね。


 身元のしっかりしていない冒険者なんかに依頼はできないものね。シャーリーもレベルは高くなっているけれど、いかんせん相手が悪い。


 ちなみに、全部の敵は全属性の魔法攻撃を当てたら簡単に倒せるのだ。ゲームだとアイテムを購入して投げるという戦法なんだよね。


 まるで私のためのようなイベントじゃないか。


 というわけでやってきました。セギュール公爵に。


 お父様からセギュール公爵に一筆書いてもらい私はセギュール公爵領に行ったのだ。時間はあまりないので歓談とか夜会とか歓迎会は不要だと伝えた。


「ごきげんよう。オディ。まさか助けに来てくれるなんてありがとう!」


「いいえ、もし解決したらちょっとだけ鉄鉱石の取り扱いについて相談したいのよね」


 そう、チート主人公が面倒なのは周囲にはべらしている男性が高位の貴族だからだ。だからこそ思うんだよね。


 現状、証拠もなく公爵令嬢である私やシーリーに突っかかっているとか、貴族としてはありえないのだ。


 学園内では身分は関係ないと言われているが、それをそのままの意味で受け取っているものなど普通いない。


 だって、学園は男爵から公爵まで爵位ある子供たちが入学しているし、下位の貴族の子息子女は自分の就職先を探すために来ているといっても間違いじゃない。


 後は、周囲からの評判だ。学園で横柄な態度を取っているということは、今後社会に出た時にどういう風になるのかも見て取れる。そんな人間の下に付きたいと思えるだろうか?


 だから、高位の貴族になればなるほど謙虚さが大事になるのだ。ゲームでのオードリーヌ・フォン・コンラディンは悪役令嬢という立場だったけれど、主人公を意味もなく苛めるなどは行わなかった。


 凛として気高く、孤高であった。それがオードリーヌ・フォン・コンラディンだ。



 閑話休題。


 鉄鉱石を今、貴族の中で一番欲しているのはスカルポン侯爵だ。だから、スカルポン侯爵に鉄鉱石を融通する代わりに息子の再教育を指示する。


 つまり学園を一旦休学させ、自領へ戻せというつもりだ。その条件なら飲むだろう。


 それにはさくっとこのダンジョンを攻略する必要があるんだよね。


「さあ、行きましょうか!」



 結果。アイアンゴーレムは1,000体以上倒せた。これだけでスミュール王国が消費する1年分に相当する。


 ミスリルとアダマンタイトの総量もかなりのゲットできた。シャーリーは喜んでくれたし、スカルポン侯爵との商談もうまく行った。


 セドリック・フォン・スカルポンは休学となり、スカルポン領に戻り再教育となった。戻される前はかなり暴れていたそうだが、なぜかスカルポン領に戻りしばらくすると、今までおかしかったことが嘘のように普通のクールメガネキャラに戻ったと言う。


 主人公にはやはり『魅了』のスキルでもあるのかしら。そういう疑念を私だけじゃなく他の者も持ち始めたのだった。


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