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High School Love  作者: KAMU
9/11

Magic

俺は悠とキスをした。

すっごくうれしくて、

だけど辛かった。


キスをしたのに、

付き合ってないなんて。

そんな事を思うと、

苦しかった。

付き合いたかった。


メールの音が部屋に響いた。


悠からだった。


[今何してる?]


おかしい…

悠は、自分からメールは絶対にして来なかった。俺が一方的に好きだっただけだから。

それに俺の事を気にかけてくれてる。


今ならこう思える。

あのキスから、

俺はもう片思いじゃなかったんだって。


それから毎日メールや電話をした。

毎日毎日、カップルみたいに。


そしてついに、

悠の気持ちを聞き出せた。


それはある日の学校での大掃除の事。

中庭の掃除中、落ち葉を拾いながら、

俺は悠と話していた。

そこへ邪魔するかの様に優子が来た。


「何?2人して~もしかしてそういう関係ですかー?」


やめて欲しかった。

悠が「違うよ」って言うのが目に見えていたから。


「……」


あれ?

何も言わない…


「悠好きなの?翔平君のこと!」


今度は真剣に質問する優子。


「わかんない。でも、認めたくないの。」


悠はそう言って他の掃除場所に行った。


「悠は翔平君の事好きだと思う。でも一年の時に香奈といろいろあったじゃん?まだ翔平君のこと信じれてないみたい。」


俺の事を好きなのか?


素直に聞きたくなった。


その夜、悠と電話した。

好きなのか確かめたかった。


「やっぱ俺の事好きになった?」


冗談を交えながらちゃんと聞いた。


「そうなのかな?好きなのかな?」


「どんな気持ち?」


「翔平君とは、どんな事でも出来ると思うよ。キスも、それ以上の事も。んー…出来ると思うって言うか…したい。」


俺は照れながらも相槌を打った。


「でもね、同じクラスに香奈が居るし、付き合ってるってクラスメイトに知られたくないんだ…」


「でも好きなんだよな?」


「多分好き。」


「多分?」


「…いすき」


「聞こえません!」


「だ い す き!!!!はい、もうおしまい!ばいばい!」


電話を切られた。

その瞬間、ふと笑った。

俺は多分相当気持ち悪い顔で笑ってたと思う。嬉しすぎて笑った。





悠と俺は、2人で遊ぶ事が多くなった。

休日はほとんど2人で過ごした。


「私ん家に来ない?」


新築だったからか、

悠が俺を家に誘った。


「行く!」


悠の家に到着。

リビングでテレビを観ながら寛いでた。


キスしたい。

悠が言った言葉を思い出した。


「好きなんだよな?」


「うん!」


「じゃあ、はい!」


彼女からさせようとした。

正直あまり期待してなかった。

だって彼女の方から出来ると思わなかったから。


「じゃあ…行くよー」


二度目のキス。

目を開けると彼女は下を向いてた。

顔を見ると真っ赤だった。


「かわい…」


ポロっと声に出た。

そこからは何回キスしたとか覚えてない。

ただ、たくさんした。

今までの一年間、

俺が片思いして来た分、

したんだと思う。


「幸せだな!」


「うん!幸せ。」


この子と付き合うのは分かってた。

好きになってからずっと分かってた。

そんな気がしたんだ。


この恋の始まりは、

あの時した一回目のキス。

魔法の様に彼女を変えて、

俺たち2人を幸せにしてくれた。


どんな事があっても、

2人ならやっていけるって思ってた。


悠は俺にとって天使だった。

天使だけが俺のそばにいると思ってたけど、

やっぱりいるんだ…悪魔のような女も。

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