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番外編1.不味いランキング(第1回)

 さて、突然の番外編で申し訳ないが。


 これまでに僕が異世界で口にしてきたものを振り返ってみよう。



①ドロベチャの実:クッソ不味い

②ゲチョリ川の水:メチャ不味い

③スライム:ゲロ不味い

④マイコニドのスープ:ガチ不味い

⑤キノコのスープ:ヤベー不味い

⑥ポペンの実:かなり不味い

⑦焼き魚:マジで不味い

⑧モジャの実:なかなか不味い

⑨目玉焼きっぽいもの:スゲー不味い

⑩花の蜜:やっぱり不味い

⑪ドライポペン:絶妙に不味い

⑫カラシ(カレー):まあまあ不味い

⑬飲料水:これも不味い

⑭生野菜のサラダ:なんて不味い

⑮味噌汁もどき:最後まで不味い

⑯パンみたいなの:結構不味い

⑰ゴシゴシの枝(歯ブラシ):めっさ不味い ※食べ物ではない



 異世界に来て早二日で! どんだけ不味いものを食べてるの――!?


 とんだヤベー奴だよ! っていうか、よくぞ毎回食べる! 自分で言うのもアレだけど、ちっとも学習してねえ!!


 もう、ベテラン。歴戦の不味いものイーター。たいへん不本意ながら。不味い食べ物専門家の地位を、確固たるものに築き上げてしまった……。


 ……ところで、みんなもそろそろ気になっていると思う。


 この中で! ()()()一番不味かったのか!?


 それではお待ちかねの! 僕が口にした17品目による――


――『異世界不味い食べ物ランキング』のトップ3を発表するッ!



   ☠



第3位!


『ゲチョリ川の水』――!!


不味い度:★★★★★★★★★☆


所感:大自然が産み落とした悪魔


総評:まさか単なる川の水がトップ3に入るとは、誰も予想していなかっただろう。僕だって訳が分からない。そもそもの話。汚い川の水ならばいざ知らず、透き通った川の水が不味い時点で何かがおかしい! 仮に美味くなかったとしても! 想像し得る最悪の味で()()――!! しかし、その予想を軽々と越えてきた点は評価せざるを得ない。見た目と味のギャップもさることながら、口当たりの悪さ、不味さのレベルでも、他の追随を許さぬという完璧っぷり。飲んだ者を「不味い!」と叫ばせるためだけに、産み落とされたと言っても過言ではないだろう。液体であるため、不味くない部分が一切ない。味覚へダイレクトに届く、均質化された純粋なる不味さ。現実世界の不味いものを全て集めて、搾って、不味いエキスのみを抽出すれば――近しいものが得られるかもしれない。気になった人は、是非とも試してみて欲しい。最後に、流れている水がランクインした川には、心より賞賛を述べたいと思う。おめでとう、ゲチョリ川。干上がれ。



   ☠



第2位!


『ドロベチャの実』――!!


不味い度:★★★★★★★★★☆


所感:人間の食べるモンじゃねえ


総評:僕が異世界で初めて食べたものであるが、あの衝撃は凄まじかった。一瞬、走馬灯まで見えた気がする。しかし、当時のインパクトを差し引いても、十分にハイレベルな不味さを有していると判断し、めでたく2位へランクインした。ご存知の通り、僕はこの世界で様々な果実を食べてきたが……その中でも極めて異質! 圧倒的な不味さクオリティ! 不味さが果実の枠を超越している――!! 詳しく説明すれば、()()な不味さ。一口目の爆発具合、全身が拒絶する嫌悪感、食感も最悪ならば、噛むほどに苦味と渋味が増し、後味まで絶望的。どれをとっても不味いと断言できよう。どんなに不味く不味く進化しようと思っても、ここまでの境地に到達できる植物は他にいない。この不味さに対する拘りは尊敬に値する。ゲチョリ川の水と一緒に食べると、より一層不味さが引き立つ。なお、2位と3位の実力は拮抗していたが、単体の味で比較した結果、最終的にドロベチャの実に軍配が上がった。素直に祝福しよう。よくやった、ドロベチャの木。次は燃やす。



   ☠



第1位!


『スライム』――!!


不味い度:★★★★★★★★★★


所感:我が生涯で右に出る者ない不味さ


総評:文句無しに堂々の1位である。「キング・オブ・不味い」の称号を与えよう。大前提として、あんな意味不明な生き物、不味いに決まっている。どれだけ創意工夫を凝らして食べようとも、美味くなる訳がない。思わず生ゴミと味を比較してしまう不味さ。全17品目の中でも! 不味さが頭一つ飛び抜けている! 異次元の不味さ! 言うなれば、僕の考えた()()の不味いもの――!! もはや、不味さが突き抜けていて表現すら不可能。何から何まで不味い。とにかく不味い。脳内で思い浮かぶワードは「ベチャベチャ」と「不味い」のみ。道理で雑魚モンスターなのに個体数が多い訳だ。他のモンスターからも絶対に捕食されない。ある意味で、この世界において最強のモンスター。あんなに不味かったゲチョリ川の水も、ドロベチャの実も、足元にすら及ばない。超辛口評価の不味い度が満点を叩き出してしまった。これは偉大なる快挙である。素晴らしいぞ、スライム。絶滅しろ。



   ☠



 以上が、異世界不味い食べ物ランキングのトップ3である!


 みんなの予想は当たっていたかな?


 なお、独断と偏見によるランキングのため、食べる人によっては多少の差異が生じてしまうかもしれない。


 そんな時は、自分の味覚を信じて、勇気を出して、まずは一口食べてみよう!


 ちなみに、トップ3より下位は次の通りの順位となっている。



   ☠



第4位:目玉焼きっぽいもの……悪魔の創作料理

第5位:ドライポペン……黒板を引っ掻いた音

第6位:生野菜のサラダ……凝縮された森

第7位:マイコニドのスープ……不味さ100点満点

第8位:ゴシゴシの枝(歯ブラシ)……苦味の特攻部隊

第9位:キノコのスープ……親友の裏切り


~我慢すれば食べられる限界の壁~


第10:焼き魚……食用じゃねえ硬さ

第11位:花の蜜……五臓六腑の暗殺者

第12位:パンみたいなの……悟りの境地

第13位:飲料水……飲めない、許すまじ

第14位:モジャの実……毒の沼に浸したティッシュ

第15位:味噌汁もどき……ボディへの鋭い一撃

第16位:ポペンの実……奴は弾けた

第17位:カラシ(カレー)……辛さ10段階評価で20


~絶対に越えられぬ壁~


ランキング圏外:腐ったリンゴ、泥水、生ゴミ、苦虫、パセリ、森



   ☠



 いかがだっただろうか?


 不味い食べ物とは、ただ不味いだけではない。それぞれの不味い特徴があるし、純粋な不味さの度合いだって異なる。それらを総合して、不味さには序列が存在するのだ。


 もし、今後――みんなが不味い食べ物を口にする機会があったら。


 ()()()()不味いか。少し考えてみても良いだろう。


 今回の不味いランキングはこれにて終了だが……ひょっとしたら第2回、第3回があるかもしれない。いや、開催されないことを願うばかりである。


 そう、次こそは! 異世界()()()食べ物ランキングを発表できると信じて!


 僕の異世界ライフはまだまだ続くっ!


☆まだ見ぬ美味い食べ物を探し求めて――!! (次回から本編に戻ります)

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