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prologue
ある日、魔法が使えたら。異能力が使えたら、大切な人の役に立てたのか、守れたのか。
僕にはそんなことが出来なかった。
人一倍弱く
人一倍気が利かなく
人一倍役に立たない
そんな僕がどうして生きているのか
どうして生かされているのか
いっそのこと僕のことを殺してくれないかと願った
どうして僕なんかが
どうして僕の大切な人が
消えたの??
ある時を境に人々は異能力や魔法が使えるようになった。
空を飛べる人
火を操れる人
水を操れる人
人を操れる人
など、たくさんの異能者がいる
その中で僕は、最悪の能力を持ってしまった。
それは
鋏の手
通称:人斬魔
といわれる能力を持ってしまった。
握手なんてできない
手を繋ぐことすらできない
でも、
そんな僕にも大切な人ができた
だけど、
僕の大切な人も
僕の手で傷つけてしまった
いいや
殺してしまった