Kind
二学期が終わり、冬休みに入り、クリスマスの前日となった。
冬と聞くと、恋人が欲しくなる季節。これは俺の考え。
クリスマスには街中カップルだらけ。
今年こそはと期待していた俺に、彼女は今いない。
香奈と別れて三ヶ月は経つ。
「今年もクリスマスは1人か…」
そんな事を呟いていた俺にメールが届いた。
[明日、暇?
暇だったら香奈の家にきてくれませんか?]
予定も無かったし、暇だった俺は、
[いいよ、何時?]
友達感覚で遊べばいいと思っていた。
香奈の家までの遠い道のりの途中、電車の中で、
「懐かしい。」
俺はそう思った。
大好きだったあの時の気持ちが蘇った気がした。
「翔平!迎えにきたよ!」
香奈は自分の家の最寄りの駅まで迎えに来てくれていた。
かわいい…
いや、何言ってんだ俺!ばか!
っていう葛藤を心の中でしたところで、香奈の家に向かった。
話した内容は、この三ヶ月何をしてきたか。
「香奈はね、まだ翔平の事大好きだよ。」
突然の事だった。
そのままキスをされた。
彼女を抱きしめ、初めて、した。
自分がどんどん香奈をまた好きになっていくのが分かった。
帰りに手紙を渡された。
電車の中で読む事にした。
[Merry X'mas!!
今年は好きな人とクリスマスを過ごせて幸せです。
付き合ってないし、変わる変わるって言ってて、香奈全然変われてないね。でも頑張るから。大好きだよ。]
泣きそうになった。
すぐに電話をかけて、
自分の思いも伝えた。
「俺も大好きだから。」
「嬉しい。今日会えてよかったよ。」
俺と香奈は寄りを戻して、
また交際がスタートした。
それからは何の問題もなくて、楽しかったし、幸せだった。
一年生も終わり、二年生が始まった。
ただ、何かが起こるのは決まって行事が近い時だ。
二年生が始まってすぐに、
合宿がある。
クラスの仲を深める為だ。
合宿は二泊三日で、
すごく楽しみだった。
この時俺は、仲がいい女の子がいた。
悠 だ。
彼女は本当に面白くて、信頼できる子だった。
何かあればすぐに彼女に相談していたし、逆に相談も乗った。
合宿初日の夜男友達とわいわいしている時に、携帯にメールがあった。
香奈からだ。
[話があるの。ロビー来て]
走ってロビーに向かった。
するとそこには、千尋と香奈がいた。
「どうした?」
「香奈が、また浮気してる。」
香奈は黙って下を向いていた。
浮気グセは治らなかったみたいだ。
「さっきみんなで暴露し合ってたらね、香奈が言ったの。私それが許せなくて。」
千尋が言った。
「んーとさ…」
香奈がこっちを向いた。
「もう、関わらないで!」
俺は香奈にそう言い残して、
部屋に戻った。
香奈とはいろんな約束をしてた。
夏にはオーストラリアに一緒に行く事、
修学旅行一緒に周ること。
悲しいって気持ちよりも、
怒りの方が大きかった。
ピコン♫
誰だよ…
[なんかあったみたいだけど、大丈夫?]
悠だった。
[香奈と別れたよ。浮気されてた(笑)
辛いー!(笑)]
(笑)をつけないとやっていけなかった。
辛すぎて。
[翔平くんの事、本気で好きになってくれる人、絶対居るから!それまでの辛抱だ(`・ω・´)]
「ふっ」
泣いて、笑った。
それから合宿はホントに楽しくて、
悠ともかなり仲良くなれた。
2人ともオーストラリアに行くことが分かって、夏休みが楽しみだった。
この時、彼女の事が好きだって気付いたんだ。