表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/29

page1:日常、放課後、飛べない翼


 We can not fly……私達は飛ぶことはできない。

 because……なぜなら。

 We do not have plumes……私達は、羽根を持っていないから。




 ぐるぐると世界は回る。

 右から左へ、左から右へ。

 今日は昨日と比べると、また一段と目まぐるしい。

 移り変わる日常に酔ってしまいそう。

「…………、……」

 誰かが何か喋っている。

 何だろう、うまく聞き取れない……。

 カツカツと、何かが何かを叩く音。

 やけに聞き慣れたその音に、少しだけ意識が傾き始める。

「……つまり……こうなるわけで……」

「…………ん」

 ぼんやりと、ゆっくりと目の前が明るくなる。

 開きかけの目の前には、そろそろ伸びて鬱陶しくなり始めた前髪がカーテンのように垂れていた。

「…………」

 半分、目が開く。

 まず見えたのは、前の席の椅子の背もたれ。

 次いで、机の上に突っ伏したまま枕の代わりを担ってくれている自分の腕。

 もう半分、目が開く。

 前の席の子の背中が見えた。

 机の上に開いたままのノートと教科書、それと筆記用具が見えた。

 頭を起こす。

 窓際の席の最後尾、出席番号七番は、決まってこの位置に席が割り当てられる。


「じゃあ、この部分の和訳を……上杉、やってみろ」

「……え?」

「どうした? 具合でも悪いのか?」

「え……あ、はい……じゃなくて、いえ、大丈夫です」

 名前を呼ばれたことに一瞬遅れて気付き、私……上杉七緒うえすぎ ななおは立ち上がった。

 と、そこまではよかったものの、今の今までうたた寝をしていた私は、今が教科書の何ページをやっているのかさっぱり分からなかった。

 しかし、立ち上がってしまってからそれに気付いたのでは遅い。

 今更聞いてませんでしたとでも言い出せば、きっと先生は呆れたような顔をするに違いない。

 うう、どうしよう……。

 と、悩みながらも私は黒板へと視線を向ける。

 ズラリと並んだ英文の下に、括弧だけが書かれてその中身が書かれていない。

 つまり、私が当てられたのはあの黒板の英文の和訳なのではないだろうか。

 そうだ、そうに決まっているっていうかそうであってお願い神様!

「どうした? 分からないか?」

 安っぽい神頼みをして、私は小さく深呼吸。

「あ、大丈夫です。えっと……」

 私は黒板の英文を見て、その和訳を片言ながらに述べていく。


 「――空を飛ぶ鳥達の群れは、大地に立つ少年達にとって大きな憧れだった。しかし、飛べないことを知っているだけに、それは少年達の憧れ以上にはならなかった……」


「よし。ほぼ完璧な訳だな。この部分は期末の試験にも出すから、しっかり復習しておくように」

 椅子を引き、私は席に着いた。

 直後に、ちょうど授業終了を知らせるチャイムの音が校舎内に鳴り響いた。

「っと。よし、では今日はここまで。号令は省くから、そのまま帰りの準備して待機するように」

 英語担当の教師はそう言い残し、教室をあとにした。

 ようやく長い一日が終わったことで、クラスの中はにわかに騒がしくなる。

 そういえば今日は金曜日だったっけと、私は今更に思い出した。

 明日から土日の連休に入るから、皆それで少なからず浮かれ気分なのだろう。

 ハァと溜め息をつきながら、私はバックの中に教科書やらノートやらを詰め込んでいく。


「おっつかれー」

「うわぁっ」

 そう言いながら私を背後から羽交い絞め……もとい、ふざけ半分に抱きついてきたのは、クラスメートでもあり中学からの同級生である佐伯尋さえき ひろだ。

「ちょ、ヒロ、絞まってる絞まってる!」

「ふははは、落ちろ、落ちてしまえー」

「あー、ギブギブ、マジでギブ! マジギブ!」

 机とヒロの腕を交互に叩き、私はようやく解放される。

「も、もうちょっと加減ってものを考えてよ……」

「あはは、ごめんごめん」

 ヒロは笑いながら一応謝りはするが、本心ではちっとも分かっていないことを私は知っている。


「ね、ナナは今日このあと予定あるの?」

「え、私?」

 ちなにみナナというのは私のあだ名というかニックネームというか、まぁとにかくそんなものだ。

 ヒロいわく、名前の最後に「お」がつくとどうにも男っぽい、しかもどちらかというと古臭そうな感じがするとのことで(ある意味ひどい言われようではあるが)、いつの間にかナナになっていた。

「ううん、特に何もないけど。どうかしたの?」

「おおう、これは運命のいたずらか! さもなくば他に何があろうか!」

 大げさに両手を開いて、ヒロは言う。

 ていうか、恥ずかしくないのかアンタ。

「ど、どうしたの? いつにも増してテンション高くない?」

「これが落ち着いていられますか! まさかこんなところに運命共同体がいようとは!」

「運命……共同体? それってつまり、ヒロも……」

「いえーす、ざっつらいと! 暇人でっす!」

「…………」

 喜び勇んで言うことだろうか。

 ま、これにもずいぶんと慣れてきてるけどね。

「はいはい、それで。どこまでもお付き合いしますよと。これでいいの?」

「さんきゅーまいふれんっ!」

 とか何とか、二人だけでどこかずれたテンションのままで会話をしていると、やがて担任の教師がやってきてホームルームが始まった。

 期末試験までそう遠くないから気を抜くなとか、張り切りすぎてぶっ倒れるなとか、そんな諸連絡を聞いたり聞き流したり。

 そしてようやく長かった一日が終わる。

 放課後とは、勉学に励む学生を解放的にしてくれるご褒美の時間。

 そしてこの日の私のご褒美は、ヒロと一緒に商店街をぶらつくことになったのでした。


 私達の住むこの街は、決して都会というわけではない。

 かといって田舎ほど寂れたり不便さがあるわけでもなく。

 大きくも小さくもない、華やかでも密やかでもない、ようするにどこにでもあるような普通の街。

 私とヒロはよくこうやって一緒に街中をぶらぶらするけど、歩くコースはいつしかほとんど決まりきったものになっていた。

 まぁ、それはきっと私達だけに限ったことじゃないのだけど。

 服や雑貨を見て回って、そのあと本屋で雑誌を立ち読みする。

 さらにレンタルCDショップなどを歩き回り、小腹が空いたところで軽食を口にしながら雑談を楽しむ。

 期末試験の範囲広すぎだとか、あの教師は絶対カツラだとか、うちの高校の七不思議がついに五十を突破したとか。

 どうでもいい、他愛のない会話を繰り返す。

 それだけでも時間はどんどん流れていき、ふと気がつくと辺りはすっかり薄暗さに包まれていた。

 お店を出て、私達はそれぞれに帰路を往く。

 とはいっても、途中までは一緒なのだけど。

「んじゃ、また学校でね、ナナ」

「うん。土日はまたバイト?」

「そ。ほら、もうすぐ年末だしさ、人手がいくらあっても足りないったらありゃしない」

 ヒロがバイトをしているのはデパートの地下にあるケーキ屋だ。

 この季節になると、気の早いお客さんはもうクリスマスケーキの予約などに足を向けるらしい。

「そっか。大変だと思うけど、がんばって」

「ん、ありがと。ナナはバイトとかしないの? 特に塾とか習い事とかやってるわけじゃないよね?」

「うん、そうなんだけど……あんまりそういうの、好きじゃないんだ」

「そっかー。私のバイト先はいつでも歓迎だから、気が向いたら私に声かけてよ」

「そだね。気が向いたら、ね」

「じゃ、また月曜に学校でねー」

「うん、またね」

 軽く手を振って、私とヒロはその道で別れた。

 小走りに駆けていくヒロのその背中を、私はどうしてか、この日だけは見えなくなるまでずっと見続けていた。


「ただいまー……」

 玄関のドアを押し開けながら、私は独り言のように呟いた。

 事実、それは独り言なのだから仕方がない。

 ドアに鍵がかかっていた時点で、母さんがまだ仕事から帰ってきていないことは明白だった。

 ガチャンと、私の背中でドアが閉まる。

 靴を脱ぎ、少し冷たい廊下の上を歩いて自室へ。

 机の上にバックを置いて、すぐに普段着に着替える。

 特にこれからすることはなかったけど、家の中でいつまでも制服のままいるのはどこかおかしかった。

 制服をハンガーにかけてクローゼットの中にしまい、バックの中から携帯を取り出して私は気付いた。

 いつの間にかメールが届いている。

 もしかしたらと思って内容を見てみると、思ったとおり、それは母さんからのメールだった。

 仕事関係で少し帰りが遅くなるから、悪いけど夕食は適当に済ませておいてほしいとのことだった。

 定時退社で有名な母さんが残業とは、ずいぶんと久しぶりな気もする。

 年の瀬が近いこともあって、どこも今は忙しい時期なのかもしれない。

 そんなことを考えながら、私は携帯を折りたたみ、中途半端に空いている胃の中に何を入れようかと考え始める。


 我が家は普通の一般家庭だ。

 とはいえ、父親は半年ほど前から単身赴任で海外へと長期の出張に行っているため、基本的に家にはいない。

 うちは両親共働きなので、こうして家の中に渡し一人しかいないということも決して珍しくはない。

 それに、特に寂しいと思ったこともない。

 今の生活になったのは前述したとおり、父親の単身赴任の決まった半年前だし、私だってもう十六歳だ、わがままを言ったりするほど心が未完成な歳ではない。

 それでもやっぱり、本来三人で生活するはずの家に一人きりというのは、これっぽっちも寂しくないと言えば嘘になる。

 けれど、別に泣きじゃくったり騒いだり、ものに当たったりするわけではない。

 もう子供じゃないわけだし……とはいえ、大人にもなっていない。

 我ながら実に中途半端な場所にいるなと、最近よく実感するようになった。

「あ、もうこんな時間だ」

 部屋の壁掛け時計を見ると、時刻は間もなく七時を回ろうとしていた。

 私は部屋を出て、キッチンに向かった。

 冷蔵庫や戸棚を物色し、何が作れるかを検討する。

 数分ほど考えて、簡単に作れるパスタにすることにした。

 何といっても作るのが簡単だ。

 麺を茹でて具を載せるだけ。

 お湯を入れて三分待つのと大差がないような気もするが、それを気にしちゃ負けだよ負け。

 かくして、お鍋いっぱいの水がコンロの火によって温められる。

 沸騰するまでの時間、テレビでも見ようとリモコンのスイッチを押した。

「…………」

 カップ麺のCMが流れていた。


「うう、私としたことが……」

 冷たい夜風に吹かれながら、私は今コンビニ帰りの道の上を歩いている。

 あのあと間もなくして、無事にお湯は沸騰した。

 いや、テレビに集中してた挙句に泡を吹き出したなんてことは断じてない、きっとない……といいなぁと思ってたらやっぱり吹いてた。

 大体、一人分の量しか麺を茹でないのにお湯を沸かしすぎだと思う。

 ……はい、全部私が悪いんです、はい。

 が、事件はまさにそのあとに待ち構えていたのだ。

「さて、あとは具を載せるだけー……」

 戸棚を開け、あるはずのカルボナーラのソースを探す。

 ところがない。

 どこにもない。

 かけらもない……かけらがあっても困るけど。

 というわけで、やむなく近場のコンビニまで買出しにいくことになったのだ。

 このシチュエーションはまるで、無人島で飢え死にしかけてるときに缶詰を食べようとしたら缶切りがなかった、くらいのドジっぷりだと思う。

 しかしまぁ、過ぎたことをどうこう言っても始まりやしない。

 今は少しでも早く帰って、この冷えた体を暖めるべくカルボナーラを食そうではないか。

 思っていた以上に外の風は冷たい。

 急いでいたので上着も着ずに、マフラーだけを乱暴に巻きつけて家を飛び出した。

 そのマフラーも、強く巻きすぎてどこか息苦しい。

 ピンポーンと、エレベーターが到着音を鳴らす。

 マンションの廊下を早歩きして、私は鍵を開けて家のドアを押し開ける。

 真っ直ぐキッチンに向かい、買ってきたカルボナーラの具を袋から取り出し、皿の上のパスタにかけようとして、気付いた。

「……麺が、固まってる……」

 前にテレビで見たことがある。

 麺類を茹でた後は、オリーブオイルを混ぜておくと固まりにくくなるそうだ。

 思い出すのが十分ほど遅かったけど……。


 夕食後、私はリビングでずっとテレビを見ていた。

 毎週欠かさず見てるドラマを見て、そのあとは特別番組のミステリーものを見ていた。

 そうこうしているうちに、時刻は十一時近くになっていた。

 母さんはまだ帰っておらず、少し心配になる。

 念のため部屋に戻ってもう一度携帯を見てみると、ほんの五分ほど前にまた母さんからメールが届いていた。

 どうやら相当切羽詰った状況らしく、今日は仕事場に泊り込みで作業しなくてはならないらしい。

「うわ、修羅場だよ修羅場」

 などと他人口調で言うものの、母さんがここまで忙しいのは初めてかもしれない。

 無理しない程度にがんばってと、メールを送り返しておく。

 さて、今のうちに洗いものを済ませてしまって、そのあとはゆっくりとお風呂にでも浸かることにしよう。


 お風呂から上がり、体が冷えないうちに私は急いで服を着替えた。

 そのあとは施錠とガスの元栓を確認して、一番小さな明かりだけをリビングに残して部屋に戻る。

 ベッドの上に寝転がり、私は何をするわけでもなくぼんやりと天井を眺めていた。

 別に天井が見たいわけではなく、見上げたらそこには天井しかないからだ。

 不思議と眠気はない。

 多分、珍しく学校で居眠りをしてしまったせいだろう。

 居眠りといっても、ほんの数分程度のことだったと思う。

 眠ってしまう直前のことは覚えていないけど、ノートに写した文字と黒板の文字に大きな変化がなかったからだ。

 思えば、実に急激な睡魔だった。

 正直に言うと、授業に集中していたわけではなかった。

 何となくぼんやりと、窓の外の景色を眺めていた。

 見えたのは学校のグラウンド。

 最後の六限目、体育のクラスはどこにもなく、だだっ広いだけの砂色の地面が寂しそうに砂埃を巻き上げていた。

 そんなときだったと思う。

 ふと、誰かが呼ぶような声が聞こえた気がした。

 多分、空耳だったのだと思う。

 教室は授業中だし、クラスの皆は一言も喋っていない。

 聞こえたのは、教壇に立つ教師の声と黒板を叩くチョークの音だけ。

 単調なのに時々リズムを刻むようで、もしかしたらそれが眠気を誘ったのかもしれない。

 気のせいかと思って、もう一度私はグラウンドを眺めた。

 そのときだったと思う。

 誰の声かも分からない、どこから聞こえたのかも分からない、けどそれは、確かに誰かの声だった。

 男か女か、少年か老人か、それさえも分からないような不思議な声。

 そしてその声は、確かにこう言っていた……ような気がする。

 聞き間違いかもしれないけど、私にはその声が、こう言っているように聞こえたんだ。

 その言葉を、今、私は自分の口で繰り返す。

 真っ白な天井を眺めながら。


 「――We can not fly…………」


 私達は飛ぶことができない。

 それは、中学生レベルの簡単な英文。

 どうしてそんなものが、あのとき私の耳には聞こえたのだろうか。

 それは、多分……。

「…………」

 起き上がり、私は机の本棚の中からその一冊の本……いや、日記帳のようなものを取り出した。

 一週間ほど前、学校の図書室で一冊の本を借りたとき、その本の中に小冊子のように挟まれていたものだ。

 借り終えて、家に持って帰ってから私はその存在に気付いた。

 古びたノートのようなそれは、表紙こそどこにでもあるノートのそれだった。

 ずいぶんと古いものなのだろうか、拍子はすっかり色褪せている。

 表紙をめくる。

 一ページ目が顔を覗かせる。

 その最初のページの片隅に、まるで絞り出した言葉のように、それは書かれていた。


 ――We can not fly、と。


 そして、他の部分は手付かずのままの空白。

 どうしてこんな端っこに、しかも小さな字でたったこれだけのことを書いたのだろう。

 どこの誰が、どんな気持ちで書いたのだろう。

 気になった。

 気になって仕方がなくなった。

 何だかミステリーみたいじゃないか。

 これはきっと、何かの暗号なのかもしれない。

 それが学校の図書室に置き去られてたってことは、もしかしてうちの学校には何かあるんじゃないか?

 わずかに鼓動が高鳴った。

 連休なんてどうでもよくなってしまう。

 早く月曜になってほしい。

 そしたら、また図書室に行ってみよう。

 きっと、何かがあるはず。

 そんな気がした。



初めての人は初めまして。

他の作品でご存知の方はこんにちは。

作者のやくもと申します。


この作品は本来なら、一話完結型の短編として投稿したかったものなのですが、いざ書いてみるととても短編として読むような容量に収まりきらないことが判明し、連載作品として披露することになったものです。

とはいっても、話そのものは極端に長く続くものではないと思っています。

恐らく長くても、十話前後くらいで完結するんじゃないかと考えています。

もっとも、そうはならないのが小説というものでもあるのですが。

何はともあれ、目を通していただければこれに勝る喜びはありません。


特別な何かを伝える文章ではないでしょう。

心に残る一言があるわけでもないでしょう。

それでも最後まで目を通していただければ、何か得られるものがある……かもしれません。

願わくば、期待も不安も抱えずに読んでみて下さい。

では、手短ですがこれにて失礼します。


感想、ご意見、何でも結構です。

評価の際に一言添えていただければ、今後の励みになります。

どうぞよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ