【蓮根の小噺】其の陸 蓮根の料理帖
最後に、本作に登場した蓮根料理の作り方を。
【六十一膳目 蓮根と落花生のサラダ】
・蓮根(皮をむいたもの)
・落花生
◎ピーナッツバター
◎オリーブオイル
◎酢
◎醤油
①蓮根は輪切りにし、沸騰させた湯に酢を加え、その中でサッと湯通しする。茹で上がったらそのままおかあげにして粗熱を取る。落花生は袋に入れ、めん棒を使って砕いておく。
②ピーナッツバターにオリーブオイルを少しずつ加えて練り混ぜ、それを酢で溶いてドレッシングを作る。醤油で味を調え、その中に砕いた落花生、茹でた蓮根を加えて混ぜ合わせる。
※補足※
蓮根は若い節を使う。湯通しする時間は数十秒程度。
【六十二膳目 酢蓮】
・蓮根
◎食紅
◎米酢
◎砂糖
①泥を落とした蓮根は五センチ程度に切り、花蓮根にむいていく。(本文参照のこと)
②鍋に湯を沸かし、かなり多めに食紅を溶き、その赤い湯の中で花蓮根を茹でる。砂糖を水に溶かし、酢と合わせて甘酢を作っておく。
③五分程茹で、薄く輪切りにして甘酢に漬ける。そのまま数時間置く。
⚠️注意⚠️
花蓮根を作る際はケガに注意。
【六十三膳目 金平蓮根】
・蓮根
・人参
◎胡麻油
◎醤油
◎砂糖
◎酒
◎味醂
◎白胡麻
◎一味唐辛子
①人参は皮をむいて細切りに、蓮根はいちょう切りにする。
②胡麻油を敷いたフライパンで蓮根から炒め始め、途中で人参も加えて炒める。両方に火が通ったら調味料を全て加え、少し水を足す。
③汁気が無くなってきたら全体を混ぜ、白胡麻と一味唐辛子を振る。
※補足※
皮をむかなくても美味しく作れる。
【六十四膳目 二種の辛子蓮根】
・蓮根(皮をむいたもの)
・白味噌
・和辛子
・辛子明太子
・はんぺん
・卵白
◎味醂
◎砂糖
◎酢
◎醤油
◎片栗粉
◎ターメリック
◎食紅
◎小麦粉
◎全卵
①蓮根は五センチ程度に切った物を二つ用意し、側面をフォークを使って荒らしておく。酢水の中で火が通るまで五分程茹でる。串がスッと通るまで茹でる。
②白味噌に和辛子を混ぜ。砂糖と味醂で甘みを足して味を調える。
③フードプロセッサーではんぺんをペースト状にする。途中で卵白をつなぎに加える。でき上がったすり身に、皮を取り除いた辛子明太子を混ぜる。片栗粉で固さを調節し、味醂、砂糖、酢、醤油で味を調える。
④粗熱を取った蓮根に辛子味噌と明太子のすり身をそれぞれ詰める。明太子の方は、詰める前に片栗粉を打ってはがれないようにする。詰め終わったら蓮根を立てた状態で数時間置く。
⑤ボールに小麦粉を入れて水で練り、卵を加えて固めの天衣を作る。それを二つに分け、一方はターメリックを加えて黄色に、もう一方は食紅で赤く色をつける。
⑥置いている間に飛び出てきた詰め物を落とし、蓮根二本とも表面全体に小麦粉をつけ、衣にくぐらせる。辛子味噌は黄色、辛子明太子は赤。
⑦油の中でキレイな円形になるように揚げる。(本文参照のこと)少し冷ましてから、衣をはがさないように慎重に輪切りにする。
※補足※
手間もさることながら、上手く作るのが難しい料理。
【六十五膳目 蓮根羹】
・蓮根(皮をむいたもの)
・寒天
◎砂糖
◎黒蜜
①蓮根をおろし金ですりおろす。棒寒天を使う場合は、水で戻しておく。
②小鍋で寒天を煮溶かし、砂糖を加えて数分沸騰させる。流し缶をサッと水にくぐらせておく。
③小鍋を火から下ろし、おろした蓮根を加えて手早く混ぜ合わせる。全体が餅のように粘りを帯びてきたら、流し缶に入れて冷やし固める。適当な大きさに切り、黒蜜をかけて供する。
⚠️注意⚠️
蓮根は細かくすりおろすこと。(フードプロセッサーを使っても)本来はデンプンの多い加賀蓮根を使う料理なので、粘りが足りない場合は片栗粉や葛粉などを足して練る。
※補足※
流し缶が無い場合はタッパーなどで代用可。
【六十六膳目 蓮根の挟み焼き】
・蓮根
・鶏ひき肉
・玉ねぎ
・小ねぎ
◎塩
◎おろし生姜
◎片栗粉
◎有塩バター
◎酒
◎醤油
◎味醂
◎白胡麻
①蓮根は皮つきのまま少し厚めの輪切りにする。蓮根の全体に片栗粉をまぶしておく。玉ねぎはみじん切りにする。
②鶏ひき肉は塩を加えてこね、玉ねぎを加えてハンバーグのような肉ダネを拵える。おろし生姜を入れ、少量の片栗粉をつなぎにする。
③肉ダネを蓮根の断面の大きさに合わせた円盤状に成形し、両面から用意していた蓮根でしっかりと挟みこむ。蓮根の穴から肉ダネが少しはみ出そうなぐらいまで。
④フライパンに有塩バターを入れ、よくなじませたらタネを挟んだ蓮根を並べる。酒を入れ、蒸し焼きにする。小ねぎを小口切りにしておく。
⑤両面に焼き色をつけ、醬油と味醂を絡める。少しとろみがついてきたら小ねぎと白胡麻を振り入れる。
※補足※
生姜はチューブの物で可。海老のすり身で作っても美味。
【六十七膳目 射込み蓮根の炊き合わせ】
・蓮根(皮をむいたもの)
・はんぺん
・卵白
・青海苔
・椎茸
・絹さや
◎片栗粉
◎醬油
◎塩
◎出し汁
◎味醂
①蓮根は一センチ程度の輪切りにする。出し汁に塩、味醂、醬油を入れて少し濃いめに加減し、その中で蓮根を炊く。火が通ったら汁から上げて冷ましておく。
②フードプロセッサーではんぺんをペースト状にし、途中で卵白を加える。でき上がったすり身に青海苔を混ぜ合わせ、醬油と塩を少量入れる。片栗粉で固さを調整する。
③バットの上にクッキングシートを敷き、その上に蓮根を並べる。ヘラを使って蓮根の穴にすり身を詰め、固まるまで蒸す。椎茸は石づきを取ってから蓮根のように味加減した出し汁で炊き、絹さやはサッと茹でておく。
④蒸し上がったら、蓮根の表面に飛び出したすり身をヘラで整え、椎茸と絹さやと一緒に盛る。
※補足※
何を詰めるか、何を合わせるかはお好み次第で。出し汁も何でもよし。
【六十八膳目 蓮の翁蒸し】
・蓮根(皮をむいたもの)
・とろろ昆布
・鶏ひき肉
・玉ねぎ
・大根
・山葵(チューブの物で可)
・出し汁
◎塩
◎おろし生姜
◎片栗粉
◎醤油
◎味醂
①蓮根をおろし金ですりおろす。それとは別に蓮根を細かく刻んでおく。六十六膳目で用いた肉ダネと同じ物を作っておく。
②おろした蓮根は汁を軽く絞ってボールに入れ、刻んだ蓮根を混ぜこむ。固さを見ながら片栗粉を足す。それをラップの上に広げ、肉ダネを中具にしてはみ出さないよう茶巾絞りにする。
③バットの上にキッチンシートを敷き、その上に茶巾にした蓮根を乗せ蒸し器で蒸す。形を損なわないよう注意しながら、中火で二十分程度。
④とろろ昆布はフライパンで乾煎りして粉状にしておく。大根はおろして軽く汁を絞り、山葵と合わせておく。出し汁を小鍋に取り、酒、味醂、醬油を入れてひと煮立ちさせる。汁は気持ち薄味に加減する。
⑤蒸し上がった蓮蒸しにとろろ昆布をまぶして器に盛り、おろし山葵を天盛りにする。その周りに出し汁を張る。昆布になるべく汁をかけないようにする。
⚠️注意⚠️
こちらも本来は加賀蓮根を使うのが正式。蓮根の様子を見ながら片栗粉を足す。
※補足※
出し汁は昆布がよく合う。中具はお好み次第で。おろし山葵を山葵にしてもよい。
【六十九膳目 蓮根雑煮】
・蓮根(皮をむいたもの)
・人参
・椎茸
・青菜(小松菜などお好みで)
・出し汁
◎片栗粉
◎胡麻油
◎白味噌
①蓮根をすりおろし、そこに片栗粉を加えてひとまとまりになったら、平べったい団子状に成形する。椀に入れることを考え、そこまで大きくしない。
②フライパンに薄く胡麻油を敷いて馴染ませ、蓮根餅を両面こんがり焼き上げる。人参は薄い短冊切り、椎茸も石づきを取って薄切りにしておく。青菜はサッと湯がいたて冷水に取る。
③出し汁に白味噌を溶き、人参、椎茸を加えて沸騰させずにサッと火を通す。
④椀に蓮根餅を入れ、汁を張って青菜を入れる。
※補足※
蓮根餅だけ作ってしまえば、後はいかようにも。どんな汁にも合う。
【七十膳目 蓮根と海老の水餃子】
・蓮根
・小海老
・椎茸
・餃子の皮(水餃子用の少し厚めの物)
◎胡麻油
◎塩
◎酒
◎おろし生姜(チューブの物で可)
◎醬油
①蓮根は皮つきのまま半分にし、一方はそのまますりおろし、もう一方は細かく刻む。椎茸も細かく刻んでおく。小海老は背ワタを取り除き、包丁で粘りが出てミンチ状になるまで叩く。
②おろし蓮根は軽く汁を絞ってからボールに入れ、そこに刻み蓮根、椎茸、小海老を混ぜ合わせて具を作る。調味料で味を調える。
③餃子の皮で具を包み、たっぷりの湯で浮いてくるまで茹で上げる。酢醬油などを添えて供する。




