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~ダンジョン攻略を進めてみる~

~ダンジョン攻略を進めてみる~


 『ハナコイ』のゲームでは、主人公はどの属性になるかは事前に選ぶことができる。つまり、どのクラスにも主人公と仲良くなる学生がいるのだ。


 水クラスには『クラリス・ヴァーミン』という男爵令嬢が主人公の友達になるのだが、今の所チート主人公がクラリスに声をかけている所はない。


 というか、チート主人公は攻略対象とその関係者の男性にのみ声をかけている。女性には一切声をかけていない。


 わかりやすすぎる。とりあえず、クラリスがチート主人公側に行く前に声をかけるか。


「ごきげんよう。ヴァーミン男爵令嬢。今少しだけいいかしら?」

「え?わ?そ?ご、ごきげんよう。コンラディン公爵令嬢。わ、私にご用でしょうかにゃ?」


 いきなり噛んだ。クラリスは水色の髪をロングにした目が少し小さく鼻も小さいなんというかちょっと地味な子だ。


 ゲームだとクラリスの実家であるヴァーミン男爵領が食糧難になっているが、恥ずかしくてそのことを言えていない。


 ある程度信頼を築けたら話してくれるのだが、その頃にはヴァーミン男爵領では寒村が1つか2つ無くなっているのだ。


「私はすでに公務にも携わっています。だから、ヴァーミン男爵領の現状を把握しています。けれど、無償で助けることはできません。それはわかりますか?」


 どの領にも問題はある。その中から1つだけ特別待遇をしたらどうなるか。それはヴァーミン男爵が周囲の貴族から不評を買うだけだ。


「・・・ええ。わかっています。でも、どうしたらいいのですか?」


「あなたにはカイ男爵令嬢と共にダンジョン攻略を手伝って欲しいの。そこで手に入るドロップ品のうち、マジックポーション以外は自分で入手したものは好きにしていいわよ」


 スミュール王国には初級、中級、上級、特級と呼ばれるダンジョンが数多くある。


 といっても、ダンジョンは資産でもあるため、上位貴族の領地に結構ある。後は少し離れた場所にもあるが、そういう場所は夏季休暇とかの長い休みを利用して攻略が必要なのだ。


 授業が終わってから行ける近場のダンジョンは初級レベルしかない。コンラディン公爵領にある初級の水ダンジョンへは馬車で2時間程度だ。


 授業が終わり、コンラディン公爵領に向かい、初級の水ダンジョンに潜る。初級だから階層は3階層しかない。


 時間として3時間もあれば対応できるだろう。現状ナタリーだけでも攻略は出来るだろうが、もう一人増えても問題はない。


 ゲームの都合上だが、ダンジョンアタックは4人までしかパーティが組めない。


 後2人連れて行けたらと思っているが、できれば女性がいいんだよね。男性だとチート主人公の毒牙を受けているかもしれないし。そう思っていたら、そわそわしている女性が二人いたから声をかけた。


「よかったらあなた達も参加する?」

「「よろしくお願いします!!!」」


 なんか顔も覚えていない女性だが、コンラディン公爵領に向かわせることにした。


 護衛兼監視をつけて送り出すことになった。



 1週間もすると結構なマジックポーションが溜まった。それと、もう一つ。ナタリーたちのレベルがあがり初級だと物足りなくなってきているのだ。


 ナタリーたち4人はそのまま、中級の水ダンジョンを攻略してもらい、他に水クラスの女の子たち4人を初級ダンジョンの攻略に向かってもらうことにした。


「ちょっと、ダンジョン攻略ならセギュール公爵領にもあるのでこちらにも人を送ってもらいたいんですよ」


 シャーリーからそう言われた。セギュール公爵領はダンジョンは初級ダンジョンの数は多いが、中級ダンジョンがないのだ。


「初級ダンジョンは手分けをしてまわりましょうか」


 ただ、それだけだと回らない。そのため、大丈夫そうな男性にも声をかけて男性だけのパーティも作った。


 更に、元々夜会で話しをするし、お父様から大丈夫だと言われた、風クラスと土クラスにいる女性にも声をかけたのだ。


 本来、各クラスをまとめているのは攻略対象の男性キャラだ。だが、その攻略対象たちはクラスのことは見向きもせずに、授業が終わるとチート主人公の元に集まるのだ。


 そのため、風クラスと土クラスは本来とは違う貴族の子息子女が苦労しながらまとめていたのだ。


 ついでだから巻き込んでみよう。


 王妃様にもお伺いを立て、お父様にも協力いただき、国内にあり、学園から通える初級ダンジョンをまわることを認めてもらったんだ。


 私とシャーリーはその取りまとめをしていた。


 慌ただしい日々だったけれど、できるだけ学園では一人にならないように気を付けていたしね。



 でも、気を付けていても一人になる瞬間ってあるんだよね。


 シャーリーが自領のことで帰省するという話しがあがったのだ。


 一人で昼食を食べるのもどうかと思い、誰か声をかけてどこかのグループに入れてもらおうと思っていたら変なのに絡まれたのだ。


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