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短編

時を戻す時計

作者: 小沢琉祢
掲載日:2019/01/17

ずっと君が好きだった。

でもずっと言えなかった。

そうこうしているうちに時は過ぎて、君は死んだ。

事故にあって、即死だったという。

時を戻せたら。

そしたら、君を助けに行けるのに。

そんなことを考えている時、古くなった時計を見つけた。

それはおじいちゃんから貰ったものだった。

一度だけ時を戻すことができる時計なんだ。

そう言っていたことを思い出す。

でも絶対使っちゃダメだよ。

そうも言っていた。

一度使うともう二度と元の時間に戻ってくることは出来ないんだ。

戻った時間の自分が優先されるから、使った人はなくなっちゃうんだ。

それでも。

君が生きている世界を望んだ。



いた。君がいる。

過去の君。

華奢な背中。

てくてくと僕の前を歩いていく。

その背中を突き飛ばした。

彼女はうわっと声をあげる。

僕は分かっていた。

僕はここで死ぬんだって。

彼女の代わりに。

遺体が残ってたら困るかなあ…

そんなことを最後に考えた。



彼が死んだ。

初恋の人だった。

私が死ねばよかったのに。

そんなことをずっと思った。

でも死ねなかった。

何故か自殺しても未遂になってしまうのだ。

何をやってもすぐに人に発見されてしまうか、都合のいい事が起こって死ねない。

もしかしたら。

彼が守ってくれているのか。

幽霊なんて信じていなかった。

でも今は、いるのかもしれないって思う。

だって。

死のうとするたびに悲しそうな彼の顔が見えるのだから。

「…これで、いいんだよね?」

うんうんうなずく彼が見える気がした。

私は笑った。


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― 新着の感想 ―
[一言] 叶わない恋、辛いです。 儚く、とてもやさしいお話だと思いました。 素敵な気持ちが込められていますね。
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