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今日から学校と仕事、始まります。②莞

エレエロ。やっぱり、第一印象の差

作者: 孤独

「たまには私がボケをやりましょうか?」

「漫才なんかしねぇよ」


今泉ゲーム会社、営業担当の2名。


「そう暗い顔していますと、顔の雰囲気も相まって怖いですよ。三矢さん」

「うるせーな、弓長……ツッコミ疲れなんだよ。それと仕事の疲れ。俺ばっかりツッコミじゃん」


ヤクザ面の強面営業マンの三矢正明と、イケメン優男な営業マンの弓長昌。

一緒に休憩を取っている時の雑談である。


「急に暖かくなりましたよね。クールビズも近々始まります」

「そーだな」

「先日の営業先では早くも始まっているようでして、新人社員の皆様も涼しい姿でお勤めされておりました」

「いやー、頑張ってるね」

「そこで私、エレベーターをご利用したわけですよ。6階の会議室で打ち合わせだったものでして、えー」

「階段を使え、走って汗をかけ」

「鬼ですか?三矢さん」


はははは。ってプチ笑いする弓長。


「とまぁ、なんですか。私が1人でエレベーターを使うじゃないですか」

「うんうん」

「そこにですね。『待ってくれませんか~』って、女性の声がしたんですよ。私も急いではいたんですが、声を聞いたんでそりゃ。開くボタンを押して、待ってあげるわけです」

「優しいな」

「女性の方、早くはないですが走って来ているんです。いやぁ、偉いですね」

「本当だ」

「『ありがとうございます』ってお礼を言って、私も『どーいたしまして』っと言うじゃないですか。」

「ほぉっ」

「そして、エレベーターが動いて、私は6階。女性は5階で降りるそうだったんです。そしたら、私、後ろに移動してあげるじゃないですか。出やすいように」

「するな」

「その時ようやく気付いたんですけど、入って来た女性のYシャツが汗のおかげで、ブラ透けしているの見えたんですよね。後ろから丸わかりで」

「なんつーところ見てるんだ!!」


不可抗力だってのは分かるが、まじまじと見るなよ。


「目を瞑るのも良くないなぁって思って、ちょっと眺めてました。優しい事をすると、良い事があるんですね」

「そうかな!?」

「エレベーターという密室で、2人きりだと余計にあれですね。向こう気付いてなかったのもねぇ」

「もうその辺でオチにしてくれ!」

「ともかく私が言いたいのは、優しい事をすると、たまに良い事があるよって事です」



◇         ◇


ある日。


「ふーっ」


三矢は営業先の会社に向かうため、ビルの8階までエレベーターを使う。


「待ってくださ~い」


そんな時、女性の声が聞こえる。その時、弓長のお話を思い出し、優しさを見せるため。閉まりかけた扉を開いてあげる。


「どーぞ」

「あっ……」


優しい声を出し、待ってあげるわけであるが。女性は三矢の強面の顔を見て、警戒してしまった。


「あ、やっぱり良いです。次で大丈夫です」

「……………」



ガーーーーッ


エレベーターを締めて、1人で昇るのであった。


「やっぱり顔と容姿だよな……」


監視カメラにはエレベーターの壁をゴンゴンと叩く三矢の悲しい姿が映っていた。

残念。




今日、たまたまだったんですが。

弓長のお話みたいな事が起きました。

汗をかくシーズンになりそうなので、色々と気を付けましょう。それと、エレベーターのような密室だと妙に意識しちゃうよね。


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