4、距離を縮めた場所
拙作、ハピエン恋愛完結済連載小説『空は同じ』をテーマにした恋愛短歌です。あらすじ付きなので、本編を読む必要はありません。
【あらすじ】
大学生のかすみとマサトは友達以上恋人未満の関係。マサトがオランダ留学することになった時、ワンルーム部屋を空けることなったので、かすみが引っ越して住むことになった。その時かすみは部屋の鍵を前入居者であるマサトに渡した。その後しばらく2人は遠距離ながらも連絡を取り合っていた。
ある日マサトが一時帰国することになり、かすみは空港へ迎えに行く。久しぶりに会う2人は空港デートをしながら互いの気持ちを意識していく。
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【かすみサイド】
「帰国する」読んで反射で返信してた「迎えに行くよ」スタンプ付けて
空港の行き方スマホで調べた後に出てくるツアー広告
画面越しじゃない君を見てこれが会うだと知った到着フロア
好きなものかき揚げ蕎麦と知らぬまま過ごしてきたと気付く悔しさ
このままで良いの? 自分に問うてみる平気だよが頭を過ぎるが
手を握り体温感触欲しかったのはこの距離を縮めた場所
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【マサトサイド】
連絡をすれば返信届くこと当たり前だと錯覚もして
この鍵をいつ使おうかどう使う開けることしか考えてなく
待つ人がいる贅沢を味わおう硬く眩しい君の笑顔を
少しでも一緒にいたい蕎麦を食べたいとワガママ言ってみました
僕が鍵を持ってること気にしてる都合良くは思ってならぬ
君からの勇気に甘えずに僕も言葉と気持ち伝えてみよう