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入団試験?~case2サツキさんとヘルメスさんの場合その8~

今回は色々とやりっぱなしです。悪ノリ全開です。そして津軽あまに様申し訳ありません!無許可で『らいとすたっふ』のお二人をお借りしております。不快でしたら何時でもお申し付けください。(平伏)

トキオ闘技場


「このミナミの恥晒しがぁ!アキバまで来て、まだ悪さしよんのかい!ボケェ!!」


「このインケツが!!カーネルさんと一緒に道頓堀にダイブさせたろか!!」


「「「そうや!そうや!」」」


「何がリチョウさんの弟子でゴザルか?!<D.D.D>の名前を勝手に騙るなぁ~でゴザル!!」


「全俺会議、満場一致で有罪ギルティ!!」


「「「そうだ!そうだ!」」」


「我々、<ホネスティ>の名を騙るのはやめて頂きたい!!」


「「「「そうだ!!」」」」


「お前たちのやってる事は!全て!まるっと!どこまでもお見通しだぁ!!」


「「「そうだ!!そうだ!!」」」


「貴方たちの悪行はもうバレてますよぉ~!!!」



トキオ闘技場選手控え室


 <猛虎七星流>のギルメンは焦っていた・・・否!幹部以外は怯えていたという方が正しいだろう。


「おい、観たかよスタンド席・・・<D.D.D>に<ホネスティ>に<ハウリング>・・・他にも生産系や戦闘系の有名処で満席状態だぞ?どうなってんだ!畜生!」


 1人の恐怖が一気にその場に感染した、無理もないスタンド席を占拠しているプレイヤー達は口々に<猛虎七星流>・・・特に幹部達を罵り罵声を浴びせている。自分たちの所属ギルド主催のPVP大会の筈が完全にアウェイ感満載なのだ。


「館長!ウチは<D.D.D>や<ホネスティ>!<ハウリング>とは友好関係にあるんじゃなかったんですか?賭けのオッズも圧倒的に<黒剣騎士団>に流れてる!<猛虎七星流うち>に賭けてるのはウチのメンバーだけじゃないか!あんた!今まで俺達を騙してたのか!?」


 狼牙族の武闘家が館長ギルマス桜花に喰って掛かる、だが桜花からは何も返事は返って来ない。





 さかのぼる事、数日前。<エルダー・テイル>公式掲示板に<猛虎七星流>主催トキオ闘技場非公式PVP大会参加者募集の掲示された翌日に<黒剣騎士団>からギルド同士のPVPの挑戦状とも取れる書き込みがされたのだ。

 然もハンディキャップマッチ<黒剣騎士団>からは1パーティー、<猛虎七星流>はフルレイドという余りにも<猛虎七星流>を馬鹿にした内容だった 単細胞な<猛虎七星流>の面々は怒り狂ってこの条件を飲んだ、この時点で誰も自分たちが負けるなどと思ってもいない、思い上がりも甚だしい<黒剣騎士団>を軽く捻り潰すくらいの考えだった。


イケブクロ<陽光の塔>


 <D.D.D>のギルドタグを付けた男エルフの<守護戦士>のアバターと<黒剣騎士団>のギルドタグを付けた女ハーフアルヴの<武士>のアバターが逢い引き・・・もとい、悪巧みをしていた。


「八郎お姉さん、本当にあのハンディキャップで勝てるんですか?」


 不安というより茶化したような…愉しげというか…まぁ余り心配はしていない口振りのヤーヴェことヤエ(中の人は歴とした女性)。


「<黒剣騎士団ウチ>の実力は大規模戦闘レイドコンテンツの先陣争いで知ってる癖に意地悪な質問するねぇ~ヤエちゃんわ。」


 こちらも、『判ってる癖に』というニュアンスを含んだイヤらしい言い回しをする八郎。


「それに今回は対人戦・・・・・・のスペシャリストを1人配置してるから万に一つも<黒剣騎士団うち>に負けはないよん♪で!?そっちの根回しはどう?」


「あっ!それは万全です!今、櫛が方々に連絡いれてます。・・・処で『見返り』の方なんですが・・・。」


 PCの前で揉み手をしつつ例の『見返り』について質問するヤエ。


「あ~もう、女の子がそんなにガツガツしないの!例の処との合コンのセッティングはウチの彼氏も協力してくれてるから。」


(か・・・彼氏持ちだと?!お、おのれ恋愛強者め!)

ゲームでの傍若無人な振る舞いや悪戯から彼氏持ちだとは思わなかっただけにダメージがデカい。そして今回の件を期に恋愛強者になろうと心に誓うヤエであった・・・。



■ 



巻き戻って

トキオ闘技場スタンド席



「何で、俺達出さねーんだよ!八郎!しかもだ!<黒剣騎士団うち>のメンバー差し置いて2人も部外者出しやがって!」


 そう悪態をつくのは<黒剣騎士団>総団長アイザック。今回の件に関して八郎に一任した事を今更ながらに後悔をしている、何故なら総団長である自分の活躍の場が全く無い為だ。


「あぁ~もう、腐るな腐るな!仕方ないじゃん、<猛虎七星流あいて>がヘッポコ過ぎるんだから・・・アレに程度を合わせるのにどれだけ私が考えたか判る?アイザック?この私が如何に考えても最適解が見つからないほどの脆弱さなのよ?<黒剣騎士団うち>のメンバー誰を出しても楽勝なの!アンタや役付、二つ名持ちなんか出したら圧倒的過ぎて面白くないの!」


 正直な話、今回の選出メンバーですら『強過・・・ぎる』と八郎は思っている。それくらい<猛虎七星流あいて>のプレイヤースキルは低いのだ、なので極一部からの<黒剣騎士団>はアイザックと一握りのプレイヤーだけが強いという偏見(勘違い)払拭も兼ねての人選でもある。(あと別の目的も兼ねて・・・)


「アイザック、例の件この場に居るギルメン全員に伝達は出来てるよね?」


「そこは抜かり無ぇよ、合図も伝えてある。」




 <黒剣騎士団>からの選出メンバー:ヴィシャス、エンクルマ(今回に限り武器は太刀に変更)、昨日のわんこ、義盛・・・そしてサツキとヘルメスという布陣。




■ 



トキオ闘技場選手控え室:<黒剣騎士団>サイド


 さっきから控え室を落ち着かない感じでうろうろ(右往左往?)している猫人族の<武士>昨日のわんこ、<エルダー・テイル>をプレイして初のPVP大会参加で緊張しているのか半ば強制的に参加させられた事へのイラつきなのか、兎に角、落ち着かない。


「義盛~1パーティーでフルレイドに勝てると思うか?」


普通・・・なら勝てないだろうね、でも八姐もヴィシャスさんも勝算も無しにこんな馬鹿なハンディキャップ付けないでしょ?」


 普段なら一番テンパっていそうな義盛が一番落ち着き払っている。元々PVPを主体でやっていた所為なのか、もしくは選出メンバーを信頼しているからかは本人にしか判らない。


「儂は強制的に武器ば変えさせられたばってん・・・、そう云えば誰かヴィーやん見んやったね?」


 エンクルマの質問にサツキが答える。


「ヴィシャスさんなら、仕込みが有るから先に行くって云ってましたよ?」


「一体なんの仕込みなんだろうねぇ♪」


 相変わらず緊張感の欠片も無いヘルメス。


『<黒剣騎士団>の出場メンバー、<猛虎七星流>の出場メンバーは闘技場へお集まりください。』


 闘技場全体にアナウンスが掛かる。


「ほいだら、悪者退治に行こうかいね!」


ヴィシャスが居ない為、エンクルマが必然的にその場を仕切る。


「「「「はい!」」」」




トキオ闘技場内


 スタンドからは悪意の篭った罵詈雑言、画面上にもテキストチャットでの暴言が飛び交うという『お行儀がよい』と云われる日本サーバーでは珍しい光景である。例えそれが新興ギルドの開催した非公式PVP大会であったとしてもだ。中には諌め様とするような言葉も飛び交うがそれでも口汚い言葉がまだ大多数だ、しかし・・・。


「「黙れ!てめぇら!!!斬り刻むぞ!!」」


 闘技場全体に轟く叫び声、<黒剣騎士団>女<盗剣士>キリーと女<武士>伊庭八郎の二人の声だ。


「あ~あ~テステス!ただいまマイクのテスト中~。えぇ~本来、司会進行は主催の<猛虎七星流>から出る予定でしたが皆さんの『心温まる言葉の暴力』に耐えきれず司会役の僕ちゃんが泣きながらログアウトしたので代わって私ら<黒剣騎士団>が誇る美少女コンビ、キリー&八郎がお送りします。」


「キリーちゃん、自分で『美少女』とか云っちゃうかな~。ども!『美少女』その2伊庭八郎です。」


 一瞬、そう!一瞬間を置いて闘技場が爆笑の渦に包まれる、さっきまでの殺伐とした雰囲気が嘘のようだ。至る所から喝采を起こる・・・ただし<黒剣騎士団>の陣取るスタンドからは相変わらず司会コンビに野次が飛んでいるが司会二人は丸無視である。


「さぁ、<黒剣騎士団うち>のボケナスどもは放置して、試合開始しますか?」


「あ~でもキリーちゃん?<猛虎七星流>も<黒剣騎士団>も参加プレイヤーが若干減ってるよ?向こうはハーフレイド(12人)しか居ないし、うちも1人足りない、<猛虎七星流>の皆さんはOKですか~!なんならうちは5人でも構いませんよ~!」


 これ見よがしに嫌味を云ってのける八郎、その安い挑発に乗って<猛虎七星流>館長ギルマス、桜花が叫ぶ!


「五月蝿い!更○期○害ども!そっちこそ今居るギルメン全員此処に降りて来い!二度とデカイ顔が出来ないように衆人観衆の下、叩き潰してやる!」


 もはや、悪人丸出しの口汚い台詞でしかない。スタンドからは嘲笑しか聞こえない惨めさである。


  「♪~♪~」


 何処からとも無く口笛が聞こえてくる、それに合わせて白々しく八郎が叫ぶ。


「あ~!あそこに居るのは誰だ~!?」


 スコアボード付近に立つ黒ずくめに仮面のアバター。


「天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!悪を倒せと俺を呼ぶ!聞け悪人ども!!俺は正義の戦士・・・」


 この後、悪乗りしたかなりの数居たであろう特撮オタクのプレイヤー達から一斉に某東映が誇る特撮ヒーローの名が飛び出しスタンドから凄まじい歓声が巻き起こる。

 その歓声をバックに優々と決戦の場へと移動する<黒剣騎士団>の誇る??3大奇人変人の1人にして自称“黒剣のゴミ処理係”<召喚術師(サモナー)>ヴィシャス!!


今まさに、戦いの火蓋が切って落とされる!!!


シドの啖呵の後に水木一郎兄貴のあの歌(どの歌だ?)が流れた方はどうぞ笑って見逃してください。

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