第六話 剣士大会予選
鉱山討伐の報酬は、
テッドにとって大金だった。
宿代を払い、
久しぶりに腹いっぱい食べる。
硬いパンではなく、
温かいシチュー。
思わず、
涙が出そうになる。
その夜。
酒場で、
冒険者たちの話が聞こえた。
「王都で剣士大会があるらしい」
「予選は各都市でやるってさ」
テッドの手が、
止まった。
剣士大会。
剣の腕を競う大会。
勝てば、
名も金も手に入る。
だが、
それ以上に。
強くなれる。
翌朝。
テッドは、
受付に向かった。
「大会予選に、
参加したいです」
受付の女性が、
冒険者証を見る。
「Fランクだけど」
「構いません」
しばらく見つめられ、
ため息。
「死んでも、
文句言わないで」
会場は、
闘技場だった。
円形の石造り。
観客席には、
すでに人がいる。
テッドは、
控室で剣を握る。
手が、
少し震えていた。
第一試合。
相手は、
大柄な剣士。
筋肉が盛り上がっている。
開始の合図。
男が、
突っ込んできた。
テッドは、
横に避ける。
ザイルの教え。
正面に立つな。
男の背中に、
剣を振る。
浅い。
だが、
体勢が崩れた。
テッドは、
すぐに追撃。
足を払う。
男が倒れる。
喉元に剣を突きつける。
「……降参」
勝利。
観客席が、
ざわつく。
第二試合。
細身の剣士。
動きが速い。
剣と剣が、
ぶつかる。
火花。
手首が、
痺れる。
テッドは、
無理に打ち合わない。
相手の踏み込みに、
合わせて突く。
肩に命中。
相手が、
後退。
再び踏み込む。
腹。
崩れ落ちた。
二連勝。
息が、
荒い。
腕が、
重い。
それでも、
立つ。
第三試合。
相手は、
笑っていた。
「ガキが、
調子に乗るなよ」
開始と同時に、
砂を蹴り上げる。
視界が、
白くなる。
テッドは、
目を閉じた。
気配。
左。
剣を振る。
当たった。
相手の叫び声。
視界が戻る。
相手は、
膝をついていた。
喉元に剣。
「……降参」
勝った。
頭の中に、
文字が浮かぶ。
――剣技レベル6
テッドは、
小さく息を吐く。
最弱だった自分が、
ここに立っている。
予選突破の札を、
受け取った。
王都行きが、
決まったのだ。
テッドは、
剣を握りしめる。
まだ、
足りない。
もっと、
強くなる。
少年剣士は、
次の戦場へ向かう。




