Re:Origin 809/2/12/18:02
国立自然史博物館古代生物再生技術研究室へようこそ。研究主任の***です。本日はお集まりいただきありがとうございます。初めに少し施設内を見学していただき,記者会見に移りたいと思います。では,早速行きましょう。
ここでは地球最初期の捕食性生物が再生されています。ハルキゲニアやアノマロカリスなどですね。そしてこちらは最初期の脊椎動物であるハイコウイクチスです。どれも少しグロテスクな見た目をしていますね。
生物は多種多様に姿を変えていき,植物も動物も陸上に進出しました。こちらは恐竜です。その圧倒的な強さから多くの生物を捕食,支配していましたが隕石の衝突により絶滅しました。
最後はこちら,ニンゲン。高度な知的文明を築きましたが,未知のウイルスにより,たった一日で絶滅したとされています。
本日皆様に集まっていただいたのは,我々の研究の結果,驚くべき真実が明らかになったからです。
最初の生命は何なのか,そしてどの様にして生まれたのか。宇宙の誕生もそうですが,無から有が生まれることはありません。宇宙に関してはまだはっきりと分かっていませんが,この地球上での生命の起源が,我々の研究によって全容を表しつつあります。今から36億年ほど前,太陽系外の惑星から大量の生命体が飛来しました。その生命体が進化に進化を重ねることで,地球上に多種多様な生物が誕生しました。
この生物の存在が判明した際,我々研究員はとある事実に気づきました。この生物の正体は…
ニンゲンを滅ぼしたウイルスと同じものだったのです。
つまりこの生物は,ある時地球に飛来し,驚異的な適応能力で進化を幾度と遂げながらも一部は原型を留め,恐竜やニンゲンの繁栄の陰でずっと生き永らえていた。そして「何か」が引き金となって目覚め,強力なウイルスと化してニンゲンを一日で死に追いやった。
そしてもう一つ…これは明らかになった訳ではなく…我々研究者と政府の間で秘匿されてきたことなのですが…ニンゲンを滅ぼしたウイルスのDNAは…我々と同じなのです。つまり…我々の正体は…ニンゲンを滅ぼして新世界を作ったもの,そしてこの惑星の全ての生命の起源です。かつてニンゲンは我々のような存在を「神」と呼びました。