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入団試験?~case2サツキさんとヘルメスさんの場合、序~

今回も捏造設定満載でお送りします。尚、今回のエピソードは無駄に長くなる可能性大でございます。


2014年5月9日加筆修正

特別遊撃手亜倶弐→エンクルマに変更

森呪遣ドルイドい><妖術師ソーサラー><守護戦士ガーディアン><暗殺者アサシン><盗剣士スワッシュバックラー>×2の明らかに見た目に職業の分かるベタな装備で女性のみ、LVは全員85前後の6人パーティーがコレまた女性二人組を囲んでいる。


「毎回毎回ご苦労なことで・・・流石にログインする度にPKは萎えるなぁ・・・、ねぇサツキ?」


「全くですわ・・・さ・・・じゃなかった!ヘルメス、ここは日本サーバーですよね?」


 ナゴヤ闘技場近郊、狐尾族の女性アバターと法儀族の女性アバターが溜め息を付くようなエモーションをする。口振りから察するに囲まれるのは1度や2度の事ではないようだ。


「ねぇ、<WTS02>だっけ?あんたら?私らに何か恨みでも?つーかさぁ~。何時も無言だけど、テキストチャットも知らないのかな?」


 ヘルメスと呼ばれた<吟遊詩人バード>詰め襟蛇腹の海軍軍服風の上着にスリットが際どい所まで入ったロングタイトスカートに余りにも不釣り合いな『某未来の世界の猫型ロボの出てくるアニメのヒロイン』のような髪型に眼鏡の狐尾族のアバターが間延びした声で質問するが毎回の如く無視される。そしてこの後に起こる事態も毎回の事なので中の人はモニターの前でゲンナリしてその場に諦めて突っ伏した。


「貴女方は毎回毎回飽きもせず、私達にPKを仕掛ける理由をいい加減、教えていただけませんか?」


 サツキと呼ばれた<付与術師エンチャンター>古めかしいデザインの外套にセーラー服にプリーツスカート、膝まである編み上げのブーツに銀髪ウェーブのロングヘアを後ろで束ねた、顔に法儀族を表す刺青のあるアバターが声を荒げる訳でもなく淡々と質問をするが、やはりこの後の展開がワンパターンなのを理解しているので中の人はモニターの前で憮然とした表情だ。


((これは帰還呪文コール・オブ・ホームで一旦アキバに退散しますか・・・))


帰還呪文コール・オブ・ホーム


抵抗する事が無駄だというのは先刻承知の2人は何の迷いもなくアキバに戻った。


「ちっ逃げやがったあの女共・・・。」


 彼女たちが去った後に女<守護戦士>のアバターから男性の野太い声が発せられる。






■ ■ ■




「~んで、儂ゃこの秘宝級アイテム『人外無骨』ば手に入れたっちゃんね~。」


<黒剣騎士団>古参メンバー<武士>エンクルマ。恒例の愛用槍『人外無骨』の自慢話、本人曰く自分のギルドでの活躍はこの秘宝級アイテムを手に入れた時だけで後は他のメンバーに劣るとの事で、事あるごとに古参、新人に関らず暇な人間を捕まえてはこの話をする。捕まって耳蛸なメンバーも彼の『馬鹿ではあるが憎めない性格』と愛嬌のある九州弁(本人曰く博多弁混じりの筑豊弁)に負けてついつい大人しく聞いてしまう・・・約2名ばかりを除いて・・・。


「お前のそれは聞き飽きたよ・・・大体、お前さんは自分を卑下し過ぎなんだ。」


「ウッドストックの云う通りだね、あんたはもっとたくさん活躍してるじゃないか。」


 その約2名、<黒剣騎士団>の常識人その2、ウッドストック=Wと『チープスリルジャンキー』伊庭八郎。<黒剣騎士団>でも割と古株で数々の大規模戦闘レイドを潜る抜けてきた猛者なのだが自身を過小評価するエンクルマに毎回恒例のお説教タイムが始まる。


「あ~もう!しゃあしいのが2人居るの忘れちょったばい・・・。」


 アバターに肩を竦めるようなエモーションをさせるエンクルマ、しかし、彼らのお説教が嫌いな訳ではない。寧ろ、毎回飽きもせずに自分の悪い所と良い所を指摘してくれるこの2人のお陰で『自分』と『エンクルマ』の良い所、悪い所を再認識して次の大規模戦闘に活かせるからだ。(と云っても本人は自他共に認める<黒剣騎士団>随一のお馬鹿さんなので説教の半分くらいしか理解出来てないのだが・・・)


「八姐にウッドストックさん良いじゃないですか?私もわんこもエンクルマさんの話(寧ろ話し方)面白くて好きですよ?」


「あっ馬鹿!俺に振るなよ義盛っ!」


 今回の被害者?義盛がエンクルマへの助け舟を出したがもう1人の被害者?昨日のわんこは急に話を振られてしどろもどろだ。


「ヨシは良か奴やの~!それに引換えわんこ!貴様キサンは儂ンこつ好かんとか?!そうか!そげんか!よー分かった!もう貴様キサンと口ゃ利かんけんね!」


 本人は冗談で云ってるつもりなのだろうが、わんこにとっては冗談には聞こえなかったらしく、しどろもどろに拍手が掛かる。


「いっイヤ・・・!俺そんなつもりじゃ・・・。エンクルマの兄貴!すいません!」


「嘘たい、冗談たい、お前もレザリックやウッドストックと一緒でシャレの分からんやつやねぇ~。」


 さも面白げに笑い出すエンクルマ、それを観てすかさずツッコミ用『ハリセン』で頭を叩く八郎。


  『スパーンッ!』


「エ・ン・ク・ル・マァ~!古株がその手の冗談は止めれ!そんなだから新人が怖がって辞めるんだ!ちっとは自重しなさいよ!」


 先日の一件もあり、少し神経質気味になっているのか八郎は怒気の込った言い方になるが、それをモノともせず。


「姐やん、『自重』ちゃなんね?」



「「「「・・・。」」」」


「GoogleさんかYahoo!さんにでもお伺いたててよ・・・。」


 流石の八郎もエンクルマの天然にはかなわないらしい・・・。


「しかしなんだ、ここの所、大規模戦闘レイドだ、入団試験だ、新人戦闘訓練だと慌ただしいかったが、やっと少し落ち着いたか?」


「そうだね~。アイザック達はまだ発見されてない大規模戦闘レイドコンテンツが在るんじゃないかって手分けして散策してるみたいだけど・・・概ね落ち着いたかな?」


「あ~大将達がらんのはそれでね。そうね。そげんこつね。」


珍しく穏やかに1日が過ぎようとしていた。義盛に『念話』が入るまでは・・・。


「すみません!皆さん、友達から連絡が入ったんでちょっと離脱しますがよろしいですか?」


 なんとなく緊張した口振りの義盛だったが、その場に居た連中は何時もの事だと気にも留めない。


「あ~良か!良か!行ってきんしゃい。どうせ儂も誰か誘って狩りば行こうち思いよったし。」


「だねぇ~。別に気にせず行っておいでぇ~。」


「義盛、もう少し気楽にしていいんだぞ?」


「友達って男だよな?女の子じゃねーよな?」


何時も通りの反応だ。



嵐の前の静けさと云うべきか・・・この後、義盛が厄介事を運んで来るとは義盛本人さえも知るよしもなかった・・・。


-キャラクター紹介-

エンクルマLV90メイン職<武士>サブ職<傾奇者>狐尾族/男

<黒剣騎士団>随一のお馬鹿さん、ドレッドヘアにド派手な着流し<武士>には珍しく両手槍を主力武器として使う。キャラ製作時に狼牙族と間違えて狐尾族を選択してしまったが、余り気にはしていない。武器に槍を選択したのは某傾奇者の戦国武将漫画の影響。本人は自分を過小評価しているが『黒剣の一番槍』『人外無骨』の2つ名持ち。中の人が九州北部某県出身の為、しゃべりが九州弁(本人曰わく博多弁混じりの筑豊弁)本名は『六車円むぐるま まどか』リアルではある程度名の通った美容師でお仕事では標準語で話す。ゲームやってる時はプライベートのため素で方言が出る。


アイテム紹介 1

『人外無骨』

秘宝級かなり特異な形状の槍、穂先が鋸刃のハサミのようになっており開閉可能。

高確率で相手に出血と回避低下のバッドステータスをもらたす、攻撃によるヘイト値上昇の補正あり。アイテム名の元ネタは“鬼武蔵”森長可の愛槍二代目和泉守兼定作『人間無骨』から。


アイテム紹介2

『ハリセン』

全く攻撃力のない、ダメージも与えられないジョークアイテム。ホームタウン内で使用しても衛兵は来ないが使うと『スパーン!』と爽快な音がする。12職全て装備可能アイテム。作中では八姐のツッコミ用必須アイテム。



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