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【じゃがいもの小噺】其の壱 じゃがいもの世界史

 じゃがいもは人類の歴史を変えた。

 こう書きますと、たかが食べ物ごときで…、とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、これはあながち噓ではないような気がいたします。じゃがいもがなければ、今日の人類の発展はなかったと言っても過言ではないかもしれません。

 皆様じゃがいもの原産地はご存知でしょうか。

 じゃがいもは南米のアンデス高地原産の植物と言われており、有史以前からその地に暮らす人々の重要な食料とされてきました。それが大航海時代に海を渡り、世界各地に広がっていったのでございます。

 ただ、西洋のキリスト教社会においては、未知の植物であるじゃがいもは「悪魔の植物」とされ、鑑賞用とされて伝来当初は食料としては見向きもされなかったとか。しかしながら、冷涼な気候のヨーロッパでもよく育つことから、庶民の重要な食料として徐々に着目されていくことになるのです。栽培が容易で瘦せた土地でもよく育ち、栄養価や貯蔵性にも優れていることから、救荒作物としてなくてはならない存在となっていったのでございます。ただ、一度根づいた悪魔の植物という印象は強く、庶民に栽培を振興しようと、各国の君主は皆知恵を絞ったのだそう。その中には英国のエリザベス一世やドイツのフリードリヒ二世、フランスのマリー・アントワネットとルイ十六世夫妻など、そうそうたるお方々も名を連ねていらっしゃいます。

 このじゃがいもの普及はヨーロッパの食料事情を一変させ、ひいては産業革命の遠因になったとまでも言われております。ただ、あまりにじゃがいもばかりに依存したがために、後に「じゃがいも飢饉」なる悲劇がヨーロッパを襲うことになるのですが……。

 さて、お話を我が国に移しまして、じゃがいもが日本に伝わったのは十六世紀の最末期。オランダ人の手によって、長崎にもたらされたそうでございます。この時にジャワ島のジャガタラを経由して伝わったことから、「ジャガタライモ」と呼ばれ、それがじゃがいもの語源になったのだとか。ちなみに、ジャガタラとは現在のジャカルタのこと。その後江戸の後期には飢饉対策として各地で栽培されるようになりまして、明治に入ってから北海道で大規模栽培が行われるようになり、現在に至るという訳でございます。

 じゃがいもから見た世界史、いかがだったでしょうか。

 これ程世界各国に根づいた食材というのも、そうそうあるものではないかと思います。

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