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天界最高議会、開催決定!

天歴3億5432年12月15日、天界最高議会が開かれることが決定した。

議題は、「そろそろ人類なんとかした方がいいんじゃね?」というものである。

天界最高議会の参加者は、天界五大臣と呼ばれる5人の最高権力者であり、すなわち、生命管理大臣のゼウス、自然環境大臣のクーマン、破壊大臣のザキエル、芸術文化大臣のドラクロワ、天地調整大臣のトクナガの5人である。


天界最高議会では、天界五大臣が地上界に関するあらゆる提案を行うことでき、賛成多数で議案成立し、1週間以内に施行されることになっている。

この天界最高議会に議案が提出されるのは6600万年ぶりであり、その時の議題は「そろそろ恐竜滅亡させた方がいいんじゃね?」だった。


天界最高議会の開催に伴い、天界最高議会運営事務局が6600万年ぶりに設置され、各天界中央省庁のエース級の人材が集められた。

開催決定と同日、運営事務局が発足し、事務局長に生命管理省から派遣されたラファエル、事務局長補佐に破壊省のドガが就任した。2名の下に、自然環境省のモネ、芸術文化省のモリゾ、天地調整省のホクサイが各省庁との連絡調整係長としてつき、さらにその下に5名の事務局員が各省庁から派遣されていた。


事務局発足の日の朝、事務局長のラファエルはメンバーを会議室に集め挨拶をした。

「えー、この度、6600万年ぶりに天界最高議会が開催されることになりました。本議会は、来年3月15日になる見通しですので、我々はそれまでにあらゆる情報を収集し、議会の円滑な運営に努めなければなりません。ですが、ここにいるメンバーならば、きっと乗り切れると思います!みなさん、3月までの間、一丸となって頑張りましょう!!」


事務局長の挨拶が終わった後、事務局員たちは各々のデスクについて仕事にとりかかった。

みな真面目に出向元の省庁から持ってきた資料を整理したり、関係機関に就任挨拶の電話やメールを入れている。あっという間に午前中が終わり、昼休みに入った。

芸術文化省の若手ベルが、となりの席の天地調整省の若手ポップをランチに誘った。ベルとポップは天界第四大学の写真部で先輩後輩の関係であった。

「事務局長の挨拶、みんなで一丸となってってさ。ポップ、聞いてるか。今回の議案は、生命管理大臣と破壊大臣の共同提案らしいぞ。」

ベルが中庭でサンドイッチをかじりながら、ポップに話しかけた。

「知ってますよ、ベルさん。道理でラファエルさんは気合が入ってるんですね。」

ポップもカップラーメンをすすりながら返事をする。

「ああ、破壊省も今回の議案が通れば、久々に大きな仕事ができるってうずうずしてるらしい。」

「破壊省もちょいちょい火山を噴火させたり、地震を起こしたりしてたけど、物足りなかったんですかね。」

「自然環境省もどっちかっていうと賛成派だろうな」

「今のところは賛成って感じですよね。」

「結局、人類擁護派はうちとポップんとこだけって感じか。」

サンドイッチを食べ終わったベルは伸びをして、真っ白な空を仰ぎ見た。

「厳しいっすね。」

ポップもカップラーメンの汁を飲み干して、立ち上がった。

「まあ、やるだけやるしかないっしょ」

ベルがそう言って歩き出すと、二人は連れ立って、職場へと戻っていった。

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