【蓮根の小噺】其の伍 蓮根の旬や目利き
本作においては、陽平が泥のついたまま蓮根を買ってくる描写をいたしましたが、恐らく皆様が蓮根をお買い求めの際は、適当な大きさに切られた状態の場合がほとんどなのではないでしょうか。
稀に農家さんなどから直に買い求めた際には泥つきの場合がございますが、最近では産地で泥を洗浄してから市場に出荷している場合がほとんどのようでございます。
さて、蓮根の目利き技は、何と言っても切り口をしっかりと見ること。
くすんだ黒っぽい断面のものはいけません。多少酸化していても、なるべく乳白色に近い色の物を選ぶようにいたしましょう。
また、当たっている物や傷物を避ける上でも、蓮根自体の手触りがしっかりとしている物を選ぶことも肝要でございます。
そして、蓮根はどの節かによって料理の向き不向きがある、というのは本編でお示しした通り。
若い節の方がサッと火を通す料理に向き、少し古い節の方が煮物などねっとりとした蓮根の食感を楽しむ料理に向いております。
また、時期によっても向き不向きがあると言われており、初夏に取れる新物は食感を活かして調理し、冬の蓮根はねっとりとした食感を活かして調理するよう心がけます。
ここまですっかり書くのを忘れておりましたが、蓮根の旬は夏から冬にかけて。
場所によっては、そのまま春先まで出荷している所も。ハウス栽培の物は初夏には出回り始め、露地栽培の物はお盆の辺りから市場に出回り始めます。蓮根は冬まで成長しますが、その後は休眠状態になるので、冬以降の蓮根は味にそこまで違いが出ないのだとか。
出荷の際に蓮根の葉や茎は切り落とされてしまうのですが、その茎も酢漬けなどにして食べることができます。見た目は蕗のようでありながら、切ってみると断面は小さな蓮根になっているとかで、是非とも一度実物を見てみたいものでございます。
さて、最後に少しだけ目利きにお話を戻しましょうかね。
節によって蓮根の持ち味を活かした調理を心がける、というのは先にお話した通り。その中で、若い節を見分けることが鍵となるのは言うまでもございません。
どちらが若い節かというのは、節と節が繋がっていれば一目瞭然なのですが、切られた状態の物でも、断面の大きさである程度判別が可能でございます。若い節の方が断面が小さく、小ぶりな傾向がございますので、そちらを参考にお買い求めになるのがよろしいでしょう。
場所によっては、親切に写真入りで蓮根のどの辺りの節かなどを売り場で紹介しているスーパーもあるようでございます。こちらもあれば大いに参考にいたしましょう。




