入団試験?~case2サツキさんとヘルメスさんの場合その7~
下っ手くそな会話劇、色々とご都合主義ですがご勘弁のほどを・・・
<黒剣騎士団>ギルドホール
「は~い!良い子の皆さ~ん!作戦会議の時間で~す!ギルド掲示板に集まった情報を掲載してますので良く目を通して下さいね~。」
此処数日で集めた情報の精査と編集でヘロヘロの八郎から<黒剣騎士団>の主だったメンバー(正しくは今回の件に関わってるメンバーとアイザック)にアナウンスが入る。
以下、今回入手した情報。
◇
<猛虎七星流>(自称PVPを主とする戦闘系ギルド)公称メンバー200人実情24人前後(内女性プレイヤー0)12職の割合:武闘家8その他2 結成は1年未満。
ギルマス:桜花/猫人族/武闘家/男
サブギルマス:シンベエ/ドワーフ/武士/男
幹部:自称“黒い三連星”
鎧亜/狼牙族/武闘家/男
織琉帝我/狼牙族/武闘家/男
魔蹴/狼牙族/武闘家/男
本来はギルマスを含め幹部7人で結成。“七星”は幹部7人(結成時の7人の武闘家)が由来。
ギルド運営の対立で三人が脱退、脱退時に執拗なまでのPKやストーカー行為、誹謗中傷などで本来のギルドマスターはゲーム自体を引退、現ギルドマスター桜花が実権を握り、戦闘系ギルドとして活動開始。
サブギルマスは最近ミナミから流れて来た。
<D.D.D><ホネスティ><ハウリング>など大手戦闘系ギルドとの太いパイプをちらつかせるが実際には何もない。※各ギルドに確認済み。
裏の顔として、違法ソフトで製作したbotや複数別アカウントで結成されたギルド<WTS>を使い、ネットストーカー行為や高レベルソロプレイヤーを狙っての数押しPKでドロップされたレアアイテムをネットオークションでリアルマネーに換金したり、他人のクエストに横槍入れてドロップアイテムをかすめ盗る。PKなどで手に入れたアイテムを初心者プレイヤーや生産系ギルドにぼったくり値で売りつけている。
ネットストーカー行為を受けているのが無料チケットで<エルダーテイル>を始めたばかりの低年齢(中学生~高校生)の女性プレイヤー、<猛虎七星流>主催の非公式PVP大会上位入賞者、ギルド勧誘を断ったプレイヤー。
ネットストーカー行為(PKなどを含む)、実行しているのは確認されている限りでギルド<WTS02>~<WTS04>
『横殴り』行為『loot』などを行っているのが<WTS05><WTS06>
これらの行為で得られたアイテムを初心者や生産系ギルドに売りつけているのが<WTS07>
※1<WTS>は全て女性キャラ(要はネカマ)で、<武闘家>意外のメイン職で構成されている。07はテキストチャットを使って取引をしているが、02~06までは終始無言、PTチャットなどで外部には判らないように連絡をしているようだ。
※2<WTS>=<猛虎七星流>?サツキ嬢ちゃんが<WTS>からPKを受けるようになってから現在に至るまで全て動画として記録しており近直のPKにて<猛虎七星流>の一部メンバーと<WTS04>の一部メンバーが同一であることを『声』で確認済み。
※3<猛虎七星流>ギルマスが<D.D.D>のリチョウの弟子でない事は<D.D.D>に確認済み。
リアルが○○市の珍走団OBという話が嘘だということは某<黒剣騎士団>メンバーの証言で立証されている。
◇
一応、簡潔にまとめられ?掲示板に記載された内容を読んだ一同から失笑やら怒りの声やら疑問の声が上がるが、肝心の八郎が悲鳴を上げる。
「・・・う~・・・悪いみんな、自称『永遠の26歳』の私も流石に限界・・・少し寝かせておくれ・・・。寝てる間の私の代わりはヴィシャスに頼んでるので質疑応答は任せた・・・お休み・・・。」
そう云い残して八郎はログアウトする・・・。
無責任となじる者、心配する者、掲示板の情報を議論する者、様々だが彼の人物の言葉で皆が沈黙する。
「伊庭の嬢ちゃん寝てる間は俺が任されてんだ!黙れよアンポンタン!主に大工!」
(((((!?)))))
新人には聞き覚えのない、古参にはかなり久し振りに聞く渋いオヤジ声。
「大工って云うな!大工だ!大工!手前が『地声』で話すなんてどれくらいぶりだ?!“シド”?」
声の主ヴィシャスに楽しげに言葉を返すアイザック。
念話:『エンクルマさんヴィシャスさんってあんなカッコイイ?声だったんですね・・・、しかも八姐をお嬢って呼ぶって事は結構、年上??』
念話:『あ~ヨシとわんこは聞くの初めてやったね、ヴィーやんが地声とか、でたん久し振りやもんなぁ~・・・歳は結構上やったと思うばってん、何ぼやったかいな?』
「まぁなんだ、伊庭のお嬢から詳細は預かってるから質問なりは受け付けるし、今後のこっちの出方なり決めようと思うがなんかあるか~。」
ヴィシャスの一言から質疑応答タイムが始まる。
以下、ヴィシャスさんと皆さんの一問一答。
「こいつら強いのか?」
「大工は質問が漠然としすぎだ、サル!ギルマスの桜花って奴はPVP公式で大した成績は残してねぇな、小狡いだけで実力は無ぇ。リチョウの弟子って嘯いてるのは箔付ける為だけみてぇだな。で、サブギルマスは最近ミナミから流れて来たらしいってだけしか今ンところ情報が無ぇ。で、馬鹿丸出しの3馬鹿は個々は大した事無ぇが群れるとそれなりらしい。」
「皆さんが、“黒い三連星”は無いだろう、せめて“白狼”だとか“ソロモンの亡霊”とか云ってるんですが、何か元ネタあるんですか?」
「義盛嬢ちゃんはガン○ム判らねぇか・・・ジェネレーションギャップってヤツか・・・。」
「シンベエって奴ば、調べたがよかね?ヴィーやん?」
「おう、エンク!西武蔵坊レオ丸さんだっけ?お前さんの知り合い?そっちに聞いてもらえると助かるわ。」
「で?結局潰すの?こいつら?それとギルドのメンバーは全員関与してんの?」
「キリー女史も質問が端的過ぎるが、ギルド全員が関与はしてねぇみたいだ、やってるのは幹部と幹部に近い連中。で潰すか?って質問の答えは当然YESだ!」
「シド、潰すと云ってもまた別アカウントで復活すればイタチごっこにならんか?」
「私もそう思うのですが?」
「あぁ~ウッドストックにレザ、そこらは抜かりは無ぇぞぉ~。集まった情報と伊庭のお嬢と俺で調べた分で垢BAN処か、法的処置が出来るだけの情報は揃えたぞぉ~、ネットストーカーなんてやってる馬鹿だから身バレに気をつけてると思ったが『ザル』もいい所だ、SNSの垢からブログ、GoogleさんYahoo!さん楽天さんの垢にTwitterの垢、本名に現住所色々押さえてある、あんまりあっさり出てくるからこっちが拍子抜けしちまったよ。」
「しかし、なんでまたリチョウの旦那の弟子なんて名乗ってんだ?箔付けるならクラスティや他にも有名処居るだろうに・・・。」
「あ~確かにドンの云う通りだ!なんでも桜花って奴が色々調べて“リチョウ”に喧嘩売ったらしい・・・、結果は云わずもがなってヤツだ。それが悔しくて貶める為に嘯いてるのか、本当にリスペクトしてるのか、やっぱりだたの箔付けなのかは知らんし、興味が無ぇ。」
「で、シド?今後の出方が云々云ってたが、八の姉御とある程度のところまではもう話詰めてんだろ?」
「ゼッカの割りに冴えてるな、まぁ大体詰めてはいるが最後はスカッと終わらせようって方向だ!」
「奴らが珍走団OBじゃないって誰の情報っすか?」
「別に奴らが現役でもOBでもこっちは困ることはないけどなぁ~。まぁ誰からの情報かは一応内緒だ、わんこ!」
一通りの質疑応答は終わりある程度の情報共有は出来たように思われる。
ただこの場に居る古参メンバーは八郎&ヴィシャスのコンビ主導という事でなんとな~くオチ的な何かを想像してしまう。
「で?シド?他のメンバーにこの件もう伝えて良いのか?」
散々箝口令を引かれて我慢の限界なアイザックが答う。
「あ~まてまて!大工もっちょい情報が集まったら情報解禁・・・ってギルド掲示板使ってる時点で<黒剣騎士団>の末端まで情報解禁されてるじゃねーか・・・、う~んお嬢め!計算づくか・・テンパってたか・・・今回は読めんな・・・。取り敢えず、総団長殿!他のメンバーの統制よろしくお願いしますわ。ギルマスなんだからそれぐらい朝飯前だよな?」
半ば、脅しいとうか挑発というかなヴィシャスの発言に墓穴を掘った事にアイザックが気付くが既に後の祭りである。一斉に他のギルメンからの念話がひっきりなしにアイザックを襲う。
「頑張ってねぇ~大工の総団長殿。」
念話対応で大工がフリーズしているなか、突然の新情報が入る。
「ヴィーやん!レオ丸兄やんに念話で確認ばとったら、『シンベエ』ちゃ、最近<ハウリング>破門されたげな。」
さっきから寝落ちしたかの如く黙っていたエンクルマはヴィシャスの要望に答え、早速レオ丸と念話で情報交換をしていたらしい。
「ほう~、破門の理由は?」
「あ~それがな、最近ミナミ近郊で初心者狙いのPKが頻繁にあって、その犯人が『シンベエ』って奴やって、しかもそれがサブ職<百人斬り>に転職するためだけの理由ちゅー事でギルドの恥曝しだ出て行けで破門されたげな。」
「類友のクズか・・・。」
誰とはなしに吐き捨てる。
「まぁ~、一応先に云っとく!<WTS>の垢を先に全部垢BANして<猛虎七星流>を衆人観衆の元、ケチョンケチョンにして<エルダー・テイル>から排除する!ほぼ永久にな!」
(((((今時、ケチョンケチョンって・・・)))))
サラッと、とんでもない事を云ってのけるヴィシャス、一瞬その場がざわつき、義盛が聞き返す。
「ヴィシャスさん・・・本当に出来るんですか?そんな事?」
「ん~?やるためにその準備してたんだぞ?嬢ちゃんのツレや他の被害者が<エルダーテイル>を嫌いになって辞めたりしない為に『善良な大きなお友達』の俺達が、頑張るのはある種の義務じゃねーの?」
どちらかというとヴィシャスの中の美意識とか矜持の問題かもしれないが義盛にはそれが嬉しかった、そして泣いた。
「あ・・・りがどう・・・ございま・・・ず・・・。」
「あ~もう、泣くな、泣くな。嬢ちゃん泣かせたらキリー女史や伊庭のお嬢に殴られちまう。」
泣かれて困惑するヴィシャス、(男と聞き間違えるような低音ボイスで泣かれたらだいたい引く。)だがそんな状況でも別PCで何やら調べものをしている中の人。
「・・・トキオ闘技場で近い内、<猛虎七星流>またPVP大会やるみてーだからそこが勝負だ!」
その場が静まり返る。
不意にアイザックがヴィシャスに念話で質問する。
『なぁシド、手前が『音声変換ソフト』使わないくらい本気出してるって事は八郎からそれなりの『見返り』チラつかされたろ・・・』
『・・・メデ●コム●イのRAH鋼鉄参謀とジェネラルシャドウ・・・。』
『・・・この特撮オタクが!そんな事だと思ったぜ。』
『うるせー!俺は広義では特撮オタクかもしれないが、狭義では『昭和ライダー』オタクだ』
なんとも不毛な会話である・・・。
もう少しで(その10までいかないと思いたい。)話にケリ着けます。もう少しお付き合いください。




