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【蓮根の小噺】其の壱 蓮根の効能

 蓮根というのは、実は古くから滋養によい食材として知られておりまして、薬膳料理に用いられることも。

 確かに蓮根はビタミンCを始めとした水溶性のビタミン類が多く、食物繊維も豊富なため、体によい食材だと申せましょう。その中でも、とりわけビタミンCは含有量が多く、蓮根に含まれている物は、蓮根のデンプン質のお陰で加熱しても劣化しにくいのだとか。

 昔から食材を、体を温めるもの、体を冷やすものといった風に分類することがございます。その場合、蓮根は後者にあたると言われております。蓮根に辛子を詰めた辛子蓮根というのは、そのような観点から見ましても、非常に相性抜群な組み合わせでございました。

 そもそもこの辛子蓮根というのも、熊本の地で生来病弱であった殿様のために滋養食として編み出されたもの。

 江戸の昔、細川忠利(ただとし)公のために発案された料理と伝わり、辛子蓮根をいたく気に入られた忠利公により、その調理法は明治に至るまで門外不出とされたとの伝説も。

 なお、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、蓮根は一度に多量に食すると体調不良に繋がる場合がございます。これは蓮根に含まれる食物繊維が主な原因であり、微量ながら含まれるシュウ酸も、人によっては原因となることが。大事に至ることは稀でございますが、下痢や吐き気などの症状が出ることがございます。

 症状などは体質にもよりますが、本作のように蓮根尽くしの料理をお召し上がりになる際などには、くれぐれもご注意のほどを。

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