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入団試験?~case2サツキさんとヘルメスさんの場合その6~

今回、名前に『八』が絡む人が多めです。

イケブクロ付近。

「はいはい、キリーちゃんそっちはどうだって?うんうん、やっぱり似たような相談来てるか~。もう少し<翼>から情報引っ張ってこれそうならヨロ!」


「う~い!ウッドストック、茜屋のじっちゃんなんだって?は~ん『レア素材』をね~・・・。判った、他に情報有りそう?うん!そうか!じゃ、あとよろしく!」


待ち合わせの場所に着くまでに次々と『念話』にて情報は届く。1つ1つは取るに足らない情報だが少しずつ着実に点と線が繋がってゆく。PC前で思案に耽りながらも、自キャラのアバターを目的地へと進ませる。そうこうしているうちに待ち合わせ場所イケブクロ<陽光の塔>に到着。

 既に待ち合わせの相手は先に待って居たようだ。一人は黒い巫女装束のエルフの<神祇官> もう1人はエルフの男性<守護戦士>


「ごめ~ん!クッシーにヤエちゃん…じゃなくて今日は『ヤーヴェ』さんかな?こっちから呼んでおいて遅刻とはなんたる不覚。」


 待ち合わせの相手は日本サーバー最大の大手戦闘ギルド<D.D.D>大幹部“三羽烏”のリーダー格“突貫黒巫女”の二つ名を持つ櫛八玉とその友人『ヤーヴェ』である。


「私たちも着いたのついさっきですよ。八さんご無沙汰してます、この間の新人さんの件以来ですかね?」


「ご無沙汰です八さん、『ヤエ』で良いですよ~。」


「・・・あはははは、あの時はゴメンね~。まさかあそこまで大事になるとは私もヤエち・・・」


「八さん!ストップ!ストップ!」


慌てて、話しを遮るヤエ。


「ん~?!あの件、ヤエも一枚咬んでたの!?」


物凄くなんとも云えない恐さの乗った響きの声がヘッドホン越しに響いてくる。即座に話題を変え本来の要件である話を切り出す八郎。


「・・・って訳なんだけど。」


「あはははは、何ですその法螺話!リチョウさんに弟子とか。ひゃ~バカバカしい。」


大爆笑するヤエと暫く沈黙する櫛八玉、暫くの沈黙の後、


「・・・<D.D.D>の名前傘に着てネットストーカーですか・・・、気分の良い話しではないですね。うちで協力出来る事があったら協力します。」


櫛八玉の言葉に今度は八郎が暫く沈黙し、言葉を慎重に?選びながら答える。


「ん~っとね。協力してもらいたいのは山々なんだけどさ…能面眼鏡クラスティには内緒で協力してもらいたいのだけど・・・駄目かな?」


「クラスティくんに内緒で、ですか?」


  少し怪訝そうな受け答えになる櫛八玉。


「・・・うん、理由は色々とあって全部云うと際限キリがないんだけど、端的に云える分だけなら<黒剣騎士団うち>の面子、あと私が能面眼鏡クラスティ苦手なのよ・・・、ただね。こっちもお願いしてる立場だから何の見返りも無しになんて云わない。」


(あぁ、この人にも苦手なタイプの人が居るのか・・・、そしてクラスティくんが苦手か・・・なんとなく判る気はするなぁ・・・、しかし能面眼鏡って・・・、それと見返りってなんだろ?)クラスティ苦手発言になんとなく同意してしまう櫛八玉。



  そして『見返り』という言葉にヤエが真っ先に食いつく。


「八さん『見返り』とは何を用意して頂けるのでしょうか?」


(よし!やっぱりヤエちゃんの方が食い付いて来た!ケケケケ)心の声は押し殺しPCの前で悪い顔でほくそ笑む八郎の中の人。


「2人共、今フリーよね?彼氏居ないよね?」


少しの沈黙の後、2人から「はい」っと返事が返って来る、八郎の中の人の悪い顔に邪悪な笑みが浮かぶ。


「2人とも私の『本業』知ってるよね?」


少し間が空いて「はいっ!」っと1つ2つ高めのキーで返事が返ってくる。(ん~??良さ気な反応がキタコレ)


「今、私が主導で動いてるこの作戦に協力してくれて且つ!成功に貢献してくれたら『合コン』のセッテングをしようと思うのですよ・・・。流石に法に触れる年齢層はアウトだけど、現役某大にT大、K大にチャラ学、枯れ専なら霞ヶ関でもうちの職場の独身共でも、好みを教えてくれたらご希望には添いましてよ?」


「「MAJIDE!?」」


(フィッシュオン!!!)


「モチのロン!!」


「八さん!否!八郎お姉さま!!全力でご協力させて頂きます!!ええ!クラスティくん通さずに出来うる限り我々協力させていただきます!!私の情報網駆使して、ご入用な情報ガンガン収集しますよ!!」


 一番に・・に釣られ興奮を抑えずまくし立てるように食いついたのはヤエだった。(ここまでは八郎の計算内)そして櫛八玉もヤエほどではないにせよ、餌に喰らい付いてきた。


「私は・・・その・・・別に『合コン』とかは、き・・興味は無いんですが・・・ヤエも乗り気ですし、<D.D.D>の看板を悪用されるのは心外なんで協力させて頂きます。八郎姐さん!!」


ものの見事に八郎の作戦成功である。PC前で、もう完全に悪い顔に邪悪な笑み全開の八郎の中の人。これでほぼ当初の目的通りの情報網の完成である。後は集まった情報の精査など色々と厄介事は多いがそれはそれだと割り切る八郎。


「本当にこんな厄介事に巻き込んでごめんね。でも!事が片付いたら必ず約束は守る!何なら自筆で念書、書いて実印まで押すよ?」


少し申し訳なさ気に言葉を紡ぐ八郎。(申し訳なさ4割、作戦成功に喜ぶ邪悪さ6割)


「いやいや!もう!本当に信じてますから!!本当に頑張らせていただきます!」


やる気全開のヤエ。


「ありがとう!クッシーにヤエちゃん!それじゃ早速だけど、本当にリチョウに弟子が居ないかを本人に確かめてもらえるかな?あと、どんな小さな情報でも良いから<猛虎七星流>と<WTS>の情報をお願いします。」


 アバターにお辞儀のエモーションをさせる八郎。


「「イエス!マム!」」


今、伊庭八郎の脳内BGMは何故か『休みの国』の“悪魔巣取金愚”がループしているのであった。

予定より大幅に長くなってます。既に忘れ去られてそうな朝右衛門さんとか・・・。


書いといてなんですが、櫛姐さんとヤエさんの扱いの酷さ本当に申し訳ありません!ヤマネ様!本当にごめんなさい・・・(汗)

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