Wonder Girl
学校が始まって二週間が過ぎようとしていた。俺は同じクラスの香奈の事が好きになっていた。
かわいくて、スタイルがよくて、話してて楽しかった。
優子にも香奈の事が好きだって事を話した。
その日の昼休み。
優子から、
「香奈、彼氏いるよ」
って聞いた。
「えっ?」
正直ショックだった。
メールでも電話でも、そんな話一言もされなかったから。その日の夜にメールで思い切って聞いて見た。
[今日優子から聞いたんだけど、
彼氏いるの?(笑)]
いないでほしかった。
冗談であってほしかったから、
最後に(笑)をつけた。
ピコン♬
[いるよ!中学の時から付き合ってるの。]
普通ならここで諦める。
でもなんでなのか分からないけど、
付き合える気がした。
俺はすぐに電話した。
「もしもし俺!」
「うん!どーした?」
「俺、香奈の事すきじゃんね?
まだお互い知らない事だらけだけど、
付き合ってくれん?」
何を言ってんだ俺。
彼氏いるの知ってるのに。
答えは分かってるのに。
「えっと…」
「あーごめん!今の無し!
彼氏と仲良くしろよ!」
そのまま電話を切った。
香奈の言いたいことは大体分かってたから。
彼氏いるから無理ですって。
だけど違ったんだ。
「香奈別れたんだって!翔平くんチャンス!」
優子が教室に入ってきた俺に話して来た。
俺は戸惑った。
どういう事かも理解出来なかったから、
家に帰って電話した。直接話すのが恥ずかしかったから。
「別れたって、どーして!?」
「彼氏とうまくいってなかったの」
え?
ここしかないと思った。
付き合いたいって思った。
「俺、この前も言ったけど、好きです。
大好きです。俺と付き合ってください。」
言い終わったら、笑われた。
「いいよ。」
「ホントに!?」
「よろしくね!」
笑いながらだったけど、OKをもらえた。
すごく嬉しかった。
5月1日。俺と香奈は付き合う事になった。
香奈と付き合ってからはホントに楽しかった。学校行くのも楽しかったし、土日のデートも楽しかった。
初デートは映画だった。
俺の好きな映画で、彼女もみたいっていってくれた。
映画を見てる途中、彼女の方をちらっと見る。爆睡していた。
めちゃくちゃかわいかったけど、
「寝んなばか。」
って起こした。
「ん?寝てない!」
必死に言い訳してる姿が、
本気でかわいかった。
街を歩いてる時も彼女の事が自慢だった。
電車のホームまで見送って家に帰る途中、
千尋に会った。
「香奈と付き合ってるの?」
千尋の顔は怒ってるように見えた…