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入団試験?~case2サツキさんとヘルメスさんの場合その9~

やっと・・・やっとゴールが・・・。色々ツッコミ処は多いですが見逃してください(血涙)

あとBGMは昭和ライダーOPEDでお楽しみください。

 闘技場中央に<黒剣騎士団>1パーティー(6人)と<猛虎七星流>ハーフレイド(12人)が揃う、スタンド席はヴィシャスの登場から某東映の特撮ヒーローOP、ED大合唱大会と化していた・・・。ヴィシャスのアバターはおもむろに両陣営の前に立つ。


「<猛虎七星流>のシタっぱノ皆さん幹部おばかちゃんのオイタに荷担シテ無いシトはろぐあうと推奨シマス。まー誰が荷担してたかはモウ調べツイテルケドナー、取り敢えず警告ナー。」


 無機質な電子音で警告を促すヴィシャス、しかし12人中、誰1人ログアウトをしない、暫く沈黙した後、ヴィシャスは言葉を続ける。


「観念シタノカナー、モウ別アカウントハ凍結サレテルシネ~。チミ達ノ悪行カラ何カラ全てワテクシガ掌握シテルノダYo!取リ敢エズ、ワテクシ達ニ勝ッタラ見逃シテやるガ負ケタラお前ら然ルベキ処デ反省ナ~。」


 ヴィシャスの言葉が終わったその瞬間、司会の八郎が戦闘開始を告げ、その後直ぐにあるキーワードを叫ぶ。


   「バルス!バルス!バルス!」


「「「ヒィ~!」」」」 


「「「「「耳が~!み…耳が~!」」」」」


「「「「なんだこりゃあ~!」」」」


 その瞬間、<猛虎七星流>のメンバーだけが絶叫する。(予め<猛虎七星流>意外の闘技場に居る全プレイヤーにはキーワードを叫んだらスピーカーをOFFにするよう根回しはしておいた。)それと同時に昨日のわんこ、エンクルマが敵陣に斬り込み、義盛の<剣の神呪>がヘルメスの<マエストロエコー>がサツキの移動阻害呪文が次々と<猛虎七星流>を襲う。


『皆さんヘッドホンやスピーカーをONして大丈夫ですよ(笑)』


 八郎のテキストチャットが画面に表示される、ヘッドホンやスピーカーをONにした全プレイヤーが大体事情を察するのにさほど時間は掛からなかった。


「いや~相変わらずシドの雑音爆弾ノイズボムはえげつないね・・・。」


「昔の偉い人が『悪漢どもに仏の慈悲は無用』って云ってるし、別に違法プログラムで自キャラをチートにしてる訳でもないし、まぁ雑音爆弾ノイズボム位なら奴らの悪行に比べたら可愛いもんでしょ?」


司会2人の云う処の『雑音爆弾ノイズボム』ヴィシャスの対人戦・・・・・・用の隠し玉でスピーカーから人間が一時的に行動不能になるような不快な雑音ノイズを流すというある意味反則技である。

 先制攻撃を許した<猛虎七星流>は連携も取れず蜘蛛の子を散らすように四散、辛うじて陣形を整えいるのはギルマスの桜花と幹部4人くらいのものである。逃げ惑うメンバーに狂ったように吼える桜花。


「数でこっちが有利なんだ!逃げずに陣形フォーメーション組んで戦え!愚図!」


 陣形フォーメーションを組めと云われてもシンベエを除く11人の<猛虎七星流>ギルメンは全て<武闘家>な上に『まともな』戦闘を経験していない。常に圧倒的数で数人を囲んでなぶるような戦闘しかして来てないのだ。しかも<黒剣騎士団>による有無を云わさぬ?(かなりインチキな)先制攻撃で戦意喪失しまともに戦える状態ではない。


「ケッ!馬鹿野郎が、前衛戦士職だけで陣形フォーメーション組んでどうすんだよ!それに幹部以外は『お座り』の急ごしらえだろ?八郎が云ってた意味がやっと判ったぜ!しかし、シドの奴こんな雑魚相手に『雑音爆弾ノイズボム』使うか?普通にやっても勝てるだろ?」

 

 八郎の言葉を思い出し、呆れ返って毒づくアイザック。 闘技場内での戦闘はもはやPVPではなく、一方的な<黒剣騎士団>による蹂躙である。


「何ね!歯応えが無かねまとめて掛かって来やい!」


手前てめえら掛かって来いよ!PVPなら俺達より強いんだろ?」


 戦意を挫かれた<猛虎七星流>メンバーを挑発するエンクルマとわんこ、自棄になり形振り構わず襲ってくる<猛虎七星流>


「雑魚ハ任セタYo!ワテクシハ自称“黒い3連敗”ノ皆サンっつけチャウzo!」


 戦闘開始からスケルトンと死神グリム・リーパーを召喚し暴れさせていたヴィシャスが自称“黒い3連星”を挑発する。


「「「“3連敗”じゃねえ!“3連星”だ!機械音野郎!!!」」」


安い挑発に乗り、鎧亜ガイア織琉帝我オルテガ魔蹴マッシュの3人がヴィシャスに向かって縦一列に突っ込んで来る、1人目を杖で殴るがファントムステップで回避され、2人目もファントムステップでヴィシャスの攻撃を回避。


「「「ジェットストリームア・・・」」」」


「遅エヨ・・・きゃすりんぐ・・・序デニですさいず!」


 <キャスリング>にて一瞬にしてヴィシャスとスケルトンの位置が入れ替わり、振り下ろされる鎌のエフェクトが魔蹴マッシュを襲う、不意打ちとサブ職<死霊使い>のボーナスで威力の上がった<デスサイズ>でHPはゼロになりあっけなく消える魔蹴マッシュ、間髪入れずに首なし騎士デュラハンを召喚し特技<グレイブヤードウォーク>を発動させ織琉帝我オルテガに集中攻撃を開始、なす術も無く死霊の餌食にされ消える織琉帝我オルテガ・・・。


「流石ニ『俺を踏み台にした?!』ハ云ッテクレナイカ・・・ッテ云ウカ、オ前ラ莫迦ダロウ?“黒い3連敗”ナンテ名乗ッテル時点デ、ヤルコトが予想出来ルと何故判ラン??」


 ヴィシャスの台詞に闘技場内は失笑の嵐だ。


 エンクルマ、わんこの奮闘?により雑魚は全て殲滅(サツキとヘルメスによる援護でかなりスムーズに事が運ばれていた。) 残る<猛虎七星流>はギルマスの桜花、サブのシンベエ、鎧亜ガイアの3人のみ。


「さて、形勢逆転ばってん、どげんするとね?まだやるとや?まぁ今から『ごめんなさい』しても結果はかわらんけど・・・」


「エンクルマの兄貴、義盛が1人サボってるから残りは義盛に任せるってのはどうです?」


「わんこ!人聞きの悪い事いわないでよ!最初から『そういう』作戦でしょ?後は私とサツキお嬢とヘルメスでケリ着けるって!」


 わんこのセリフに反論する義盛、彼女の云う通り此処までは作戦通りなのだが、相手がそれに乗るかはまた別の話である、彼等<猛虎七星流>がこのままこちらの作戦通り踊らなかった場合のプランも考えてはある・・・が!悲しいくらいに此方の作戦通り踊らされる<猛虎七星流> ・・・。


劣化回復職れっかヒーラーと、なんちゃって武器攻撃職に12職最弱不人気職の残念職3人で俺達に挑もうってか?お前ら馬鹿か?」


(馬鹿はお前らだ、今までの戦闘全く見てなかったの?×××なの?ど低脳なの?)

PCモニターを睨み付け、腹の中で毒づく義盛の中の人。お前たちが散々馬鹿にしている3職の真価も判らない癖に何故そんなに上から目線なのか?前衛戦士職はそんなに偉いのか?自分達の一連の悪行に罪悪感はないのかと?苛立つがこの手の連中には云うだけ無駄とも思う。

 自分達の我が儘を聞いて作戦を立案し、全てのお膳立てをしてくれたへそ曲がりな自称“大きなお友達”な2人と、情報収集や護衛に尽力してくれた先輩や同期のギルドメンバー、ぶつくさ云いつつ今回の件に少なからず協力?してくれたギルマスに感謝しつつ、改めてPCモニターを睨み付ける。


「その残念職に今から打ちのめされるのがあんた達<盲腸七味唐辛子>のバ幹部だ!今ならログアウトしてトンズラしたってかまわないよ?どうする?」


 声を張り上げワザとギルド名を間違え挑発する義盛、闘技場スタンド席からは所々笑いが漏れ伝わる、その笑い声に反応してか義盛の言葉に反応してかあからさまに声を荒げる<猛虎七星流>ギルマス桜花、かなり沸点が低いと見える。


劣化回復職れっかヒーラーが戦士職に勝てるとでも思ってやがるのか?<黒剣騎士団>程度のギルドに入ったくらいで強くなったと勘違いか?めでたい奴だ!」


 桜花の言葉に釣られ大笑いするシンベエと鎧亜ガイア、逆に桜花の馬鹿な台詞で水を打ったように静まり返る闘技場スタンド。ここに集まっているのは大半が戦闘系ないし生産系大手ギルドの面々だ、桜花かれらが嘲笑う残念職が高度な技術を必要とし、熟練のこの3職が如何に大規模戦闘レイドなどで重要かをスタンドに居る大半が熟知している。

 熟知しっているから嘲笑う彼等を哀れに思い沈黙している。


 司会進行の2人でさえ失笑すらしない。


 だが、勘違いした彼等はこの沈黙を自分達の言葉に同意したと思い更に調子に乗る。


「さぁこれからが我々の本領発揮だ!獅子は兎を狩るにも全力を尽くすと云うしな!」


 <ガイアビートヒーリング>、桜花達を緑の脈動するエフェクトが包み3人のHPが見る見る回復される。<猛虎七星流>館長ギルドマスター桜花、彼のサブ職は<僧兵> 戦士職用のマルチクラス系サブ職で戦士職の特技と交換に回復職の特技を得るサブ職だ。


劣化回復職れっかヒーラーはヨシ君とあちらのギルドマスター様とどちらかしら?」


「ん~♪そんなの判りきってるしぃ~♪」


 サツキとヘルメスが桜花を挑発しつつ義盛の後方へ下がり陣形フォーメーションを組む、距離を取り義盛を取り囲むような陣形フォーメーションを取る<猛虎七星流> の3人。


「取り敢えず、サポートは任せた!あの3馬鹿は私がぶっ飛ばす!」


 <雲雀の凶祓い>で一気に間合いを詰め自慢の大太刀を振り回し3人に攻撃、ヘルメスの援護歌<剣速のエチュード><猛攻のプレリュード>の効果、サツキの<キーンエッジ><アキュラシィサポート>の効果もありヒット・アンド・アウェイで確実に相手のHPを削る、この時点で同レベル帯の<神祇官>の攻撃力より勝るのだが更に<討伐の加護>サブ職<狂戦士>の特技<ルナティック・アーマー>を発動し先ず、鎧亜ガイアを斬り伏せる。

 HPゼロになった鎧亜ガイアはその場から消える、今更状況不利に気付いたのか、桜花とシンベエは散開して攻撃目標をサツキとヘルメスへと変更するがそれこそ術中にハマったも同然の状態だ、ヘルメスに襲い掛かったシンベエは<吟遊詩人>の必殺特技<アルペジオ>の餌食になりHPゼロ。

 サツキを狙った桜花は<ソーンバインドホステージ>の茨のエフェクトに絡め取られ<パルスブリット><キャストオンビート>による連射攻撃と義盛による追撃でHPを僅かに残すのみとなった上で<アストラルバインド>にて移動を制限される。

 

 ここで八郎から桜花に念話が入る。


『よう!○×市○○ー○○在住の○×○×○君、君達の悪行は既に露見して証拠と共に運営にも然るべき処にも通報してある。泣き言は然るべき処で云ってくれるかな?』


『な、なんで俺の住所や名前を・・・手前てめえ何しやがった!』


『べっつに~♪自分達でWeb上に顔写真や住所、氏名晒して、悪行自慢してたじゃん。ハッキングとか面倒くさい事しなくても、アンタらに関わるキーワードで検索かけたら出るわ出るわ・・・まぁ身から出た錆ってヤツだ。じゃあねえ~!』


 念話は一方的に切れた・・・。桜花のプレイヤーはPCモニターの前で呆然としていた、そして自分達の迂闊さを今更思い知った・・・時既に遅しとは云うが遅過ぎたのだ。


「義盛~!もうトドメ刺していいよ~♪」


 八郎の合図と共にサツキの<パルスブリット><キャストオンビート>の連射攻撃で消し炭の如く闘技場から消える桜花。

 

 スタンドからは歓声も野次も飛ばなかった。


「「せ~の!<猛虎七星流>桜花!死亡確認!勝者<黒剣騎士団>残念職3人組!」」


 司会2人のアドリブ、静まり返った闘技場が爆笑に包まれ、義盛、サツキ、ヘルメスに対して喝采と賞賛のコメントが飛びかう。



「「え~っと・・・<黒剣騎士団・・・・・・・・>の残念職3人組ってどういう事でしょう・・・。」」

かなりご都合主義に走りました。反省しきり・・・次の後始末回で『入団試験?~case2サツキさんとヘルメスさんの場合』シリーズも完結です。予想より遥かに時間が・・・(汗)


非常にどうでも良いお蔵入り設定。<猛虎七星流>幹部のサブ職その他。

ギルマス:桜花/猫人族/武闘家/僧兵/男

幹部:自称“黒い三連星”

鎧亜ガイア/狼牙族/武闘家/拳術師/男

織琉帝我オルテガ/狼牙族/武闘家/柔術師/男

魔蹴マッシュ/狼牙族/武闘家/蹴術師/男

サブギルマス:シンベエ/ドワーフ/武士/人斬り/男


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