間話―ステータス回―
今回はステータス回となっております。
「それじゃあ、ステータス見せ合いっこしましょうか」
そう言って、両手を胸の前で合わせて微笑むトキ。
今は恒例となった、男子のみで集まり情報を交換する時間。
「急にどうしたんだ?」
マサヤが怪訝な目でトキを見る。
「今日でとりあえず一区切りつくでしょう?」
「ゼラードさんが言うにはそうらしいですねー」
近衛騎士団長のゼラードが俺たちのスケジュールを組んでいるのだが、当初の予定では『13レベル』に到達するのが一週間のはずだったのが、二日で達してしまった。
それで、明日は休みの日になるらしく、一旦今日で区切りがつく。
「明日は休みを謳歌したいし、かと言って明後日からはまた修行でしょう?」
「まぁ...そうなりますかね?」
曖昧な返事しかできないが、結局のところ何が言いたいんだ?
と、みんな思ってそうな顔をしている。
「そんな急かさないでよ。結論を急く男はモテないわよ?」
「うるせぇよ!?」
図星見たいね。とトキが笑う。
「まぁ、結論から言いましょうか。みんながどのくらいステータスが伸びたのか数字化したいのよ」
なんでまたそんなことを?
と言うような顔で見ていると、トキは続ける。
「私はね、実はナツメちゃんのスキルが一番強いと思ってるの」
そう言ってトキが俺の方を向く。その目は真剣そのもので、ふざけている素振りはない。
「最初は守ってあげなきゃって思ったけど、昨日チラッとナツメちゃんのステータスを見ちゃったのよ」
もちろん今も守ってあげたいとは思ってるわよ。と付け加える。
「そんなに変でしたか?」
「ええ。私は最初あなたのスキルを、“現在のステータスに1.2倍される”と思っていたわ」
トキがそう言うと、みんなが「え、違うの?」と口々に言う。
(俺もそう思ってたな。)
「でも違った。あなたのスキルは、“レベルが上がる毎に全ステータス値が1.2倍されていく”のね」
「そう...ですね」
改めてそう言われても、なぜこのスキルが最強なのかわからない。
すると、シンが大きな声を上げた。
「レベル上がる毎に全ステータスが1.2倍!?」
なぜ同じことをもう一回言った。と、普段ならツッコミそうなマサヤでさえ目を見開いて驚いていた。
「そりゃなんて言うか...すごいな」
ダイキですら語彙力をなくすほどだ。
(そんなに驚くことか...?)
「何をそんなに驚いているの? って顔してるわね」
「ははは...」
全て見透かされているようで、苦笑いが漏れる。
「じゃあ早速私のステータスから見せましょうか」
そう言ってステータスボードをこちらに見せてくれる。
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名前:冬野 桃花鳥
LV.1→13
職業:勇者見習い
称号:勇者見習い
HP:500→1100
MP:30→66
STR:1000→2200
VIT:400→880
INT:20→44
RES:50→110
DEX:300→660
AGI:500→1100
固有スキル:漢気
特殊スキル:怪力・自然治癒
スキル:武闘術
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見せてもらったステータスは、やはり凄まじく高かった。
「いや、このステータスも結構すげーけど...」
マサヤがそう言って肩を落としながらステータスを見せてくれる。
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名前:東雲 雅也
LV.1→13
職業:勇者見習い
称号:勇者見習い
HP:500→1100
MP:300→660
STR:350→770
VIT:300→660
INT:250→550
RES:250→550
DEX:200→440
AGI:300→660
固有スキル:限界突破
特殊スキル:自然治癒
スキル:剣術・光魔法・状態異常耐性
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トキほどステータスに大きな凸凹がないが、全体的に軽めなステータスと言えるだろう。
と言っても、そこらの兵士よりだいぶ高いが。
「これが俺の今のステータスだ」
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名前:梶 大輝
LV.1→13
職業:勇者見習い
称号:勇者見習い
HP:1000→2200
MP:10→22
STR:300→660
VIT:800→1760
INT:5→11
RES:500→1100
DEX:100→220
AGI:100→220
固有スキル:頑丈・全魔法耐性
スキル:盾術・大剣術
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トキ以上に凹凸が激しく、完全防御特化のステータスだ。
『DEX』が低いのがネックなのか、大剣を使っているのを見たことがない
「僕のステータス」
そう言い、レイもステータスを見せてくれる。
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名前:時任 零
LV.1→13
職業:勇者見習い
称号:勇者見習い・加護もち
HP:300→660
MP:1000→2200
STR:100→220
VIT:150→330
INT:700→1540
RES:500→1100
DEX:350→770
AGI:100→220
固有スキル:時魔法・自動MP回復
特殊スキル:無魔法
加護:時神の加護
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ココアと比べると、全体的なステータスが下位互換となっている。
唯一『MP』だけが優っているが、ココアには『MP吸収』があるのでなんとも言えない。
「じゃあ最後は俺ですねー」
そう言い、シンがステータスを見せてくれる。
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名前:月ノ上 神
LV.1→13
職業:勇者見習い
称号:勇者見習い・加護もち
HP:800→1760
MP:100→220
STR:850→1870
VIT:700→1540
INT:100→220
RES:350→770
DEX:700→1540
AGI:400→400
スキル:槍術
加護:武神の加護
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シンのステータスは頭一つ飛び抜けて凄まじい。
近衛騎士団員のステータス平均値が『500〜600』のところ、シンは初期ステータスで平均値が脅威の『500』だ。
すぐに近衛騎士になれると言っても過言ではあるのだが、少しキャリアを積めば余裕で行けるステータスだ。
「全員のステータスを見て、何か感じたことはないかしら?」
「...ステータスの上がり幅が規則的?」
頑張ってみんなのステータスを思い出しながら考えてみると、どこか似たようなステータスが多く感じた。
「そう。明確に言えば、みんな“レベルが上がる毎に初期ステータスの一割が増えている“のよ」
(なるほど...そう言うことか。)
「ちなみに、この世界の人たちは、規則的な上がり方はしないらしいわよ」
私達も特別ってことね。と言いながら笑う。
「それで、肝心のナツメのステータスはどうなってんだ?」
「あぁ、今見せるよ」
マサヤに促され、俺のステータスを見せる。
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名前:荒井 棗
LV.13
職業:勇者見習い
称号:勇者見習い・加護もち
HP:89.161
MP:44.581
STR:35.664
VIT:26.748
INT:17.832
RES:17.832
DEX:8.916
AGI:26.748
固有スキル:成長補正1.2倍・アイテムボックス
特殊スキル:遊戯神の呪い・鑑定
加護:遊戯神の加護
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どうやら小数点第三位までしか表示されないらしく、それ以降は四捨五入された数字が移されるみたいだ。
「最初見た時よりかだいぶマシになったな」
みんなが「おぉ〜」と、感心したような顔を浮かべながらまじまじとステータスを見る。
(これでも平民より弱いけどね...なんて言える雰囲気じゃないな。)
「なんか恥ずかしいな...」
みんなからステータスを食い入るように見られて、なんだか自分の裸を見られている気分に陥る。
すると、タイミング良く執事が扉をノックする音が聞こえた。
「お夕飯の準備が整いました」
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◇ステータス回って必然的に文字数多くなるし、それに相応して時間もかかる...◇