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この度、実践を始めました―2―

 チヨのおかげで疲れがなくなった俺達は、昼食を終えた後すぐに森へと入った。


「ギギ」

「グガッギギギ」


 獣道を歩いていると、すぐそばから鳴き声のようなものが聞こえた。


「待て」


 キュルスは声を抑えてみんなを制止させる。


「ゴブリンの声がした。近くにいるぞ」


 気をつけるように。と言葉を続け、俺達は警戒を強める。


「そこっ!」


 そう言い、シンが草むらへと槍を突き立てると、グェッと声がした。

 シンが槍を引くと、先端に青みがかった液体がついていた。


「ギェッ!」

「グギャギャ!」


 すると頭上から二匹の魔物が襲いかかってきた。


「おらぁっ!」


 一匹はマサヤが切り伏せるが、もう一匹は俺に降りかかると棍棒を振り下ろしてきた。


「くっ!」


(重い...!)


 思いの外その攻撃が重く、手が痺れるがなんとか弾き返す。

 その隙をマサヤがついて、一匹目同様切り伏せる。


「大丈夫かナツメ?」

「まぁ、訓練してたしね」


 心配しながら俺の方へと歩み寄ってくるマサヤへ、苦笑しながら返す。


「今みたいに、森では上への注意も怠ってはダメだ。危険はどこに潜んでいるかわからないからな」


 そうキュルスは注意を促す。




 その後、順調に森を散策していた俺たちは三時間経って『8レベル』になり、王都へと帰還した。


 王城へと着いて大浴場へと向かっていると、トキが前から歩いてくる。


「あら? ナツメちゃん達遅かったわね」

「そう言うトキさんは帰るの早いな」


 マサヤがそう言うと、俺たちとチームを離れた後の行動をトキが話し始める。


 どうやら、トキ達はさっさと森へと入ったらしく、ゴブリンの集落を潰した後、少しレベリングしたらすぐに『8レベル』になったらしく、昼前には王城へと帰ってきていたらしい。


「それはまた豪快な...」

「あら? これは私の意志ではなくて、シオンちゃんの意志よ?」


 シンが勘違いした発言をしたが、すぐにトキから修正が入る。


(シオンさんってなんか...熱心っていうより焦ってないか?)


 ここ一週間くらいシオンを見ていたが、最初は訓練に熱心な子だなと思っていた。だが、なぜか焦っているようにも見えて、少し心配にもなっていた。


(まぁ...何様だと言う話にはなるけど。)


「心配しなくても大丈夫よナツメちゃん。私がついてるもの」


 顔に出ていたのか、去り際にトキさんがそう言葉を残す。




 次の日、俺たちはまた森へとやってきていた。

 どうやらこの森、名称が「オーク森林」と言うらしく、昨日は浅い場所までしか潜っていなかったからゴブリンしか出てこなかったが、もう少し深くまでいくと、『コボルト』と『オーク』が出てくるらしい。


「といっても、コボルトじゃもう経験値にならないからな。基本的にはオークを狩っていく」


 キュルスがそう言い、俺たちは森の中へと入っていった。


 昨日は森の中心へと行くルートは通らず、浅い場所をちょろちょろと移動していたが、今日はまっすぐに中心へと向かう。




「ブモォ...」


 三〇分過ぎた頃くらいか。

 目の前に棍棒を持ったオークが現れた。

 といっても、ゴブリンみたいに小さい棍棒ではなく、体格に見合った太い棍棒だ。


(あれで殴られたら確実に死ぬな。)


 そう悟った目でオークを見つめる。


「オラ豚野郎! 喰らえ...『正義の槍(ジャスティス・ランス)』!!」


 シンはそう言いながら、槍を突き出す。

 ちなみに大層な名前をつけているが、実際はただの刺突だ。


「ださ」


 ココアが無表情でそう言ったのを、俺は聞き逃さなかった。


「うぉっしゃレベルアップ!」


 一撃でオークを葬ったシンは、早速レベルが上がったらしい。


「じゃんじゃん行くぜ――がはっ!」

「勝手に行くな」


 今にも走り出しそうになったところを、ダイキに襟首を掴まれて喉が閉まっている。


「ぎ..ギブッ......じ...ぬ」

「お前は周りのことを考えて行動しろ」


 シンがタップアウトするとようやく離してもらい、ダイキは説教している。




 そんなプチハプニングがありながらも、順調にレベルを上げていく。


 全員のレベルが13になった所で、今日は切り上げて王都に帰った。

☆ここまで読んでいただきありがとうございます☆


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◇次話ステータス回!◇

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