後悔
あなたは、友達がピンチの時。どうしますか?
私は1つ、後悔していることがある。
*
1年前。
小さな丘の上にある、近所の公園で、恵理と待ち合わせをしていた時の事だった。
公園に行くが、恵理はまだ来ていなかった。
それから5分後。恵理が手を振りながら小走りで来た。
「ごめーん遅くなって。信号に全部、引っ掛かちゃったの。本当にごめん。怒ってる・・・?」
恵理があまりにも泣きそうな顔をしたから、私は思わず吹き出してしまった。
「ぷっ。あはははははは。全然怒ってないよ。」
「本当に?」
恵理は本当に心配性だ。ちょっと失敗しただけでも、泣きそうな顔をしながら懸命に謝る。
慰めるのがとても大変だ。でも・・・。
「本当に、怒ってないよ。」
恵理のそういうところが大好きだ。
私たちは歩き出した。公園の出口へ向かいながら、これから何をするか話し合った。
「これからどうする?恵理はどこ行きたい?」
「う~ん・・・。あっ、そうだ。」
「何々?」
「この前、駅前においしいアイスクリーム屋さんができたんだけど、行く?」
「そうなの?知らなかった。何ていうお店?」
「確か・・・。(アイスクイーン)だったと思う。」
「何それ。ダジャレ?面白いね。」
「だよね。私も思った。」
「じゃあ、そこ行く?」
「行こう。」
「うん。」
そんなわけで、私たちは駅前にあるアイスクリーム屋に向かおうとした。
恵理が公園の出口から出ようとした。
「待って恵理。そっちは、駅前方面の出口じゃないよ。」
「あっ、そうか。反対っ側の出口だよね。あの階段のほうの。」
「そうそう。」
私たちは階段のある、駅前方面の出口に行った。その階段は少し急なので、手すりがついている。
私たちでも、その手すりを使わないと少し怖い。
「降りよ。」
「気を付けてよ恵理。」
「大丈夫だって。」
恵理がこっちを振り向いた瞬間。私は叫んだ。
「恵理危ない!!」
恵理の足元には、シャボン玉液の入ったケースがあった。
もう遅かった。
恵理はそれに足を滑らせ、手すりから手が離れた。