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少女の出会い

神精霊世界(ファイニア)の神々によって創られた、とある異世界、アルストス。



その中で神話と深い関わりのある街、アルトリディア。


アルトリディアには数多くの神殿があり、ファイニアの神々を祀っている。



…ただし、("神もどき"だからなのか)何故か「セクト=ハルセノント」の神殿や神話はない。←


まあ、そんな不憫な彼の話はさておき。←


先程まで私が読んでいた本には「輪廻の神=死神」となっている。



理由はわからない。"リーディア"の能力で伝わってきたのは、恐怖。



多分、人は「死」を恐れているから。


でも何時か、転生…つまり生まれ変われることが出来る。



それでも、「怖いものは怖い。」きっとそういう気持ちもあるのだろう。





…ひょっとしたら、私が輪廻を視ることが出来ることから、「死期を知っている?=死神?」となったのかもしれない。




「……ふぅ。セクト、頼みがあるのですが…」


私がそう言うと、セクトはキョトンとした表情をしていた。









































――アルトリディアの街




夕暮れ時、遠くに見える神殿をぼんやり眺めていた。


「輪廻の神様かあ……」



あの昔ばなしを聞いた時、私は怖くてなかなか寝付けなかった。



だって…―――






私のお父さんとお母さんが病気で亡くなったのは、輪廻の神様の怒りを買ってしまったからだって。


誰もがそう言っていた。



だから、両親が亡くなった日、神殿には大量の本が納められた。


勿論、私の家からも本を出した。


正確には、「強制的に」だけれども。


いきなり家に大人達がやって来て、家にあった本という本を殆ど持っていかれてしまった。


思い出の本や両親が大切にしていた本……何もかも。



いくつか隠していた分だけが残った。それ以外は全て、持っていかれてしまった。



病弱な姉さんが珍しく怒って言っていた。あの大人達の行動は身勝手にも見えた、と。



そして、「私はそんな神様、いないと思うわ。」と言った。



私もそうだと思った。全ての神様が優しいとは限らないかもしれないけれど、街の人達が思っている程ではないと思う。



だから、私は「神様」がいないと思うんだ。



特に、「輪廻の神様」だけは。



もし、いるのならば…どうして、私の両親を助けてくれなかったの?と言いたい。



そして、お父さんとお母さんを…返してもらいたい。



色々考えていると、空には夕闇が広がり始めていた。



そろそろ戻らないと、院長先生に怒られてしまう。



両親が亡くなった後は、孤児院で暮らしていて、門限があるから早く戻らないと。



そう思いながら、孤児院に向かって走り出そうとした時



「あの、少しいいでしょうか?」



後ろから声をかけられ、振り返ると夕日色の青年が立っていた。

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