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戻ったのにファンタジー?

空の天気は快晴なり。


雲のない青い空の下には排気ガスを出し走る車……。


路面を走る電車…路面電車


携帯、パソコン等々機械から機械へ飛び交う電波…


様々な文明の利器が有る平凡な現代の町、行万(コウマ)町。


ありふれた町でしか無いこの行万町。


いや少し前までありふれた町だった行万町。




行万町南区に旧くからある歴史を持つ神社、幻叶(ゲンヨウ)神社。


その幻叶神社裏手に有る山が…無残に…


…崩れる。


崩れた原因は地震、落盤等の自然現象ではない。兵器に壊された訳でもない。


山は踏み潰された。


山が生き物に潰された。


山を踏み潰せるその生き物のサイズはあり得ない。


世界最大の大きさを誇るシロナガスクジラの3倍、いや4倍は有るだろう。


山を潰した巨大な……赤黒い生物。  


遥か太古に存在した恐竜を思わす威容


背中に生えた蝙蝠の様な巨大な羽、


王者を思わせる金色の角を持った頭、


全てを見透かす様な黄金の瞳。


童話の世界、ファンタジーの世界、物語にしか存在しない筈の空想の生物を思わせる姿…幻想の生き物…竜の様な怪獣。



「グオオオオオオオオオ!!!!!!」


竜が獣が極限まで興奮したのと同様の雄叫びをあげ!竜の咆哮は大気を震わせ!世界を震わせる! 


竜の眼下の山の、いや周囲一帯の生き物という生き物全て、天変地異が起きた様に小型、大型、肉食、草食問わず植物以外動けるモノは全て怯え逃げ惑った!


山中を騒がす数百は有りそうな生き物の鳴く声、悲鳴を上げてる様にしか聞こえない怒号の鳴き声。



この混沌をもたらした幻想の生き物の竜の雄叫びの内容はこうだった。


※懐かしい!排気ガスの臭い!ゴミゴミしい建物の多さ!ヒャッハァ!現代だぁあ!!…か…唐揚げ!唐揚げ!唐揚げ!豚カツ!豚カツ!鯖味噌!鯖味噌!白いご飯とデュエットだぁ!!


ルインが本能(食欲)の赴くまま飛び出そうとすると……


『マッテェエエエ!!!』

『落ち着け!』 


……ルインの頭にひびく止める声。


この忙しい時になんだ!千年ぶりのマトモなご飯が手に入るのに!何でまたあの光る虫のイラっとする声が……うん?声質が違ったか?それに二人分の声……だれだ?……いや良いか。


それよりマトモな食事!!!


『だから待て!良く判らんが食べ物の名前を連呼してただろ!?食べ物の為にあの町を荒らしに行く気か!お前が突撃したら確実に食べ物ごと消し飛ぶぞ!?』


誰か知らないけど…ヤレヤレ


『……大袈裟な』


『大袈裟じゃないわ!自分の体格を考えろ!?』


『……?』


首を傾げた


体格……体格って、あ、今は巨大竜だった!!確かに此れで突撃すれば消し飛んじゃうか!……え、じゃあマトモなご飯は?


む、りだよなー。……あー現代に帰ってきて昔に全部戻った気でいた。


『は、把握したか?』


把握したよ……くそう!


くそう!これだと!この体格だと!


お米10合でも一口だ!味わえねぇ!


腹ふくれねぇ!……マトモなご飯 


あーまず買い物出来ないかー。


『……何か違う心配しとらんか?』


って


『……誰だ?』


さっきから喋りかけて来るのは?


あ、赤と青の光る虫が周りに飛んでるけど声を出してるのは此れ?……新しく出たあの時の変な虫。ついてきてたのか。


あの鏡で一緒に飛ばされた?…


『…………我々か……我々は……むぅ』


何で口ごもる


『隠す理由でもあるのか?』


『いえ!…そう言う訳ではありません…私達は炎と水の聖霊王です。』


聖霊王?そう言えばそんな話があったけ……うん?

いや、それ以前に普通に考えて……


『……敵か』


うん何か当たり前に話してるの可笑しかった。

この世界に飛ばした仲間だろうしあの魔方陣とかどう考えても敵対視されてたしな?


『そ、それは!?』

『え、えっと!あ!それより不味いですよ!人間が騒いでますし此のままだと貴方は攻撃されるんじゃ……ノーダメデショウガ』

『あ、ああそうだ!……キクトハオモエンガ……攻撃されては危険ではないか!』


何か誤魔化してない?まぁ後回しで良い。


攻撃か。攻撃ね。…現代に現れた竜。


危険生物として排除とか?…この世界でもファンタジー世界みたいに理不尽に攻撃されるか?


考えると……あー現代でもこの身体だと攻撃される可能性高いよな。態々敵対するつもりは無いけど巨大生物なんて問答無用で攻撃されそうだな。街中に降りた熊とかみたいに……


もし仮に攻撃され無くて友好的な場合の竜とかどんな扱い?……動物園の動物みたいな見世物か……実験動物扱い待ったなしな可能性も有るな。睡眠薬とか飲まされて生きたまま解体とかされて、各部位ごとにホルマリル漬けで研究様に売りに出されそう…うん…まだ普通に攻撃される方がマシダワ!


と言うわけで攻撃、攻撃じゃない関わらず人は危険か。


危険なぁ。


はぁ折角元の世界なのに人は敵対的な可能性高いのかぁ。

……まぁしょうがないとして脅威としてはどの程度だ?


人口の規模から言ってあのファンタジー世界より更に過激に攻撃されるか?現代だとどんな攻撃されるんだ?魔法じゃなくて兵器だよな。戦車砲とかミサイルとかの兵器?…ミサイルはギリギリ耐えれるか?あ、けど…某怪獣映画に出てきたドリル式のとか……うわぁ皮膚があれでも貫通するかも知れない。


ドリルで掘って内部で爆破とか鬼畜仕様……他にも化学兵器とかで……あれ?本気でヤバイ?、


……耐久度とか実地で試したくないし……ヨシッ!逃げるか!


あーけどこの巨体だと地上の何処に逃げても直ぐに発見されそう。なら追撃されない地上以外の場所に行けば良いか。


『……宇宙にでる』


そう言えば宇宙に何れぐらい居れるだろ?前は三日は平気だったけど……


『『ダメ!?』』


青と赤の聖霊王とか言う虫が眼の前でブンブンと飛び出した。ハエが飛んでるみたいで大変イラッとくる。一応敵か味方か保留中だから攻撃しないけど


『……なんだ』


『いや!宇宙って空の上の事ですよね!?私達死んじゃいます!』

『そ、そうだ!死ぬ!死んでしまう!』


うん?何でだ?宇宙で生存出来ないならそもそも残れば良いじゃないか?別にこの二匹を宇宙に連れてく何て言ってない?


『……来なければ良い』


一緒に行動する必要なんて無いだろ。


『我々はあの封印術でお前に縛られて居るんだ!離れられないんだ!』


フーン、封印しようとして縛られた……良し宇宙に行こう。


『何で羽広げてるんですか!?』

『我々が死ぬと伝えたよな!?』


何この酷いみたいな反応?


『……いや何故封印しようとした相手を気遣わなければいけない?』

『『うっ!』』


可愛い女の子ならともかく相手は光る虫だしね。


『ま、まぁ待て落ち着け?お、お前と対話出来るのは我々だけだぞ。知らない世界で対話出来る相談相手を失うのは不味いだろう?』


いや、知ってる世界…あ…知ってても人間とは対話出来無いじゃないか!!

 

『……むぅ』

『そうですよ?対話相手が居ないのは寂しいですよ!』


……千年間対話相手なんて居なかったんですがね?そうですか寂しいですか!…………はぁイライラする声でも相談相手かー。


……まぁ目覚めも悪いし……宇宙行くのは止めるとして……


『……このまま此所に居れば人に攻撃されると思うが?』

 

此所は何れぐらい安全だろうか?


ミサイルとかの攻撃準備って何れぐらいの時間掛かるだろ?

……市街地だからミサイル攻撃は来ないか?けどこの身体はミサイルとか大規模攻撃以外には大して意味もない巨体だよな?

そうなると脅威になる攻撃は周辺の避難が終了してからとして、今の所騒ぎらしき音は聞こえるけど避難勧告の放送は聞こえて来ないしまだ余裕は有るか?


いや、前世で軍事に詳しいわけじゃないし……別の手段もあるのか?


『それはえーっと……あなたの大きさだと……逃げ場とか有りませんよね』

『(不味いな。確かに何れ攻撃はされるだろう。倒してくれるならそれはいいが、この世界の武力はコイツに効くのか?いや星ごと潰しかねない攻撃でも効かないコイツには…無駄か)』


何か考えてるな頑張って考えて欲しいね。

……今の自分だと力業しか解決方法考えられないしね。


我慢できたら良いけど……さっきまで悲鳴が聞こえてたのにな?

なんだ?……歓声?


『……何か来たな』


なんだアレ?…いや、ホント…なんだあれ!?


…ファンタジー世界から抜けた筈なのにまたファンタジーなモノが出てきたな。


空飛ぶ亀?  



亀から



奇抜なファッションの空飛ぶ少年少女。


……変身ヒーローに魔法少女。


『『うわぁアレは……』』


赤いのと青いの何か知ってるみたいだな。なんだ?関わってる?

あの世界とこの世界って関わってたのか?



「怪獣め!町は破壊させないぞ!!」


うっさいボケ

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