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~ナタリーと話してみる~

~ナタリーと話してみる~


 ナタリー・カイは男爵令嬢だ。


 カイ男爵は商会出身だ。金で身分を購入した成金男爵と言われている。商人としては優秀なのだろうけれど、貴族としての常識や所作を身に付けていないため、夜会などではあまり評判はよくない。


 夜会では噂話しはしても商談は行わない。だが、カイ男爵は関係なく商談を行うのだ。


 カイ男爵はガマガエルのような風貌で、背は低く腰も低い。お父様にカイ男爵のことを聞いたらいい話しは聞かなかった。


 ただ、献金はすごいらしいのだ。それと、カイ男爵の領地は僻地のはずだったが、ゆっくりだが発展をしているというのだ。


 見た目や行動は貴族っぽくなはにが、結果だけ見ると貴族として問題はないということだった。


 ちなみにカイ男爵夫人はかなりの美人らしい。かなり薄幸そうな顔立ちをしているという。そして元貴族だ。


 元貴族との子供は魔力を有している事もあるが、魔力なしの平民の血が混ざると魔力なしが産まれることがある。


 カイ男爵夫人が生んだ子は魔力が無かった。だから、他家から魔力を有している子を買い取るという離れ業を行ったのだ。


 婚姻ではなく、子供を買い取るという発想に多くの貴族は驚愕し、嫌悪したが、金に困っていたハスター侯爵が娘を売ったことにはびっくりした。


 まあ、その娘は魔力があるけれど問題があったというのだ。


『魔力暴走』


 魔力を体に込めると暴走するらしい。そのため、魔力はあっても使えないという判断を下されたという。


 そんなナタリーだけど、魔力なしの平民出身のカイ男爵としてはのどから手が出るほど欲しかったのだ。


 ナタリーはハスター侯爵家に居た時は『存在しないもの』として扱われ、カイ男爵の元では、どう教育していいかわからず、学園に連れてきて寮生活をさせているという。


 王都に拠点を構えていない貴族はいない。カイ男爵とてごてごてとした派手な家が王都に建っている。


 まあ、色んな家があるから寮を学園は用意している。まあ、何がいいたいかというと目の前にいるナタリーと会話が成立しないから色々と考えてしまったのだ。


「カイ男爵令嬢。少しよろしいかしら?」


 私とシャーリーがそう話しかけるとナタリーは目を伏せ、目を泳がせ、挙動不審になって震えだした。


「わ、わ、わ、わ、わ、私でしょ、しょしょうか?」


 ナタリーは小柄だ。セリアンくんも小柄だから家系なのかもしれない。ただ、顔立ちはセリアンくんのようにイタズラ好きの子供というよりは、うつむきがちで青い髪のぼさばさで顔もちゃんと見えない感じだ。


「ええ、そうよ。まず、クロエ。よろしいかしら?」


「かしこまりました」


 見た目は大事だ。クロエに声をかけようと思った時にあまりにその容姿がみすぼらしいのでクロエにお願いをしたのだ。


 髪はおかっぱ。前髪はぱっつんの状態。まあ、クロエがばっさりきったけれどきれいに整っていた。


 青い髪に青い瞳。家に閉じこもっていたからか肌はものすごく白かった。


 メイクをすると目が大きくかわいらしい感じになった。私がきつい美人系。シャーリーがおでこが出ている美人系だからかわいい子がいると雰囲気が変わりそうだと思った。


 鏡を見たナタリーが「これが私?」とびっくりしていた。服は制服だから問題ないけれど洗濯はちゃんとした方がいいと伝えた。


 シャツが1枚しかないとか意味不明だし。まあ、この状況を知ったらカイ男爵がなんとかしてくれるだろう。


 そう思っていたらナタリーと仲良くなる前にカイ男爵に呼び出されたのだった。


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