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アマリモート  作者: 雷兎
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【第6話】酒場

「おはようございま〜す。なんのご用件ですか〜」


 午前11時頃、非常にだるそうな受付の少女が、俺の相手をする。

 俺は姫に教えられて、今酒場にいる。


「あの、これ……」


 俺は姫に教えて頂いたのと同時に、渡されたサインを少女に見せる。


「えっ……」


 少女はサインを目にし、驚きをあらわにしていたが、すぐににやりと笑う。


「へぇ?兄ちゃんが、聞いてた勇者サマか〜

こんな兄ちゃんが勇者なんてできるのかな〜?」


──なんだこいつ、煽ってくるなよ。


 俺の思っている事を読み取ったかのように、慌ててこう言った。


「あぁ、ごめんな〜兄ちゃん。これから兄ちゃんをあいつのもとへ連れてくから許してな〜」


 そう言って、酒場の奥ヘ進んでいく。俺もついていく。


「兄ちゃん、こいつだよ」


 その声がきこえるのと同時に、何かにぶつかった。慌てて見上げると、大きな男が立ってじっと俺を見ている。


「紹介するよ。こいつはサイネルっていうんだ」


 サイネルと言われたその男は俺をじっと見る。その大きな体のせいもあり、正直怖い。


「なんか俺に用か」


「え〜?おいちゃんもう忘れちゃったのか〜?このひょろい兄ちゃんがあの『勇者サマ』だってよ〜」


 サイネルは一瞬きょとんとし、ガハハと威勢よく笑う。


「あぁ悪い悪い、あんたがそうか。思っていたのと違ってたんでな。紹介された通り、俺はサイネルってんだ。俺の酒場へようこそ」


 そう言って、サイネルは俺のことをまじまじと見る。


「お前、本当に弱そうだな……。そんなにヒョロくてやっていけるのか?」


──2人してそんなこと言うのやめてくれないか……?


 俺は、会って間もない2人に散々馬鹿にされたが、この状況を変える為に落ち着いてこう言った。


「僕はこの度、勇者を命じられましたクロノと申します。頼りないとは思いますが精一杯頑張りますのでよろしくお願いいたします」


 2人はきょとんとしながらお互いを見つめ合い……

これでもかと言うくらい大声で笑った。


「おいおい、兄ちゃん。そんなかっこつけなくったっていいんだぞ。もう笑いが止まらないじゃないか!……んじゃ、そろそろあたしは向こうに戻るからな〜」


 そう言って少女は部屋を出ていき、俺とサイネルの2人だけになった。

 2、3分ほど笑い続けたあと、ようやく落ち着いたのかサイネルは真剣な顔で俺を見つめた。


「お前は本当に勇者の役目を最後まで果たす覚悟はできてるな?」


「はい。陛下から命じられてから、俺は覚悟できています」


「わかった。それなら俺は全力でお前の支援をしよう。それじゃあ明日から俺はお前の訓練を手伝うぞ。聞いたところによると、お前は剣を振った事すらもないらしいからな」


──どこまで知ってるんだ……?


「わかりました。それでは明日からよろしくお願いします」


「あぁ、俺にはいい子のふりしなくていいからな!」


 俺はその声を耳にしながら部屋を後にした。

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