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巻頭歌
我々は限界の沙汰を知る。
我々は蒙昧たる現実を知る。
而して玲瓏の輝きの本質を見抜くこと無く、ただ閃光に流される。
萬物に睥睨し、何をも超越した凌駕を否定するのならば、
我々は絶対たる認識の澎湃に飲みこまれ、身を滅ぼすのを待つ。
我々は解放されねばなるまい。
我々は相対化された束縛に気づかない、無知を知とする愚かな存在である。
我々は絶対的な認識の存在を信じている、極めて老獪な考える葦である。
だからこそ、我々は解放されねばなるまい。
狂悖に満ち、世界からの桎梏を断ち切ること。
それこそが、我々が魯鈍な存在から解脱する、唯一の方法なのだ。