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大きな引き籠り

色々変わってます

人は現状に満足しない。


人は何処までも貪欲。身分地位問わず人は其々より豊かにより幸せに為るために高みを目指す。


奴隷なら自由を目指し、


平民なら豊かな生活の為の糧を求め、


貴族なら見栄の為の権力、


そして王なら自国の為の力を、例えば…………自国が支配する為に他者の縄張り(土地)を狙う。多量の血が流れ命が消える事が判っていても国の為という題目を盾に奪う為に争いあう。


このメルソデル大陸には幾つもの国がある。


国が複数あれば争いも生まれる。国同士が自国の利益の為に互いに領地を巡り争いあう。メルソデル大陸の長い歴史の中で大小幾重にも争いを起こり、幾つもの国が生まれ……生まれた国の数と同数の国が今まで滅びた。

そんな争いが絶えないメルソデル大陸の東部、海に面して突き出た形の土地には、高いマナの力が溢れ貴重な植物が取れる森、海へと流れる広大な運河、列なる山々から取れる高品質な鉱石、豊富な資源、人種にとっては宝の山と呼べる土地が存在した……


……したが……


この東部の特に豊かな広大な場所を殆どの国が自分の領地だと主張しない。恵み豊かな土地を自分達の、自国のモノとしない。それはまるで飢えた野性の獣が無防備な獲物を食べない様なモノだ。何故他の領地を巡って争うのにどの国も狙わないか?

理由はその東部にある荒れ果てた山脈に存在する危険……貪欲な筈の飢えた獣達でさえ避ける何かのせいだ。


軍事国家と呼ばれる強国も未開の地に夢を見る勇敢な冒険者でも知性に乏しい魔物でも踏み入まない。いや踏み込む者は居るが……それは自殺と変わらない行為であり…国を滅ぼす行為でもあると信じられている。  

避けられる東部の一角……一見平和に見えるこの土地は…周辺国から魔王の軍勢の主力が存在する場所と同等の第一級危険地帯認定されている。認定の理由はただ一つ……この山に千年以上も昔から生息するある生き物の存在、全ての種族相手に戦いを挑める戦力が有るとされる魔王軍と同格の認定を受けた生き物。この生き物こそが豊かな土地を諦める理由。


何故其処までその生き物は恐れられたのか。


理由は……この生き物と敵対した者達の末路。


敵対したのは大きく分けて3種の敵が存在する。


一つ目は当然だが土地を狙う者、二つ目は生き物を倒し名を上げ様とする者、そして最後はこの生き物に恐怖した者。

……倒し豊かな土地を自国のモノとする自国の力を過信した軍隊。自身の強さを生き物を倒し証明しようとした強者。様々な思惑、使命を携えた者が今まで挑んだ。

個人、集団、人間、亜人、魔物、魔族、種族、軍隊問わず過去を見れば一部の種族を除き、メルソデル大陸全土、十種以上の種族が生物の討伐に山に乗り込んだ。

その数……討伐に入った数はこの千年で無数の其こそ……数百、数千万、大国の兵士の数より多く討伐にやって来た世界の強者達、中には勇者や魔王も居たと言われている。


だが、今も生存する生き物の存在が討伐の結果を見せている。


全ての強者、種族が目的を達せず果て……山脈の奥深くに入った者の中で未だに目的を達した者は居ない。最強となる野望を抱えた者も、誇りと使命を帯びた騎士達も、伝説に詠われる怪物、化物と呼ばれた存在も、皆等しく大地に与える肥やしとなっていた。

山脈に辿り着いた数多の強者全てを破壊しつくした生き物、いや化物。かつて天に輝く星さえもを消した星壊しの化物。

魔王を倒した勇者、英雄が怖れ神をも世界をも殺すと証した本物の化け物。


化物が住み着く山脈の名称は…………恐れと畏れを込められ……ルイン(破滅)の寝床そう呼ばれている。そう呼ばれるだけの被害を出した頃には……国に禍をもたらす触れ得ざる禁忌の土地として、まるで元から土地が存在しないかの様に放置される事となった。


ルインの寝床、山脈の奥深く、高熱の丸い何かにくり貫かれた山、亀裂が入った山に囲まれたボロボロな山脈、戦略兵器が使われた戦場痕の様な傷跡がある広大な山脈。規則的に響く…ゴォオ、ゴォオと空気が吹き荒む暴風の様な風の音。音の発信場所……其所は山脈の中央にある不自然な更地。更地の中に…巨大な…黒い巨大な何かが居る。…巨大な何かはその身から生える巨大な蝙蝠の様な赤黒い羽で身を包み今は寝ている。


ゴオオオ、ゴオオオ


巨大な生き物が聞こえる寝息。これが山脈に響く暴風の正体、一つの生物の寝息が山脈中に響く爆音となっている。羽に包まれ寝てる体勢は少し鳥を思わせるが……寝てる存在は鳥の可愛いらしさと無縁な塊。


身体を守る皮膚は黒曜石に似た体色。


黒き皮膚の上には鎧の様な赤黒い鱗。


胸元の皮膚表面には模様にも見える走る黄色く光、太陽の線。


爬虫類の様な造形の頭にある口はワニの様な巨大な口、口から覗くのは巨大で鋭い牙。


頭部に生えた角は王者の証の王冠に見える黄金の角。


寝てる姿は何処かのラスボスか裏ボスの眠りにしか見えない全てが巨大な……竜型の怪獣。



時刻は昼頃、寝ていた竜の瞼が何の前触れもなくパチッと開き、黄金に輝く瞳が現れた。巨大な物体、竜が起き上がると竜が起き上がるだけで下の地面が砕ける。起きた竜は猫が寝起きで伸びをする様に幅二百メートルは有る黒い蝙蝠の様な羽を広げる。ただ其れだけの寝起きの動作の風圧で土ごと大きな岩や木々が飛んだ。ルインの寝床の主の目覚め。ルインの竜の目覚め……


…と仰々しく言わなければ3度寝してようやく活動する気になった怠惰な竜の寝起き。



目覚めの第一声。


あーぁ、今日もいい天気……眩しいわボケぇ!


目覚めの気持ちよさを言葉としてだす。勿論人語ではない。人の耳には『グキャオオオオオオ!!!』っという咆哮にしかきこえ……いや人間には聞こえないだろう。鼓膜が破れて……いや肉体が砕けて?


[スドグオンン!!ドガラシャン!!!!!!!]……


目覚めのアクビ(咆哮)。咆哮と共に放出されたミサイル以上の破壊力を持った衝撃波、元からボロボロだった回りの高い山が崩れてしまった。ただのアクビでさえテロ並の環境破壊。


『あ…あー、少し大声出し過ぎた?[ガラガラ]ぁまた山が崩れた』


景観に"また"致命傷を与えながら爽やかな目覚めを迎えた凶悪顔の竜は、『グオグオ』啼きながら立派な黄金の角が生えた頭を掻き……周りを見回す。


ふぅ………住み処の山脈も侘しくなってきたかな。崩れてない山も唯の禿げ山。前はフサフサ、もとい自然豊かだったのにねー……あれ?それって何百年前だっけ?


…まぁ…とにかく自分の住む場所なんでそれなりに大事にしてたんだけどね。寝起きだけでボロボロ過ぎ…あ、…チョコッと攻撃もしてるけどね?

 

ルインがチョコッと言っているのは…未だにたまに来る魔物やら近隣諸国が派遣した完全武装の軍隊からの侵略、数が多い侵入者に対しての迎撃手段…ゴ○ラ級の火炎放射の事だ。


その時の光景を表現するならこうだろう…アリにミサイル…


あれってやり過ぎかな?いやーけど人の軍隊って逃げない蟻の群れが、ワラァって来る感じで向かって来て気持ち悪いんだよねー。他に倒す手段が踏み潰すぐらいだし潰すのもイヤだからガァ!っとやって一気にやるしか無いんだよね。


ほんの少しだけ責任転嫁の自覚があったルインは溜め息をつきながら周りを見回し、焼け焦げた山の岩壁に黄色い花を見つけた。


あ、彼処、もう新しく花が咲てる。うん?あの花は毎年春ポイ季節に咲く花?……春?あの花が咲くという事はもう春……春ねー。この"世界"に産まれたのも春だったようような?あれから結構経ったねー。……あの頃かー


ルインは新たな春の訪れに1000年以上前の事を思い出す。

…記憶に思い出す。


自然豊かな山。


一面の花畑。


遊ぶ動物たち


昔懐かしの綺麗な光景。


そんな綺麗だった景観を一面の焼け野原にする自分。


一部の若気の至りな思い出は記憶からシャットアウトして思い出に浸る。


思えばあれからだいぶ経った………うん?


…そういえば年にすれば何れぐらい生きたっけ?春を体験したの何回目だっけ?春はえー最低でも…………最低でも…1000回……と…200回ぐらい?大体1200回ぐらい。もう産まれてからもう1200年かー。1200か?多分きっと、

産まれてからもう1000年以上か、もうそんなに経つかー。結構年寄りだね。……けど1200年って言っても産まれてからまだ数年前位の感覚何だけどなー。これは竜の感覚なのかね?…"人間"だった頃の感覚はもう無い?人間だと歳いってても百歳で終わりそれの10倍が数年感覚なら……人間の感覚とかはもうないかな。

1200年ね。


…人間から竜になってからもうそんなに経ったかー。


懐かしい人間だったあの頃か。あの人間だった頃を思い出すと今の自分を夢だと思うな。ファンタジーの竜なのもそうだけど……あまりの自分のオーバー戦力ぷりにね。


攻撃力!ワンパンチで底が見えない地割れを作る、指先一つでダウンさを魔王相手でも実践出来そうな圧倒的な攻撃力。

(周りの景観の被害の大半)


防御力!自然な落雷に打たれても痛みなし。極寒で滞在しても凍らない、マグマの中で何時間居ても焦げ跡すら付かない、大気圏突入も平気、空から降ってきたアルマゲ○ン的な隕石がぶつかっても無傷。材質不明なとんでも防御力。

(けどぶつかる時には目を瞑る)


飛行能力!羽ばたけば成層圏を軽々突発、オマケに宇宙でも何故か普通に飛べる超高性能な羽。お空の星まで数分足らずで行けるアホな機動力。

(飛び出た星を見失い迷子になる)


活動範囲!宇宙、海の底、マグマの中、気温、無酸素、高水圧、高重力、環境なにそれ?な自由自在。某白い悪魔より上な汎用性。(宇宙で数日間滞在)


必殺口から謎閃光!口から出る極太レーザー。打つと地面は蒸発、地平線が何処までも続く。上に射てば星が消えちゃうぜ。散弾型にも可能、世界一人で滅ぼせそうな破壊力!

(星破壊は実話)


食事!食べれるけど食べなくても平気という謎生命力!

(現在絶食二百年目)


体長!最低百メートルは有りそう。スーパーなロボット達が戦う世界でも十分通用するとんでもサイズ!

(未だに成長中)


見た目!手足長い人形に近い竜?

(某アレじゃないよ!)


尻尾!機嫌に合わせて動きます。苛立つと地面叩いて隕石墜ちたみたいなクレーター作ります。

(素敵チャームポイント!)


この他にもとんでも魔法的な能力?ある意味此が一番ありえない!神様クラス?(コントロール出来てはいない)


こんな不思議最強生物っぽいのがのが自分だって認めれるかね?

元人間が?まあ、認めても認めなくても生活変わらないんで今さらどうでも良いですがねー。


そう思いルインはやる気無さそうにゴロンと寝転がる。そんな無邪気な仕草に……局地的に震度7レベルの地震が起きる。


それにしても……最近ほんとー……退屈!此処に居るのいい加減飽きてきたー。やることと言ったらたまに来る変なの追い返すぐらいだからね。……それが何百年もだよ。流石に竜の時間感覚でも退屈過ぎる!

ゴロゴロするのも飽きたー。あー、そういえば引き籠ってからもうどれぐらい?確か最後に外に出たのは…えー数ヵ月、いやいや…二百年位前だっけ?考えると凄い長い事この山から出てないな。


……まるで人間だった頃の様な……ぁ……人間だった頃?


ルインは思い出で掘り起こしたばかりの人間だった頃の引きこもり時代を思いだし、現在の生活がダメ人間、いやダメ怪獣な気がして少し落ち着きがくなった。ニート……引き籠り…え、竜になってもあれな生活。

……う…さらに思い出すと外出自体が千年で百回以内ぐらい十年に1度、いや二百年前から外出止めたからそれ以上。うう、人間だった頃より酷い引き籠りだ。いやだって、外出は何か毎回トラブルになるんだよ。


攻撃されたり、攻撃されたり、お城みたいなモノにぶつかったり、攻撃されたり、攻撃されたり、攻撃されたり、大砲?みたいなのにぶつかったりあーーー、トラブルと言うよりたまのウッカリと襲撃かな。襲撃かー。最後に出掛けた外出でも有ったな。 


あの時は……空の散歩で世界を回って、其から海の底で海水浴、宇宙で遊泳、最後に帰ろうと地上近くをブラブラと飛んでたら、突然光る玉で攻撃されて、……あの時は驚いた。いや光る玉の攻撃は眩しい位で痛くないしどうでも良かったんよ。


問題の襲撃はこのあと。眩しくて視界がチカチカして一旦降りると……信じられない数の人間が百万単位でワラワラ来る!…岩の裏にビッシリ付いた虫を見た見たいに恐気が走るね!


あの時は新聞で黒い害虫叩くみたいに火炎を何度か吐いてすぐに本気で逃げたね。何であんな人が居たんだか知らないけど後に残るトラウマで、あれから唯でさえ少なかった遠くへの外出を完全に止めたんだよね。あれからもう二百年……


ルインは指先程の石を持ち上げポイと投げた。


ズゴオオオオン!!!


百メートルの怪獣から見て小石サイズなだけで実際は家並みの岩石。山の一部と運悪く来ていた何かにぶつかり粉々に成る。


そ!そろそろトラウマも薄くなったし久し振りに外に行くかな!

…あー…けど以前まで毎回毎回のトラブルだよね。今度もこの前の外出中みたいに攻撃されるとね。…うー危ないんだよね。大抵無視するけどあんまり面倒だとやっちゃうんだよね。またやり過ぎちゃうかも知れないんだよね。愛される怪獣目指してるし人に被害とか出したくないんだよね。

そろそろ引き籠りはそろそろ脱却したい!何処かで引き籠り怪獣何て呼ばれてるかもしれないしね!


言われない。巨大生物は普通引き籠って要るものだと思われている。引き籠ってろと言われる。被害は……まぁ攻撃してくる相手に気遣いとか可笑しいか。ウッカリ物を壊さない事だけ気を付けよう。取り合え山の外の風景を久し振りに見ますか。


そんなお散歩感覚で怪獣はのっそりと起き上がり歩き出す。


ズシン!!ズシン!!


あー相変わらず歩くごとに地面が陥没してる。某怪獣の王様と同じ状態かな。羽で飛んでも良いけど久し振りの外出だし、運動がてら歩きたい。それに……被害で言えば空飛ぶと衝撃波で大変な事になるしね。さて、もうすぐ山脈の外だけど其処からどの方向に行こうかな?久しぶりだし気の向くまま歩こうか。其が散歩の醍醐味!さぁ!山脈の外!引き籠り脱却目指して頑張ろうか!


引き籠り歴二百年、御歳1200歳は住み処の外にお散歩に出かける。この気紛れで出掛けたお散歩で、とんでもない所に飛ばされるとルインの竜は知る由もない。




ーーー


とある冒険者の冒険記一節






数々の冒険をしてきた私は思う。


最強とは何だろうか?やはり強い事だろうか?誰にも負けない事だろうか?最強の存在この言葉を聞くと何時もこの何れかの存在があがる。


先ず始めに思い付くのはこの世ミリガルアの全てを創り出した創造神アルワーンだろう。

次に唯一神の創造外、ミリガルアの、世界の外から来る魔の存在魔神族、その全てを統べる魔邪神ネフィント。


ただ神は世界に姿を表さない。見えないモノを最強と呼ぶのは少し可笑しいきもする。なら神に次いでこの世界に見える最強、それは…


創造神アルワーンが祝福する人類最強の称号、

勇者に選ばれた者。


邪神ネフィントが選定する魔族最強の称号、

魔王と呼ばれる者。


二つの神に選ばれし者だろう


神、神に選ばれた存在、最強とはこの二者の何れかとミリガルア万年の歴史で語られていた。ただ人間の歴史では800年前に例外が現れた。神と勇者、魔王を除いた最強。


それは竜種の一頭。


竜とは魔に属する魔竜、神に属する神獣どちらかと分類される。強さは魔物の中では断トツで最強だろう。ただ竜は例え町一つ滅ぼす強力な個体でも勇者に討伐されるか、魔王の配下になるモノと認識されている。強者でも最強とは呼べない存在だ。いや、だった………過去形だ。その理由は……ただ一匹の竜。


ルインの竜ゼルラークス。


竜としては歴史が浅い人の歴史には800年程前に確認された若者に分類される竜。巣から離れた活動の記録はたった二度。

そうたった2度、その二度で人からはルインの竜の称号を得、人の軍勢、魔の軍勢、そして神々の眷族を打ち倒し最強の1角であると伝説を築いた。

ルインの竜が歴史上、初めて目撃されたのは800年前。今は滅びたリグリア王国の記録では突如人間が住む生存権にルインの竜は侵入、そしてルインの竜は数日でリグリア領土を通り過ぎたとされている。リグリアの人々は大きなパニックに陥り、幾つかの町の機能が麻痺し無人の町が幾つも出来、リグリアの混乱は半世紀続いたと記されている。

大袈裟過ぎないだろうかと疑問に思うだろう。そう竜種の人間の生存権への飛来は何度もあったがこんな混乱はあり得ない。だが目撃されたルインの竜の恐ろしいサイズを見れば人がそれ程までに恐怖するのは当然だろう。今まで目撃された竜種の中で最大の大きさは凡そ40メートル……これでも伝説に分類される竜だ。

なのに800年前に目撃されたルインの竜のサイズは…倍以上…100メートルに届くほど、人には山が飛んでいると見えてしまう。そして巨体だけが恐怖ではない。ルインの竜の歩みに大地は沈む。ルインの竜の咆哮に夜空に浮かぶ星は姿を消す、ルインの竜の羽ばたきに森が大地が消える。


伝承ではルインの竜が人間の領地に居たのは僅か数日だけ、だけどだ……その爪痕は現在も残って居る。これが一度目のルインの竜の恐怖を世界に知らしめた襲来。


二度目は此方が一番有名だろう。


バルゼフガの決戦、数百年前にバルゼフガで起きた全ての種族が集った戦争、集まった数は百万近くメルソデル大陸史で最も大規模な戦争この決戦で最も数が多い人類軍が勝つ寸前だったがルインの竜襲来で決着が付くことは無かった。


最終的にルインの竜が立ち去ったとされてるがどうしてかは、これは各種族に伝承があり曖昧な部分だ。筆者は人族のモノが最も正しいと思っている。

人族の伝承、侵入したルインの竜は人類の軍と当時人類最強の勇者からの命を掛けた攻撃で何とか傷を負せ、ルインの竜の追い出しに成功したとされている。そして追い出されたルインの竜は何処かの辺境の山で、人類と勇者に付けられた傷の回復を待っていると言い伝えられている。 ただ先に書いた通り人類以外の説もあるのだ。


ある種族の伝承だと撃退したのは自分達、ある種族の伝承ではルインの竜は全ての種族が団結して撃退した。ある種族の伝承では単にルインの竜が興味を持たず立ち去ったとされている。ある種族の伝承では邪悪な人類の勝利を阻止する為に飛来し目的を達し立ち去った。そんな馬鹿げた伝承もある。


……人類はルインの竜ゼルラークスに勝ったのか。私はどうしても知りたい。


私はこの日記を書き終えれば伝承にあるルインの竜が巣食う東部に向かうつもりだ。真実か間違って要るか本当か書くつもりだ。

だがこれを読んでるかた。もしこの本が出版される様な時にどちらの答えもなく本が終われば…………私は命を落としたという事だろう。いや、此れでもAAランクの冒険者だ弱気はいけないだろう。噂に有るのはメルソデル大陸東部にある山脈の一角、其処にルインの竜が居ると噂されている。筆者は其処に行く。出来れば最後まで書き終えたい。



遺作、冒険者ハバベレー・ブランドリオ』


人族の冒険者が人族の歴史を中心に書いたルインの竜の歴史。

……因みにハバベレーなるAAランクの冒険者がギルドに在籍した痕跡は無い。




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