十数年後
SIDE--ジュリオ
寝室の前に着いた俺は息を整えずにノックをした。
こ こ こ こ
四回のノックは俺と俺の家族の間の一つの合図だ。
「マリア、俺だ。入るぞ。」
俺は寝室の中に居るマリアに、声を掛け、ドアをようとする。しかし、俺が開ける前にマリアがドアを開けた。
「あなた、どうしたのそんなに慌てて。いくら息子の誕生会だからと言って、はしゃぎ過ぎですよ♪」
マリアの言葉を聞いて、俺は固まった。ふざけているのか、しかしマリアはこんな事をおふざけで言うはずもない。だから信じられないまま、俺は固まった。
「どうしたの、あなた?何が変よ」
固まった俺の目の前に手を左右に振り、まるで俺に意識があるのかを試してるようで。
「いいや、マリア。君は今何で言ったのだ?」
俺は何とか立ち直り、慌ててマリアに確かめる。
「えっ、えっと どうしたの、あなた?何か変よ て言いましたけど、どうしたの?」
マリアはさっきに言った言葉をもう一度言い直した。
「違う!それじゃない、それの前だ!」
俺は感情を上手く抑えきれず、少し大きな声で言った。
「ま 前?確か、あなた、どうしたのそんなに慌てて。いくら息子の誕生会だからと言って、はしゃぎ過ぎですよ♪ て言ったのだけれど、どうしたの?こんなのちょうとしたおふざけよ♪」
俺の発した大声に、マリアは少しビックリした。そして、何かを思い返して、最初に言った言葉をもう一度言った。
「何を言っているんだ、マリア?誕生会を開く筈の息子 リオン はあの崖から落ちて死んだじゃないか?何故そんな事をちょうとしたおふざけと言うんだ!」
マリアの軽い態度に俺の感情が更に昂ぶり、声を更に大きくした。俺の言葉にマリアは目を大きく見開いていた
「えっジュリオたら、何を 言っ て...えっ!」
最初は俺が悪い冗談を言ったように思えたか、軽く笑顔で俺の名前を呼び、しかしマリアの声は少し震えだし、瞳孔も何だか開いていくのだ。目は俺に向けてるのに、俺じゃない何かを見たような目をしているのだ。
マリアはゆっくりしゃがみ、床に座り込っだ。マリアの目から涙が零れて行く。
「おい、マリアしっかりしろ!どうしたんだ?しっかりするんだ。」
俺は焦った、マリアの様子がおかしいのだ。さっきはまるであの日の記憶がない見たいに何時も通り過ぎたが、今は急に座り込み心が何処が別の場所に飛んだがのように成った。
恐怖を感じた、成体のフレームドラゴンに対し恐怖の欠けらも感じなかったのに、今は全身に凍え死ぬかと思うくらいの悪寒を感じ 恐怖した。だから俺はしゃがみ両手でマリアの両肩を掴み、軽く彼女の体を揺らし、マリアの意識を連れ戻す為に。
マリアは俺の声に微かな反応を見せ、俺の方に目を向く。でもその目は依然として俺を見ていない。
「リオォォォォォォン!いいやぁぁぁぁぁ!」
マリアは突如悲鳴を上げた、泣き叫ぶ彼女を見て俺は辛く感じ、彼女を抱き締めた。
マリアの悲鳴に息子と娘が駆け付けで来て、その隣に使用人が立っていた。
俺は子供達に 大丈夫だ と言い聞かせ、使用人達に子供達自身の部屋へ連れ帰るように言い付けた。
この寝室で、二人きりになれた俺はマリアを慰め続け、マリアはまるで子供の様に寝るまで泣いたのだ。
リオン 俺とマリアの間で出来た三人目の子供、その子の死は俺やマリア、娘のクリスティナと息子のレクス、俺達全員の心に消えぬ傷跡を残した。俺は夫どして、子供達の父親どして直ぐに立ち直らなければ成らなかった。俺はそれを信念に立ち直る事が出来た、しかしマリアはそうは行かなかった。
マリアは リオンの死 でかなりなショックを受けた、其の直後はまともに食事さいも取れなかったんだ。そんな彼女か時間を掛けてようやく立ち直り、それからの彼女はリオンに注ぎ込む愛情をクリスティナやレクスに注ぎ込むだ。
立ち直ったマリアは魔法の鍛錬を再開して、鈍って行く感と腕取り戻したのだ。理由は聞かずとも分かる事が出来た、それは一想いにただ子供達を守り、二度と失わんように と。
リオンの死は一時的に俺達の時を止めた、しかし時が経つに連れ俺達の時が再び動き出した。
十数年の時が経ち、俺達はまだリオンのことを忘れず、しかしちゃんと前に進んでいるのだ。
この十数年間、俺はあの日の襲撃を企てた奴を探し続けたが、見付からない。尻尾を掴めたと思えば逃げられ、その度に手掛かりを絶たされ、しかし俺は諦めずに探し続けながら生きて行くのであった。