Uneasiness
体育大会が近づいていた。
必死で練習するクラスメイト達を見ながら、俺は千尋と休憩していた。
「最近うまくいってる?」
「え?何が?」
「香奈とうまくいってるの?」
「そりゃね!らぶらぶってやつだよね!」
冗談半分に答えた俺に千尋は、
「佐藤翔平が心配だから言うんだけどね…
香奈、浮気してるよ」
え?え?
「ばっかじゃねーの。そんな訳ないじゃん!香奈はそんな奴じゃないから!」
「じゃあそう思ってればいいじゃん。でもね…」
信じられない。
いや、信じたくない。
千尋の言葉がだんだん聞こえなくなっていった…
そうじゃないって信じていても、やっぱり気になった。
聞くしかないと思った。
[香奈、俺の事好き?]
[大好きだけど
なんで?]
[香奈が浮気してるって聞いたから…]
[浮気なんてしてないよ!信じて!]
[だよね!ちゃんと信じてるって!]
千尋が何でそんな事を言ったのか。
全然分からなかった。
千尋の事が許せなかった。
休日に、香奈が俺の家に遊びに来てくれた。
「俺、ピザ作ってみた!
食べる?」
「食べる!」
一生懸命作ったピザを食べてもらった。
「「おいしい!」」
2人とも目を合わせて言った。
その後は俺の部屋でくつろぐ事にした。
俺が不安になってるのに気がついたのか、隣に来てくれた。
手を握ってくれた。
「心配?」
香奈の質問に俺は答えた。
「少し。」
「じゃあ、はい!」
そう言った彼女は、俺の前で目を閉じてきた。
「ん?」
「して?」
2人とも初めてキスをした。
不思議とその後からは
不安もなくなって、
彼女をもっと好きになった。