表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/21

この度、訓練を始めました―3―

今回は少し長めです。

ほんの少しだけ...気持ち程度に...

「あの綺麗な男性の方...凄く強いですね」

「トキさんか...」


 ユージが、残りの勇者見習い達の組み手を見ながらそう言う。


(確かに豪快な戦い方をしてるな。)


 今トキは、マサヤと組み手をしている。

 マサヤは木剣を持って切り込むが、トキの拳が剣の側面に叩き込まれて大きく体制を崩す。


「まだまだ余裕そうな雰囲気を感じますね...」


 ははは...と苦笑しながら言う。


(確かに...あのSTRを全力で使って殴られたら木剣折れそうだしな。)


 トキのSTRは脅威の『1000』だ。それに加えて『怪力』のスキルでSTRの値が二倍になる。

 流石にそんな膂力で殴られれば、剣が折れないにしろ体が吹き飛びそうだ。


「ふふっ。まだまだね」

「そんな攻撃されたらかわせねーよー!」


 トキがドヤ顔でそう言うと、マサヤは項垂れながら叫ぶ。


「技術面でいうと、あそこの女性が凄いですね」


 そう言いながらシオンの方を指差した。


 そこではシオンとシンが戦っていて、シンの槍攻撃を全て剣で捌いていく。


(すごいな...全くその場から動いていない。)


 シンは槍を使って縦横無尽に攻め立てるが、一手一手を確実かつ綺麗に捌く。もはや芸術へと昇華された組み手は、シオンの剣がシンの首に添えられることで終わった。


「チートやチート! そんなんチーターやん!」

「ちーと...? よくわからないけど、喚かないでもらえる?」


 槍を振り回しながら喚き散らすシンに蔑視を向けてからこちらを見る。


(やべ、目があった!)


 目を直ぐに逸らして、数秒経った後にもう一回チラッと視線を向けるが、未だにジッとこちらを見ていた。


(変な汗出る...。)


「彼女は向こうの世界でも凄腕の剣士だったんでしょうか?」

「さ、さぁ...どうだろう?」


 そう、ユージが疑問を投げかけるが、俺は曖昧な返事しかできなかった。


(あいにく、彼女の素性はあまり知らないんだよな...。)


 男性陣は部屋が近いこともあり、昨日のうちに色々と知れたが、女性陣とは全くと言っていいほど接点がない。

 唯一会話したシオンでさえ、怒られただけという始末。


(そう思えば、とことん女性に縁がないな...。)


「あの大きな人は堅実ですね」

「そうだね。ミノリさんの攻撃が届いてないみたいだ」


 ダイキとミノリの組み手は、ミノリがお得意の素早さで動き回って攻撃をしているが、ダイキの高い『VIT』には意味をなしていないように見える。


「かったいな! あかんわ!」


 そう言ってミノリはグデッと項垂れる。


「相性が悪いんだろう。仕方のないことだ」

「それにしても硬すぎや! ウチのスキルじゃ歯が立たんわ...」


 ダイキは男性陣屈指の『VIT』を持つ。そこに固有スキルの『頑丈』を合わせれば、生半可な攻撃じゃ素肌に傷もつかないだろう。


「よし! 訓練はここまでだ!」


 ゼラードがそう言うと、全員が手を止める。

 マサヤとシンとミノリは座り込んで息を整えているが、トキとシオンとダイキはまだまだ余裕そうだ。


(この三人一歩も動いてないしな...。)


「よく頑張った! これより、身を清めてから夕飯までは自由時間だ。解散!」




 その後、男性陣全員で大浴場へ行き身を清めたのちに、飯の時間まで食堂で雑談をしていた。

 すると、女性陣がやってきて話に混ざることになった。


「邪魔すんで。自己紹介は朝したけど、もう一回しとくわ。ウチは神田(かんだ) (みのり)いうねん。よろしく」


 そう言うのは、最後にダイキと組み手で戦ってた関西少女のミノリ。

 ステータスは『AGI』特化の、スキルは『短剣術』『暗殺術』『影渡り』と、完璧裏の人間。


「私は水無月(みなづき) 紫苑(しおん)


 端的な挨拶で済ます彼女は、

『刀剣術』『闘気解放』『第六感』『空間把握』といったスキルを持っており、固有スキルは無いながらも、非常に強力な特殊スキルを持っている。


「私は今井(いまい) 朱理(あかり)! よろしく!」


 元気の良い声で挨拶してきた彼女は、

『弓術』『アイテムボックス』『万能魔法』といったスキルを持っており、無限に「矢が打てるよー」と笑顔で言っていた


「ココア」


 シオンよりも端的にそう自己紹介をした彼女は、喋るのが怠いのか、そのままステータスを見せてきた。


△▽▲▼△▽▲▼△▽▲▼△▽▲▼△▽▲▼


名前:榎本(えのもと) 心愛(ここあ)

LV.1


職業:勇者見習い

称号:勇者見習い・加護もち・神童


HP:300

MP:700


STR:200

VIT:150

INT:800

RES:700

DEX:400

AGI:250


固有スキル:MP吸収・神通力


特殊スキル:爆裂魔法


加護:魔法神の加護


△▽▲▼△▽▲▼△▽▲▼△▽▲▼△▽▲▼


(つ...つよい!)


 ココアのステータスを食い入るように見つめる男性陣。よほど衝撃だったのだろう。

 ステータスだけで見ればシンに一歩及ばない程度だが、スキルが強力すぎる。


「な、なぁナツメ...俺って...弱いんだな......」

「お、落ち着けって...」


 目の前で項垂れているマサヤに、どう声をかければ良いのかと悩むが、当たり障りのないことしか言えなかった。


「この後に自己紹介するのはちょっと気が引けるね...私は波風(なみかぜ) 七海(ななみ)。よろしくね」


 苦笑いを浮かべながらそう言う、眼鏡をかけた一見根暗そうな雰囲気のある彼女は、

『7属性魔法』『マルチタスク』『自動MP回復』というスキルを持っていた。


(全然見劣りしてないね...。)


 ナナミはああ言っていたが、ココアと遜色ないスキル構成だと思う。


(わたくし)神崎(かんざき) 千代(ちよ)と申しますわ。お見知り置きを」


 そうにっこりと微笑む彼女は、

『治癒魔法』『支援魔法』『聖女の祈り』『慈母神の抱擁』といったスキルを持っている。


「皆様に慈母神様の加護があらんことを...」


 彼女は両手を組みながら祈るようにそう言うと、身体がじんわりと温まり、疲れが吹き飛んだ。

☆ここまで読んでいただきありがとうございます☆


□よければブックマーク登録、評価、コメントしていってください□


◇最推しはシオンだけど、ココアも良いよね◇

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ